ラウンダー薬剤師として成功する秘訣:メリット・デメリット徹底解説
q

薬局勤務中の薬剤師

ラウンダー薬剤師への異動を打診されたが、自分に向いている働き方なのか不安

家族との時間や生活リズムの乱れが心配で、新しい働き方に踏み出せない

「ラウンダー薬剤師として働いてみないか?」

そう上司に言われたものの、「ラウンダーって何?」「本当に自分に合ってるの?」と戸惑っていませんか。

家庭との両立ができるか不安収入は安定するのかそもそもどんな仕事内容なのかよくわからない——そんな悩みを抱えて、なかなか一歩を踏み出せない薬剤師の方は少なくありません。

ですが、ラウンダー薬剤師という働き方は、実はキャリアアップや高収入、ライフスタイルの自由度を得られるチャンスでもあります。ただし、合う人・合わない人がはっきり分かれるのも事実。

この記事では、ラウンダー薬剤師のメリット・デメリット、必要なスキル、成功するためのコツを、薬剤師歴25年の現役管理薬剤師が解説します。ご自身の働き方を見直すための判断材料として、ぜひ参考にしてください。


本記事でわかること

  • ラウンダー薬剤師の基本的な働き方と特徴
  • 向いている人のタイプと向いていない人の見分け方
  • 転職や異動を検討する際のチェックポイント
  • 現役薬剤師が教える成功するためのリアルなスキル
自己紹介

pharma_di(ファマディー)

Instagramのフォローもお願いします!
ストーリーズでは内容の濃い情報を発信中≫ ファマディー

全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。

管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト

面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。

私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。

ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。

このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。

≫詳しい自己紹介

結論
ラウンダー薬剤師は、キャリアとライフスタイルの両立を目指せる柔軟な働き方です。しかし、安定性・人間関係・勤務環境の変化など、乗り越えるべき課題も存在します。

ご自身の性格・目的・ライフステージに照らして、「自分に本当に合った働き方か?」を見極めることが大切です。

この記事を読むと、ラウンダー薬剤師としての働き方のメリットやデメリットを理解し、自分に合った働き方かどうかを判断する材料が得られます。

また、成功するためのポイントや必要なスキルについても詳しく解説します。

ラウンダー薬剤師とは?

ラウンダー薬剤師とは何かを説明する図。男性薬剤師が複数の薬局を矢印でつながれながら巡回する様子が描かれている。

ラウンダー薬剤師とは、決まった1つの職場に所属せず、複数の薬局を巡回して勤務する薬剤師のことを指します。

一般的な常勤薬剤師とは異なり、「応援・代替・支援要員」として柔軟に各拠点をサポートする働き方です。

曜日ごとに違う薬局で働いたり、短期間ごとの配置転換があるなど、勤務先が変動するのが大きな特徴です。

そのため、職場ごとに異なる処方やシステムに対応する柔軟性が求められます。

このようなラウンダー勤務は、単調な業務から脱却したい人や、幅広い現場経験を積みたい薬剤師にとって非常に魅力的な働き方です。

一方で、常に新しい環境への適応が必要となるため、変化への耐性も求められます。

ラウンダー薬剤師の役割と仕事内容

ラウンダー薬剤師は、不足している店舗の人員補充や、急な欠員対応、繁忙期の応援など、多様な目的で各拠点に派遣されます。
その業務は通常の薬剤師と変わらず、調剤・監査・服薬指導・在宅対応・薬歴管理など、あらゆる薬局業務に即対応する力が必要です。

患者層も職場によって変わるため、その都度適したコミュニケーションや対応が求められ、薬剤師としての総合力が試されます。

通常の薬剤師との違い

一般的な薬剤師は「1つの職場に継続的に勤務し、固定の同僚や患者と関係を築いていく」働き方です。

一方、ラウンダー薬剤師は職場が一定せず、毎回違うスタッフや患者と関わることになります。

このため、業務への即時適応力・環境変化への柔軟性・初対面での信頼構築力が強く求められます。

また、企業によっては社用車や交通費補助など、勤務サポート体制が整っているケースもあります。

ラウンダー薬剤師のメリット

ラウンダー薬剤師として働くことには、固定勤務では得られない多くの魅力があります。

キャリア面だけでなく、収入面・ライフスタイル面でも利点があり、自分らしい働き方を追求したい人に特におすすめです。
ラウンダー薬剤師として働くメリットを一覧で示した図。スキルアップ、多様な経験、柔軟な働き方、高収入の可能性などが図解されている。

