
就職活動中の薬学生
実習先の調剤薬局から「うちに来ない?」と声をかけてもらいました。
先生たちは優しかったし、薬局の雰囲気も良かったので、そのまま就職してもいい気がしています。
でも、他の薬局を見ないまま決めていいのか少し不安です。
- 実習先の薬局に就職してよいのか迷っている
- 実習先から誘われて、断りにくいと感じている
- 他の薬局も見た方がよいのか判断できない
- 実習先と他社で何を比べればよいかわからない
- 新卒薬剤師として就職先選びで後悔したくない
あなたはこのようなことで悩んでいませんか?
実習先の薬局から声をかけてもらうと、うれしいですよね。
実習中にお世話になった先生から評価してもらえた気がしますし、「ここなら安心して働けるかも」と思うのもよくあることです。
でも、実習中にお世話になった先生から声をかけられると、断る選択肢を考えるだけで申し訳ない気持ちになるかもしれません。
一方で、こんな気持ちも出てくると思います。
- 誘ってもらったのに、他社を見ると言ったら失礼かな
- 実習先の先生に悪く思われたくない
- 他の会社説明会に行っても、正直違いがよくわからない
- 実習先なら知っている人もいるし、安心できる
- でも、その安心感だけで決めていいのか不安
- 新卒で就職先を間違えたら、その後が大変そうで怖い
まず伝えたいのは、迷うのは当たり前ということです。
実習先に好印象を持つのも、誘われて断りにくいと感じるのも、あなたが真剣に就職先を考えているからです。
ただし、「実習先が良かったから」という理由だけで就職先を決めるのはおすすめしません。
実習先の店舗にそのまま配属されるとは限りません。実習時と入社時で、薬局長・指導薬剤師・人員体制・忙しさが変わっていることもあります。



実習先は有力な就職候補です。ただし、唯一の候補にしないことが大切です。この記事では、実習先に就職するメリット・デメリットだけでなく、就職してよいケース、慎重に考えるべきケース、確認すべき質問まで整理します。
結論|実習先の薬局に就職してもよいが、即決はしない
実習先は有力候補だが、配属先・教育体制・他社比較を確認してから判断する。
実習先の薬局に就職するのは、選択肢として十分ありです。
実際の職場を見てから就職先を考えられるため、求人票や会社説明会だけで選ぶよりも、現場の空気を知っています。
実習先の薬局に就職する前に、最低でも次の3つは確認してください。
- 実習先の店舗に配属される可能性
- 新人薬剤師への教育体制
- 他社・他店舗と比べたときの働く環境
実習先の印象だけで決めず、配属先・教育体制・人員体制・残業・休日・異動範囲まで確認してから判断しましょう。
実習先の薬局が良い職場だったなら、それはとても良いことです。
就職先の候補として前向きに考えて問題ありません。
でも、実習先だけを見て「ここしかない」と決めてしまうと、あとから比較不足に気づくことがあります。
特に大事なのは、入社後にどの店舗で働くのかです。
実習先の薬局長や指導薬剤師がどれだけ良い人でも、入社後に別店舗へ配属されることがあります。
その場合、毎日働く環境は大きく変わります。
「実習先が良かった」ことと、「その会社のどの店舗でも自分に合う」ことは別です。
だからこそ、実習先は有力候補として大切にしつつ、他の薬局や会社も見てから決めましょう。
比べたうえで実習先を選ぶなら、納得して入社できます。
薬学生が実習先の薬局に就職するのはあり?
