最近よく言われている働き方改革とは何でしょうか。改革といわれても実際に薬局で何をすればよいのかよくわかりませんね。
働き方改革とは何かを理解できるように簡単にまとめてみました。
働き方改革とは
働き方改革とは、「働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革」(厚生労働省
「働き方改革」の目的は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」といった日本が直面している状況を解決すること。
要は、労働者が働きやすい職場であれば自然に人が集まって人出不足が解消される。
そして、労働者それぞれのがニーズに合った働き方をすることができれば生産性が向上し、たとえ少ない人員でも利益を上げることができる。
だから今までの働き方を変えて行きましょうねというものです。
休みが取れない薬局なんて魅力ないですよね。
働き方改革関連法案(薬剤師にも関係あり)
働き方改革の実現のため、関連する法案が施行されています。もちろん薬剤師にも関係あります。
そのポイントは3つ。
時間外労働の上限規制
残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定する必要があります。
年次有給休暇の時季指定
年次有給休暇の確実な取得【施行:2019年4月1日~】
使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させる必要があります。
同一労働同一賃金
正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の
不合理な待遇差が禁止されます。
魅力ある職場を作れば薬剤師は集まる?
国の思惑は、下記の好循環をつくるため、「働き方改革」により魅力ある職場をつくりましょう、と言っているようなものです。
「魅力ある職場づくり」→「人材の確保」→「業績の向上」→「利益増」→「税収増」
「労働者ニーズにあった働き方」→「生産性向上」→「業績の向上」→「利益増」→「税収増」
魅力ある職場を作れば薬剤師の確保はできるのでしょうか?生産性は向上するのでしょうか?
答えはやり方によってはYes
魅力ある職場を作り、薬剤師の採用・確保にどうつなげるか。薬剤師の採用に良い影響を与えることができるでしょうか。
働きやすい環境をととのえて生産性・効率性をあげていくには具体的に何をすればよいでしょうか。
薬局でできる働き方改革に向けた具体的な取組内容
薬局でできる働き方改革とは具体的に何をすればよいのでしょうか。
それは、
残業削減と休みたいときに休めるという環境づくり。これに尽きます。
薬局での残業を削減させるにはどうすればよいでしょうか。
残業の発生要因を洗い出す
まずは残業の発生要因を徹底的に洗い出します。
その仕事は本当にその日のうちにやらなくてはいけないのかどうかを考えましょう。
明日に回せるものは明日にまわします。
上司が帰らないから、先輩が帰らないから帰れずになんとなく残って仕事をするというのを止めます。
上が率先してやらないとここはいけませんね。
薬歴による残業が多いのであれば、音声入力やショートカット入力を多用することで薬歴記入時間の削減を目指すと良いでしょう。
シフトを柔軟に組む
早番、遅番を週毎あるいは曜日毎に変えて組みます。
薬局の混雑状況に応じ、どの時間帯の人員を厚くすれば業務に支障を来さずかつ残業が減るかという視点でシフトを組みます。
自薬局のみではどうしようもない場合は、エリア内の他薬局も合わせてシフトを作成すると良いでしょう。
誰もが全ての仕事をできるようにする
薬局には様々な業務があります。その人がいないとできない、その人しかしていないという仕事を極力なくします。
誰もが複数の業務に取り掛かることができれば忙しさを平準化することができますし、薬局の水準も上がります。
そのためにも、誰がどの仕事をできるのかを一覧にまとめておくと良いでしょう。また、それを読めば誰でもできるというマニュアルを作成しておくことで効率的に引継ぎも行えます。
業務効率化にも好影響です。
有給休暇を取得するのは当たり前という雰囲気づくり
有給休暇は急病の時しか使えない。
そんな声が多くありますが、本来はそんなことはありません。
有給休暇を取得しやすくするには会社や上司、同僚の考え方を変える必要があります。
大切なのはスタッフ全員が等しく有給休暇を取得できるようにすること。
特定の人だけが取得して他の人は取れないなんてことを認めてはいけません。
休みを取った時はお互い様という風土を作り上げていく必要があります。
休みを取ったら何をする?希望をスタッフみんなで話し合いお互いの理解を深めるといったことも必要でしょう。
ここまでいろいろやるべきことを書いてきました。
結局は薬局の一番上の人がどう考えているかですよね。
管理薬剤師や先輩が率先して休みをとる、管理薬剤師や先輩が率先して早く帰る、管理薬剤師は開設者に対して意見を述べるここをしっかりやっていけば薬剤師だって働き方改革ができるはずです。