スキルアップとキャリアの幅が広がる

複数の薬局や病院で働くことで、多種多様な処方内容や薬歴業務に触れられるため、薬剤師としてのスキルを効率的に磨けます。
これにより将来的なキャリアパスの選択肢が増え、転職や独立を視野に入れる際にも有利に働きます。

ルーティン脱却で常に新鮮な気持ち

毎回異なる職場での勤務は、日々新しい発見があり、業務への刺激やモチベーション維持につながります。
「同じ作業の繰り返しに飽きてしまう」「新しいことに挑戦したい」という人にとって、精神的なリフレッシュ効果も期待できます。

柔軟な働き方でライフバランスも確保

ラウンダー薬剤師は、勤務場所や時間帯の調整が比較的効きやすく、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
特に家庭との両立や副業など、個人の事情に応じた働き方を模索したい人にフィットします。

管理職でなくても高収入を目指せる

ラウンダー薬剤師は、業務の即戦力・機動力が評価されやすく、報酬が高くなる傾向があります。
一部の調剤チェーンでは、通常勤務の薬剤師よりも高めの時給・日給が設定されていることもあり、管理職にならずに収入を上げたい人にとっては大きなメリットです。

人脈が広がる・視野が広がる

複数の現場で働くことで、さまざまな薬剤師・医療スタッフとの出会いが増え、業界内での人脈が自然と広がります。
また、職場ごとの方針や運営の違いを知ることで、薬剤師としての視野が広がる点も見逃せません。

ラウンダー薬剤師のデメリット

ラウンダー薬剤師は多様な経験を積める一方で、環境の変化や働き方の不規則さによる負担が避けられない側面もあります。
働く前にこれらのデメリットを正しく理解しておくことが、後悔のない選択につながります。
ラウンダー薬剤師として働く際のデメリットをまとめた図。移動による負担、収入の不安定さ、人間関係の構築の難しさ、不規則な勤務などが図解されている。

移動・通勤による身体的・精神的負担

複数拠点への移動が前提となるため、長距離通勤や頻繁な移動による疲労感は避けられません。
特に車通勤が前提の地域や交通アクセスが悪いエリアでは、移動ストレスが大きくなる可能性があります。

人間関係を築きにくい

短期間ごとに勤務先が変わるため、スタッフや患者との長期的な信頼関係を築くことが難しい場面があります。
「人間関係のストレスが減る」という意見もありますが、孤立感や心理的な疎外感を感じる人も少なくありません。

職場ルールやシステムへの適応が大変

薬局ごとに異なる電子薬歴、調剤機器、ルール・文化への対応が必要となります。
毎回ゼロから覚える負担があるため、機械操作やルール変更に弱い人には不向きです。

残業やシフト変更が発生しやすい

人手不足の店舗に配属されることが多いため、通常よりも業務量が多く、残業が発生しやすい傾向にあります。
また、直前のシフト変更や急な呼び出しが発生する場合もあり、安定した生活リズムを重視する人にはストレスとなる可能性があります。

私生活の予定が立てづらい

勤務場所や時間が直前まで確定しないケースもあり、家族の予定やプライベートの計画が立てにくくなる場合があります。
特に小さな子どもを育てている家庭では、家族への影響が出やすい点に注意が必要です。

ラウンダー薬剤師に向いている人

ラウンダー薬剤師は、すべての薬剤師に向いている働き方ではありません。

ですが、特定の資質や考え方を持つ方にとっては、理想的なキャリア選択となる可能性があります。

ラウンダー薬剤師に向いている人の特徴をまとめたイラスト。中央の女性薬剤師のまわりに、柔軟性・適応力・コミュニケーション力・変化への対応などの要素が図解されている。

ここでは、ラウンダー薬剤師に特に向いている人の特徴を紹介します。

変化を楽しめる人

勤務先や業務内容が日々異なるため、変化を前向きに捉えられる人はラウンダー薬剤師に非常に適しています。
「毎日違う現場で働くことにワクワクする」「新しい経験が好き」というタイプは、大きな適性があります。