実習先への就職は選択肢になるが、入社後の配属先まで確認することが重要。
薬学生が実習先の薬局に就職するのは、決して悪い選択ではありません。
むしろ、実際の職場を見たうえで就職先を選べるのは大きな強みです。
求人票や会社説明会だけでは、薬局の本当の雰囲気まではわかりません。
薬局長の話し方、先輩薬剤師の教え方、事務スタッフとの関係、忙しい時間帯の空気。
こうした部分は、現場に入った人だけが見られる情報です。
実習中に「ここなら質問しても大丈夫そう」「患者さんへの対応が丁寧だな」「この先生みたいな薬剤師になりたい」と感じたなら、その感覚は無視しない方がいいです。
ただし、1つだけ注意してください。
実習先の薬局が良くても、入社後にその店舗へ配属されるとは限りません。
薬局・ドラッグストア全体の選び方まで詳しく知りたい方は、新卒薬剤師の就職先薬局・ドラッグストアの選び方で整理しています。


この記事では、あくまで「実習先の薬局に就職してよいか」を判断するためのポイントに絞って解説します。
薬学生が実習先の薬局に就職するメリット
実習先就職の強みは、職場の雰囲気や業務の流れを入社前に把握できること。
実習先の薬局に就職するメリットは、実際の職場を見たうえで入社を検討できることです。
新卒薬剤師は、薬の知識だけでなく、職場のルールや人間関係にも慣れなければなりません。
入社初日から、薬局の空気をまったく知らない状態ではない。これだけでも、1年目の不安はかなり減ります。


- 人間関係を事前に知っている
- 仕事の流れをイメージできる
- 患者層や処方内容がわかる
- 残業・休日・忙しさの雰囲気を見ている
- 志望動機を作る材料がある
人間関係を事前に知っている
実習先に就職する大きなメリットは、人間関係をある程度知っていることです。
実習中に、薬局長の声かけや先輩薬剤師の教え方を見て、「ここなら質問しても大丈夫そう」と感じたなら、その感覚は大事にしてください。
新卒薬剤師にとって、最初の職場の人間関係はかなり重要です。
わからないことを聞けるか。
失敗したときにフォローしてもらえるか。
忙しいときでも、最低限の声かけがあるか。
このあたりは、求人票には書かれていません。
実習中に実際の空気を見られるのは、実習先に就職する大きなメリットです。
仕事の流れをイメージできる
実習先の薬局では、受付から調剤、監査、服薬指導、薬歴記載までの流れを見ています。
もちろん、実習生として見る仕事と、薬剤師として担当する仕事は違います。
それでも、薬局の導線、調剤機器、監査の流れ、忙しい時間帯を知っているだけで、入社後の不安は減ります。
薬局現場では、同じ会社でも店舗ごとにやり方が違います。
薬歴を書くタイミング、疑義照会の流れ、事務スタッフとの分担、閉局前の片付け方まで、店舗ごとのルールがあります。
実習先に配属されるなら、その流れを少し知った状態で1年目を始められます。
患者層や処方内容がわかる
薬局は、立地や門前医療機関によって患者層が大きく変わります。
高齢者が多い薬局、小児科門前の薬局、内科中心の薬局、複数の医療機関から処方せんを受ける薬局など、店舗ごとに色があります。
実習先で患者層や処方内容を見ていれば、入社前に「どの分野を復習しておくか」を決められます。
小児科門前なら、散剤・水剤・保護者対応。
在宅に力を入れている薬局なら、在宅医療や多職種連携。
内科門前なら、生活習慣病の薬や服薬継続の声かけ。
入社前から薬局の特徴を知っていると、勉強する順番も決めやすくなります。
残業・休日・忙しさの雰囲気を見ている
求人票に「残業少なめ」「休日充実」と書かれていても、実際の忙しさは店舗によって違います。
実習先であれば、混みやすい時間帯、スタッフの人数、薬局内のピリピリ感、閉局前の慌ただしさをある程度見ています。
大事なのは、忙しさそのものよりも、忙しいときの空気です。
忙しくても、薬剤師同士が声をかけ合っている職場なのか。
それとも、忙しくなると誰にも質問できない空気になる職場なのか。
