2018年6月号の日経DIに「薬剤師の出産と子育て」という特集記事が載っていました。

薬剤師の女性比率は2016年時点の調査では61.2%(厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査)。
東京都の調査では都内の薬局に勤める薬剤師の女性比率は約75%という結果が出ています。

女性薬剤師のキャリアプランに大きくかかわってくる出産・育児に対して悩みを持つ薬剤師が多いことがこの日経DIによる調査で浮き彫りになっています。

女性薬剤師の出産前の働き方

出産前の働き方は?(子供がいると回答した女性薬剤師)

正社員(フルタイム)77.0%
パート勤務         15.0%
派遣社員           0.9%
専業主婦           7.4%
その他             0.5%

子供が生まれる前は正社員で勤務していた女性薬剤師が77%と多数を占めていました。

女性薬剤師の出産後の働き方

出産後の女性薬剤師の働き方

現在の働き方は?(子供がいると回答した女性薬剤師)
正社員(フルタイム)35.9%
正社員(時短勤務)16.5%
パート勤務       42.0%
派遣社員        1.5%
専業主婦        3.1%
その他          1.1%

しかし、出産後の働き方では正社員フルタイムは半分以下の35.9%まで下がっています。時短勤務とパート勤務を合わせると約6割。

出産を境にして勤務時間を減らす傾向が見えてきます。

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出産後の正社員フルタイム勤務がだいぶ減ってますね。


pharma

その理由についても載っていました。

出産を機に働き方を変えた(変えざるを得なかった)薬剤師の声

「フルタイムで働きたいが、通勤と保育園のお迎えを考えると時短勤務にせざるを得ない。」
「出産時は産休も取れない状態で、辞めるしかありませんでした。(薬剤師として)復職してからも、なかなか休みを取れず、有給は年間で3日も取れればいい方です。」
「正職員として復帰したが保育園などに預けられる時間の制約もあり、やむなくパート勤務に変えた。」

pharma

このあたりは社会的な問題にもなっていますね。

興味深いデータもありました。

「出産・子育てを機に半数が転職した」
出産・子育てを機に転職した経験は?
転職経験がある     50.6%
転職したことはない 49.4%

t

半分以上の薬剤師が出産や子育てを機に転職をしているんですね。


q

出産したら今までのように同じところで働けないのでしょうか?

出産・子育てを機に転職をした理由

仕事より子育てを優先させたかった

勤務条件(勤務地、勤務時間、業務内容など)が合わなくなった

職場の理解が得られなかった

pharma

転職をしたくてするのではなく、転職せざるを得なかったというのが本当のところの様です。


t

そうなんですね・・・

出産・子育てを機に転職しなくてはならないのは薬局側の問題が大きい

育休や時短勤務の制度が整っていても実際に使えない、使おうとしたが上司や職場同僚からの理解が得られないため転職せざるを得なかったという声も載っています。

時短勤務の期間が終わるタイミングで異動を命じられた

育児休業からの復帰の際時短勤務を拒否された

時短勤務にするなら認定薬剤師を取得しなければならない。車通勤もNG。

pharma

ここまでくるとブラック企業ですね。育休・時短勤務から復帰する際に、あえて遠方の薬局に異動を命じて退職に追い込む薬局もあるようです。


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そんなのずるくないですか


t

うちの薬局は大丈夫か不安になってきました。

管理薬剤師からの言い分も少し

薬局内で時短勤務の人が多くなりすぎてしまい、フルタイム正社員にしわよせが来ている。
子供が病気といって休むのは仕方ないと思うが、急に休まれると業務が回らない。

pharma

スタッフが何人も急に休まれてしまうと業務が回らなくなってしまう気持ちもわかります。子供がいないスタッフにその分のしわよせが行ってしまうこともありますね。


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そういえば、時短勤務の人が増えてきて遅い時間に働けるスタッフが足りないと人事部の人が言っていました。

結局どうすれば良いか

子供がいるいないにかかわらず、お互いに助け合うという風土を作っていかないといけないということです。薬剤師の配置人員に余裕があれば問題にはならないのですが、薬剤師を常に1人余分に置いておくわけにもいきません。

pharma

やはり上司(管理薬剤師)の影響が大きいという事でしょう。ただ、会社全体や近隣エリア内の薬局間で支援の薬剤師を融通し合うなどのサポートがないと1薬局だけでは解決しきれない問題だと思います。