適応力・柔軟性が高い人

毎回異なる職場の環境、機器、ルールに即対応できる柔軟な思考と行動力が必要です。
特に初めての職場でも臆せず動ける方、自分から環境に馴染もうとする姿勢を持っている方に向いています。

コミュニケーション能力に自信がある人

どの現場でも初対面のスタッフや患者と関わるため、短時間で信頼関係を築く能力が求められます。
「誰とでもすぐに打ち解けられる」「人と話すことが好き」という方には、大きなアドバンテージとなります。

自己管理能力が高い人

不規則な勤務や移動スケジュールを自己管理できることも、ラウンダー薬剤師として成功するうえで不可欠です。
時間・体調・感情のセルフコントロールができる方は、長く安定して働けます。

幅広い経験を積みたい人

調剤薬局だけでなく、病院薬局、在宅医療、OTC販売など、多様な現場を経験し、薬剤師としての視野を広げたい方にとっては、これ以上ない環境です。
「将来は教育・管理職・独立を目指したい」というキャリア志向の方にも適しています。

ラウンダー薬剤師として成功するためのポイント

ラウンダー薬剤師は、ただ巡回するだけの働き方ではありません。

さまざまな現場で力を発揮するためには、自分自身をマネジメントするスキルと、どの職場でも信頼される立ち回りが求められます。

ここでは、ラウンダー薬剤師として長く活躍するために必要な要素を解説します。

タイムマネジメント力を鍛える

移動を伴う働き方では、時間の使い方が成果に直結します。
通勤・準備・業務・休息のバランスを考え、無駄を減らし効率的に行動できる習慣を身につけることが重要です。

体調管理・メンタルケアの徹底

不規則な勤務スケジュールや移動疲れが重なると、体調を崩しやすくなります。
だからこそ、健康管理・生活習慣・ストレス対処法を自分なりに確立しておく必要があります。

職場ごとの文化やルールを尊重する

どの現場でも「郷に入っては郷に従え」の姿勢が大切です。
その場のやり方を否定せず、一時的なチームメンバーとして誠実に溶け込む努力が、信頼構築に直結します。

丁寧な引き継ぎと報告の習慣を持つ

「引き継ぎが曖昧でトラブルになった」「前任者のメモがなくて困った」
——このような現場の声は多く、ラウンダー薬剤師にも厳しい目が向けられます。
後任者への丁寧な引き継ぎ・その日の業務報告の徹底は、プロとしての信頼を築く鍵です。

ポジティブな第一印象を意識する

毎回初対面の人と働くからこそ、第一印象の良さ=仕事のやりやすさに直結します。
笑顔・挨拶・姿勢・服装・清潔感など、基本的なビジネスマナーの積み重ねが大きな武器になります。

ラウンダー薬剤師になるためのスキルと準備

ラウンダー薬剤師として働くには、一般的な薬剤師業務のスキルに加えて、即戦力として対応するための準備とマインドセットが必要です。
ここでは、実際に求められるスキルや備えておくべき準備を具体的に解説します。


幅広い処方箋対応能力

複数の薬局で扱う処方内容は千差万別。
そのため、内科・整形・耳鼻科・皮膚科など、幅広い診療科の処方経験があると非常に有利です。
調剤や監査の精度・スピードも重要視されます。

臨機応変な対応力

初めての店舗で、突然レセコンや電子薬歴が使いこなせるとは限りません。
その場で確認しながら覚える柔軟な思考と落ち着いた判断力が求められます。
「とりあえずやってみる」姿勢が武器になります。

複数のルールや文化への順応力

店舗ごとに、業務マニュアル・服薬指導のやり方・服装規定なども異なります。
その場のやり方に合わせる順応力と、細かい点にも気づく観察力が大切です。

通勤計画と移動スケジュール管理

勤務店舗が日ごとに異なる場合は、地理把握・ルート検索・予備時間確保など、通勤スケジュールの最適化が必須です。
特に電車遅延や渋滞リスクがあるエリアでは、早めの行動と事前準備が信頼につながります。

機器・システムの操作スキル

各薬局で使われる機器(分包機・散剤監査機・電子薬歴など)の基本操作は、あらかじめ慣れておくのが理想です。
トラブルが起きても慌てず対応できるよう、「一通り使った経験がある」状態にしておくと安心です。

ラウンダー薬剤師に関するよくある質問【Q&A】

ラウンダー薬剤師という働き方は、まだ一般的とは言えないため、実際の働き方や待遇、適性に関する疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
ここでは、現場でよく聞かれる質問を10個に厳選し、それぞれわかりやすくお答えします。

これからラウンダー勤務を検討している方や、上司から打診を受けて不安を感じている方は、不安を解消し、自分に合った働き方かどうかを判断する参考にしてください。

Q1. ラウンダー薬剤師とは具体的にどんな働き方ですか?