この違いは、入社後に質問できるか、毎日出勤するときの気持ちが重くならないかに関わります。
志望動機を作る材料がある
実習先の薬局に就職を希望する場合、志望動機を作る材料があります。
実習で見た場面を、自分の言葉で話せるからです。
たとえば、次のように具体化できます。
- 患者さんへの声かけが丁寧で、自分もこのような薬剤師になりたいと感じた
- 実習生への指導が丁寧で、新卒でも学べる環境だと思った
- 地域の患者さんに信頼されている薬局だと感じた
- 在宅や健康相談など、薬局薬剤師として幅広く学べる環境だと思った
「実習でお世話になったから」だけでは少し弱いです。
でも、実習中に見た具体的な場面を入れれば、あなた自身の言葉になります。
薬学生が実習先の薬局に就職するデメリット
実習先就職は安心感がある一方、配属や人員体制の変化でギャップが生じる。
実習先の薬局に就職することには、たしかに安心感があります。
ただし、良い面だけを見て決めると、入社後に「確認しておけばよかった」と感じることがあります。


- 実習時と入社時で状況が変わっていることがある
- 実習先とは別の店舗に配属される可能性がある
- 他社と比べずに決めてしまいやすい
- 良い店舗でも会社全体が合うとは限らない
- 誘われたから断りにくいと感じてしまう
実習時と入社時で状況が変わっていることがある
実習中に見た職場が、入社後も同じとは限りません。
薬局長が異動する。
指導してくれた先輩薬剤師が退職する。
人員が減って、実習中より忙しくなる。
薬局では、このような変化が起こります。
実習中はとても良い雰囲気だったのに、入社時には別の職場のように感じることもあります。
だからこそ、実習時の印象だけで決めず、内定前に現在の人員体制や教育体制を確認しておきましょう。
実習先とは別の店舗に配属される可能性がある
一番注意したいのは、配属先です。
実習先が良くても、そこに配属されるとは限りません。
薬局で働いていると、同じ会社でも店舗ごとに空気がまったく違うことを実感します。
薬局長が変わるだけで、質問のしやすさや新人への声かけが大きく変わることもあります。
店舗が変われば、人間関係、忙しさ、患者層、処方内容まで変わります。
新人教育の手厚さも、店舗によって差が出ます。
実習先に就職するつもりで入社したのに、実際は別店舗配属だった。
その店舗が自分に合わなかった。
こうなると、「実習先が良かったから決めたのに」と後悔しやすくなります。
実習先に就職する前に、配属や異動の考え方を知っておくと安心です。薬剤師の転勤・異動は多い?では、異動範囲や配属の考え方を整理しています。


他社と比べずに決めてしまいやすい
実習先の薬局に良い印象を持つと、他の会社を見るのが面倒になることがあります。
「ここでいいかも」
「先生も優しかったし、雰囲気も良かったし」
「会社説明会に行っても、違いがよくわからないし」
そう感じるのは、よくあることです。
でも、比べないままでは本当の良し悪しは見えません。
実習先の初任給が高いと思っていても、他社の方が休日や教育体制に納得できるかもしれません。
実習先の雰囲気が良くても、配属先が未定なら不安が残ります。
実習先を否定する必要はありません。
むしろ、実習先を基準にして他社を見ると比べやすくなります。
- 実習先より教育体制の説明は具体的か
- 実習先より配属先の説明ははっきりしているか
- 実習先より休日や残業の説明に納得できるか
- 実習先より新人が質問できる環境に見えるか
良い店舗でも会社全体が合うとは限らない
実習先の店舗が良くても、その会社全体が自分に合うとは限りません。
実習先の薬局長が、たまたま教育熱心だったのかもしれません。
実習先の店舗だけ、人員に余裕があったのかもしれません。
実習先の雰囲気は良くても、他店舗では忙しさや人間関係がまったく違うこともあります。
薬局選びでは、会社名だけでなく「実際に働く店舗」を見ることが大事です。
新卒薬剤師は、最初の配属先で薬剤師としての土台を作ります。
会社全体の制度と、配属予定店舗の実態。両方を見ておきましょう。