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そうですね。お互い様の精神で助け合えるように私も頑張ります。

結婚・出産・育児でもこのまま今の職場で働けるかどうかを見極める方法

とは言っても自分がその時になったら本当にサポートが得られるか不安ですよね。

q

私がもしそうなったら今の職場で産休や育休、短時間勤務制度は本当に使えるのでしょうか。


pharma

確かに不安ですよね。チェックする方法を一緒に見ていきましょう。

今の職場の人員体制を確認

今の職場の薬剤師の人員配置はどうでしょうか。
自分以外の薬剤師の性別と年齢、結婚の有無、今後の出産の予定などだいたいわかりますよね。
育休や時短勤務の人はいますか?
その方が問題なく働けている環境でしょうか。

1人急に休んだだけで業務が回らないなんていう綱渡り状態であれば大変危険です。

上司(管理薬剤師)の考え方を探る

上司が女性でしかも産休、育休を経ていれば育児の大変さの理解もあるでしょう。
独身の男性薬剤師であっても理解のある方はいます。もちろん上司の性別や年齢だけで考え方が決まるわけではありませんので普段から上司とコミニュケーションをとり、考え方を探っておくことが重要です。
例えば同僚薬剤師や事務スタッフが産休に入った時にその上司はどのような対応をしていたでしょうか?

もし近々結婚して引っ越す予定があるとか、妊娠・出産の予定があるというのであればあらかじめそのことを上司に伝えておければよいですね。

pharma

セクハラ、マタハラの問題もあるのでこういったプライベートなことは上司からは聞きづらいので言ってくれると助かります。


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そうなんですね。知りませんでした。


pharma

早いうちからわかっていれば対応しやすいですし。


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でもいつ子供ができるかなんてわかりません。子供ができなくて悩んでいる友達もいますし・・・


pharma

そうなんです。不妊で悩んでいる人が多いのを知っているのでなおさら子供は?なんて気軽に聞けません。。。

薬剤師の妊活への考え方についても

なかなか妊娠できなくて悩んでいる女性が少なくありません。
あなたのまわりにはそういう方いませんか?
婦人科の近くであれば妊活・不妊治療で頑張っている方の処方せんを応需していることと思います。

これには晩婚化や体質など様々な要因がありますが、薬剤師にだって妊娠できずに悩んでいる方がいます。

不妊治療には「タイミング治療」「人工授精」「体外・顕微受精」などありますが、「この日に急遽通院が必要」になることがありますので職場の理解が必要となります。

pharma

その大切な日に通院できなかったら、またチャンスが1か月先になってしまいます。それは上司として避けてあげないとだめですよね。


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不妊治療休暇がある薬局なら安心ですよね


pharma

制度があっても使えなかったり、使いづらかったりすれば意味がありません。例えば生理休暇という制度があっても使いづらいから使っていないという女性がほとんどではないでしょうか。


t

そんなのあるんですか?知りませんでした。確かに、そんな制度あってもわざわざ上司に言えないので多少辛くても我慢して出勤しますね。

生理休暇とは、「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、使用者はその者を生理日に就業させてはならない」と労働基準法第68条で定められた制度のこと。有給か無給かは企業によって異なる。

女性薬剤師が転職するなら

「今の職場ではこのまま働くのは限界。」

「この職場で子育てなんてできない。」

そんな職場で働いている女性薬剤師へ。

半数以上の女性薬剤師が出産や育児を機に転職しています。

何が大切なのかをよく考えて転職が必要ならすっぱりと転職してしまいましょう。

出産予定のある女性薬剤師・育児中の女性薬剤師が加えたい転職の条件

  • 家から通勤しやすい
  • 残業が少ない
  • 産休・育休・時短制度が整っていること。

そしてなによりも出産・育児に対して職場の理解(特に上司の理解)が得られる環境なのかどうかという条件を加えましょう。

薬局に迷惑をかけてしまう・・・なんて心配している場合ではありません。

一番大切なのは自分の子供です。

家族を犠牲にしてまで今の職場で働く意味って何でしょうか。






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育児中のスタッフが働きやすいなら独身の私にとってもきっと働きやすいですよね!