誘われたから断りにくいと感じてしまう
実習先から誘われると、断りにくいですよね。
実習でお世話になった先生なら、なおさらです。
「他社も見ます」と言ったら失礼かな。
「断ったら気まずくならないかな」
そう感じるのは、あなたがまじめに考えているからです。
でも、就職先を選ぶのはあなたです。
感謝の気持ちと、就職先を冷静に選ぶことは分けて考えて大丈夫です。
実習先に感謝しているからこそ、きちんと比べて、納得したうえで返事をしましょう。
実習先の薬局に就職してもよいケース
配属先と教育体制が明確なら、実習先は前向きに検討できる就職先。
ここまで読むと、「実習先に就職するのは危ないのかな」と感じたかもしれません。
そういう意味ではありません。条件が合っているなら、実習先の薬局はかなり有力な就職先です。
次の条件に多く当てはまるなら、実習先への就職を前向きに考えてよいでしょう。
- 実習先の店舗、または希望エリアへの配属可能性が高い
- 新人薬剤師の教育体制が明確
- 質問できる雰囲気がある
- 人員体制に大きな不安がない
- 残業・休日・有給取得について納得できる
- 他社と比べても条件に大きな不満がない
- 薬局長や先輩薬剤師の働き方に納得できる
特に大切なのは、配属先と教育体制です。
実習先の店舗に配属される可能性が高く、新人薬剤師への指導体制も整っているなら、入社後の不安は減ります。
新卒1年目は、薬剤師としての土台を作る時期です。
いきなり一人で抱え込む職場より、質問できる人がいて、段階的に業務を任せてもらえる職場の方が合っています。
ただし、「なんとなく雰囲気が良かったから」という感覚だけで決めるのは避けましょう。
良い職場だと感じた理由を、配属先・教育体制・人員体制・休日・残業に分けて確認してください。
実習先への就職を慎重に考えた方がよいケース
配属先や教育体制が曖昧な場合、実習先への就職は慎重に判断する。
反対に、次のような場合は少し慎重に考えた方がよいです。
実習先の先生が優しかったとしても、入社後に毎日働く環境として合うかは別だからです。
- 配属先がまったくわからない
- 「入社後に配属を決める」としか言われない
- 実習中から人員不足が気になっていた
- 忙しくなると質問できない空気だった
- 新人教育について具体的な説明がない
- 薬局長や先輩の働き方がつらそうだった
- 他社をほとんど見ないまま決めようとしている
- 給料や雰囲気だけで判断しようとしている
特に、配属先が未定のまま内定を出される場合は注意が必要です。
実習先の薬局が良くても、実際に働く店舗が違えば、ほぼ別の職場です。
会社の制度は同じでも、毎日一緒に働く人、忙しさ、患者層、処方内容は店舗ごとに変わります。
また、個人薬局や小規模薬局に就職する場合は、教育体制や人員体制をより慎重に確認した方がよいです。
小規模薬局がすべて悪いわけではありません。
ただ、新卒で入るなら、指導してくれる薬剤師がいるか、休みが取れる体制か、将来の選択肢が狭くなりすぎないかを見ておく必要があります。
個人薬局への就職を考えている方は、給料や雰囲気だけで決める前に、新卒で個人薬局は危険?も確認しておきましょう。


実習先に就職する前に必ず確認したい質問
実習先への就職前は、配属先・教育体制・労働条件を書面も含めて確認する。
「ここまで聞くのは失礼かな」と感じるかもしれません。
でも、入社後に毎日働くのはあなたです。
確認しないまま就職して後悔するより、前向きに検討しているからこそ質問する方が健全です。
実習先に就職する前に、次の質問を確認しておきましょう。
- 配属先は実習先の店舗ですか?
- 別店舗に配属される可能性はありますか?
- 配属エリアはどこまでですか?
- 新卒1年目の異動はありますか?
- 新人薬剤師の教育担当は誰ですか?
- 入社後の研修スケジュールはありますか?
- 1年目はどこまでの業務を担当しますか?
- 平均残業時間はどのくらいですか?
- 休日・有給取得の実態はどうですか?
- 内定条件は書面で確認できますか?
聞き方は、強く詰める必要はありません。
前向きな気持ちを伝えたうえで確認すれば大丈夫です。
実習中にとても良い雰囲気だと感じたので、就職先として前向きに考えています。入社後の配属先や新人教育についても確認したいのですが、実習先の店舗に配属される可能性はありますか?
この聞き方なら、失礼な印象にはなりません。
むしろ、真剣に就職先を考えていることが伝わります。
求人票・面接・内定前に何を確認すればよいかわからない方は、薬剤師転職の確認事項チェックリストも参考にしてください。転職向けの記事ですが、配属先・労働条件・内定条件を確認する考え方は、薬学生の就職活動にも使えます。


実習先と他の薬局を比較するときのポイント
実習先と他社は、雰囲気ではなく配属先・教育体制・休日・残業で比較する。
会社説明会に行っても、どの会社も良く見えることがあります。
初任給も大きく違わない。
研修制度も、どの会社も「充実しています」と言う。
地域に密着した薬局です、患者さんに寄り添います、と説明されても、薬学生の立場では違いが見えにくいはずです。


そんなときは、次の項目で比べてください。
| 比較項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 配属先 | 実習先店舗に配属されるのか、別店舗の可能性があるのか |
| 教育体制 | 新人研修、OJT、教育担当、独り立ちまでの流れ |
| 人員体制 | 薬剤師数、事務スタッフ数、忙しい時間帯の人数 |
| 処方内容 | 診療科、処方せん枚数、在宅業務の有無 |
| 残業 | 平均残業時間、閉局後の薬歴、繁忙期の働き方 |
| 休日 | 年間休日、日祝勤務、土曜勤務、有給取得の実態 |
| 異動範囲 | 自宅から通える範囲か、県外転勤があるか |
| キャリア | 管理薬剤師、在宅、認定薬剤師、研修制度の有無 |
比べる前に、自分の希望条件も分けておきましょう。
- 絶対に譲れない条件:勤務地、教育体制、休日など
- できれば叶えたい条件:在宅を学びたい、認定薬剤師を目指したいなど
- 避けたい条件:県外転勤、配属先未定、人員不足が強い店舗など
希望条件があいまいなままだと、実習先の雰囲気や初任給だけで決めてしまいます。
「何を大事にしたいのか」を決めてから、実習先と他社を比べましょう。
実習先以外の薬局も見学した方がよい理由
実習先以外も見学すると、実習先の良さと不安点を客観的に判断できる。
実習先が良かったなら、他の薬局を見るのが面倒に感じるかもしれません。
それでも、できれば実習先以外の薬局も見学してください。
比較する相手がないと、実習先の良いところも、気になるところも見落としてしまいます。
実習先では普通だと思っていたことが、他の薬局では違うかもしれません。
- 薬剤師と事務スタッフの役割分担
- 薬剤師一人あたりの処方せん枚数
- 監査システムや調剤機器の充実度
- 新人への教え方
- 薬歴を書く時間の確保
- 在宅業務の有無
- 休憩の取り方
- スタッフ同士の会話の雰囲気
複数の薬局を見ると、実習先の良さがよりはっきりすることもあります。
反対に、「実習先は良いと思っていたけれど、教育体制は他社の方が合っているかもしれない」と気づくこともあります。
どちらにしても、比べたうえで選ぶ方が後悔を減らせます。
薬局見学でどこを見るべきかわからない方は、薬局見学で失敗しないためのチェックポイントを確認してください。新卒の就職活動でも、見るべき場所を整理できます。


実習先から誘われたときの返答例
実習先から誘われても、感謝を伝えたうえで確認や比較の時間を取ってよい。
実習先から「うちに来ない?」と声をかけられると、うれしい反面、返事に迷いますよね。
「前向きに考えたいけれど、すぐに返事をするのは怖い」
そんなときは、返事を保留しても大丈夫です。
就職先を真剣に考えているなら、いったん持ち帰って確認する方が自然です。
前向きに検討したい場合
ありがとうございます。実習を通して、とても働きやすそうな薬局だと感じています。就職先の候補として前向きに考えたいので、配属先や新人教育について詳しく教えていただけますか?
前向きに考えている場合でも、配属先や教育体制は確認しましょう。
「入社後にどこで働くのか」「誰が教えてくれるのか」は、新卒薬剤師にとって重要です。
他社も見てから決めたい場合
声をかけていただきありがとうございます。とてもありがたく思っています。就職先は長く働く場所として慎重に考えたいので、他の会社も見たうえで判断させていただきたいです。
他社を見ることは失礼ではありません。
比べたうえで実習先を選ぶ方が、入社後も納得して働けます。
すぐには返事ができない場合
実習では大変お世話になり、本当にありがとうございました。就職先については、自分の希望条件や将来の働き方も含めて検討しているため、すぐにお返事することが難しい状況です。決まり次第、改めてご連絡させてください。
すぐに返事ができないからといって、悪いことではありません。
就職先は、これから毎日通う場所です。
実習先への感謝だけで決めず、自分が納得できるかどうかも大切にしてください。
薬学生におすすめの就活方法
薬学生の就活は、実習先だけでなく複数の情報源を使って比較することが重要。
薬学生におすすめなのは、実習先だけで決めず、複数の情報源を使って就職先を比べることです。
ここでは、実習先だけで決めないために、薬学生が使いやすい情報源を整理します。


実習先は、あなたが実際に見た貴重な情報源です。
でも、それだけで決めると、比べる相手が少なくなります。
就職先を比べるときは、次の方法を組み合わせましょう。
- 大学の就職支援を利用する
- 合同説明会や会社説明会に参加する
- 実習先以外の薬局も見学する
- 先輩薬剤師や同級生から話を聞く
- 薬学生向けの就活サイトを使う
実習先以外の薬局も見たいけれど、どこから探せばよいかわからない方は、薬学生向けの就活サービスを使うのも一つの方法です。
薬剤師免許取得見込みの薬学生でも使えるサービスを知りたい方は、薬学生が本当に登録すべき就活サイト3選を確認してください。


薬剤師になってから「思っていた職場と違う」と感じたら
入社後の違和感は自分を責めず、原因を分けて職場継続か環境変更を考える。
就職先をどれだけ慎重に選んでも、入社してから「思っていた職場と違う」と感じることはあります。
それは、あなたの見る目がなかったからとは限りません。
入社前に見える情報には限界があります。配属先、人員体制、薬局長との相性、忙しさは、実際に働いてみないとわからない部分もあります。
薬剤師になってから、次のように感じることがあるかもしれません。
- 教育体制が思っていたより整っていない
- 質問したいのに、声をかけるタイミングがない
- 配属先が実習先とまったく違った
- 人員不足で毎日余裕がない
- 残業や休日出勤が想像より多い
- 人間関係がつらく、出勤前に気分が重い
そのようなときに大切なのは、すぐに転職を決めることではありません。
まずは、何がつらいのかを分けて考えましょう。
今の職場で相談すれば変わる問題なのか。
時間が経てば慣れる問題なのか。
それとも、環境を変えないと解決しない問題なのか。
薬剤師になってから、教育体制・配属先・人間関係・早期離職で悩んだときは、新人・若手薬剤師の転職ガイドを読んでみてください。


今すぐ転職するための記事ではありません。
「このまま続けるべきか」「別の職場を考えた方がよいのか」を落ち着いて考えるための記事です。
また、今はまだ必要ないかもしれませんが、薬剤師になってから「今の職場を続けてよいのかわからない」と感じたときは、薬剤師の転職必要度診断で状況を確認できます。
悩んだときに、今の職場を続けるべきか考えられる場所があると、それだけで少し安心です。
薬学生が実習先の薬局に就職するメリットとデメリットQ&A
実習先就職の疑問は、配属・返答・比較基準を中心に確認しておく。
ここでは、実習先の薬局に就職するか迷っている薬学生からよく出る疑問をまとめます。
特に、配属先・返事の仕方・他社との比較は、入社後の後悔につながりやすい部分です。
気になるところだけでも確認しておきましょう。
Q1. 実習先の薬局が良かったら、そのまま就職しても大丈夫ですか?
実習先の薬局が良かったなら、就職先の候補に入れて問題ありません。
ただし、そのまま即決するのはおすすめしません。
実習先の店舗に配属される可能性、新人薬剤師への教育体制、他社と比べたときの働く環境を確認してから判断しましょう。
Q2. 実習先から誘われたら、すぐ返事をした方がいいですか?
すぐに返事をしなくて大丈夫です。
前向きに考えている場合でも、配属先や新人教育について確認してから返事をしましょう。
「他社も見たうえで判断したい」と伝えるのは失礼ではありません。
Q3. 実習先に就職しても、別店舗に配属されることはありますか?
あります。
会社の人員状況や配属方針によって、実習先とは別の店舗に配属されることがあります。
内定前に、実習先店舗への配属可能性、配属エリア、新卒1年目の異動の有無を確認しておきましょう。
Q4. 実習先に就職しないと、先生に失礼ですか?
失礼ではありません。
実習でお世話になったことへの感謝と、就職先を選ぶことは別です。
断る場合も、感謝を伝えたうえで「他の会社も見て、自分の希望に合う職場を考えたい」と伝えれば大丈夫です。
Q5. 実習先と他の薬局は何を比べればいいですか?
配属先、教育体制、人員体制、残業、休日、異動範囲を比べましょう。
初任給や薬局の雰囲気だけで決めると、入社後に「教育体制まで見ておけばよかった」と後悔することがあります。
特に新卒薬剤師は、質問できる環境かどうかを重視してください。
Q6. 実習先が良かったのに、入社後につらくなったらどうすればいいですか?
まずは、何がつらいのかを分けて考えてください。
教育体制なのか、人間関係なのか、忙しさなのか、配属先の問題なのかで対処法が変わります。
入社前に見えなかった問題が出てくることもあります。自分だけを責めず、今の職場を続けるべきか落ち着いて考えましょう。
薬学生が実習先の薬局に就職するメリットとデメリットまとめ
実習先は有力候補だが、唯一の選択肢にせず比較して納得して選ぶことが大切。
実習先の薬局は、有力な就職候補です。
ただし、即決する場所ではありません。
実際の職場を見たうえで判断できるため、新卒の就職活動では大きな強みになります。
実習先の薬局に就職するメリットは、次のとおりです。
- 人間関係を事前に知っている
- 仕事の流れをイメージできる
- 患者層や処方内容がわかる
- 残業・休日・忙しさの雰囲気を見ている
- 志望動機を作る材料がある
一方で、次のようなデメリットもあります。
- 実習時と入社時で状況が変わっていることがある
- 実習先とは別の店舗に配属される可能性がある
- 他社と比べずに決めてしまいやすい
- 良い店舗でも会社全体が合うとは限らない
- 誘われたから断りにくいと感じてしまう
大切なのは、実習先を「有力候補」として見ながらも、「唯一の選択肢」にしないことです。
実習先の印象だけで決めず、配属先、教育体制、人員体制、残業、休日、異動範囲、他社との違いを確認してから判断しましょう。
実習先に就職するか迷うのは、あなたが真剣に将来を考えているからです。
誘われてうれしい気持ちも、断りにくい気持ちも、他社を見るのが面倒に感じる気持ちも、どれもよくあることです。
それでも、就職先はこれから毎日働く場所です。
感謝の気持ちは大切にしながら、自分が納得できる選択をしてください。
薬剤師になってから「思っていた職場と違う」と感じても、それはあなたが悪いとは限りません。
配属先、人間関係、教育体制、忙しさは、実際に働いてみないと見えない部分もあります。
そのときは一人で抱え込まず、今の職場を続けるべきか、別の職場を考えるべきかを整理していきましょう。