A. 特定の1つの薬局に固定されず、複数の店舗を巡回して勤務するスタイルです。人員不足の店舗への応援や代替勤務が主な役割です。

Q2. 収入は通常勤務の薬剤師より高くなるのでしょうか?

A. ラウンダー薬剤師は、即戦力として評価される傾向があり、時給や日給が高く設定されることもあります。管理職にならずに高収入を目指したい方に向いています。

Q3. 正社員とパート、どちらの雇用形態が多いですか?

A. 両方ありますが、パートや派遣での募集が多く見られます。自由な働き方を求める人にはパート、安定を求める人には正社員がおすすめです。

Q4. 勤務先はどのように決まりますか?

A. 所属会社の人事やエリアマネージャーが決定する場合が多く、自宅から通える範囲で複数店舗を担当するケースが一般的です。

Q5. ラウンダー薬剤師に向いている人の特徴は?

A. 変化を楽しめる人、初対面の人との関係構築が得意な人、新しい環境に順応できる人が向いています。

Q6. 各店舗でルールや使う機器が違うのでは?

A. はい、異なることが多いです。そのため、柔軟な対応力と複数システムへの理解力が必要になります。

Q7. 家庭との両立は可能ですか?

A. 勤務先によって調整できることもありますが、急なシフト変更や残業が発生することもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

Q8. 人間関係が築きにくいという話を聞きますが本当ですか?

A. 短期間勤務が多いため、長期的な関係を築くのは難しい傾向にあります。ただし、第一印象や日々のコミュニケーションが信頼構築の鍵になります。

Q9. どのようなスキルを身につけておけば安心ですか?

A. 幅広い処方対応、電子薬歴や調剤機器の操作、臨機応変な対応力、タイムマネジメント、そして健康管理の意識が大切です。

Q10. ラウンダー薬剤師の求人はどこで探せますか?

A. 大手転職サイトや薬剤師専門のエージェントサイトで多数掲載されています。非公開求人も多いため、エージェントへの相談がおすすめです。

ラウンダー薬剤師のまとめ

ラウンダー薬剤師は、スキルアップ・高収入・柔軟な働き方を同時に実現できる魅力的なキャリアパスです。

一方で、移動や不規則な勤務への対応力、柔軟性、セルフマネジメント力が求められるため、向き・不向きが分かれる働き方でもあります。

  • さまざまな処方に触れ、薬剤師として成長したい
  • 固定の人間関係や職場に縛られたくない
  • 家庭やプライベートとの両立を考えた柔軟な勤務がしたい

このような思いをお持ちの方には、ラウンダー薬剤師はキャリアを前向きに変えるチャンスになり得ます。

本記事の執筆者は、薬剤師歴25年・採用歴100名超の現役管理薬剤師です。
自らも複数の転職を経験し、現場でラウンダー薬剤師の採用・育成に携わってきた立場から、あなたに合った働き方のヒントをお届けしました。

もし、「やってみたいかも」と少しでも感じたら、まずは非公開求人の多い薬剤師専門の転職サービスで情報収集から始めてみましょう。

ある薬剤師が「ラウンダー」という働き方に出会うまで

都内の調剤薬局で5年働いていたAさん。
職場に大きな不満があるわけではありませんでしたが、日々の業務がルーティン化し、成長の実感が持てないことに悩んでいました。

「今のままで、本当にこの先もやっていけるのだろうか?」
そんな不安を抱えていたとき、知人から紹介されたのが「ラウンダー薬剤師」という働き方でした。

最初は戸惑いもあったそうです。
「店舗が変わるたびに毎回ゼロから関係を築けるのか?」
「移動や収入の不安定さは大丈夫なのか?」——

しかし、実際に働いてみると、不安は少しずつ確信に変わっていきました。

  • これまで経験できなかった診療科の処方に触れられた
  • 現場ごとに異なる工夫や知見を吸収できた
  • 気づけば、自然と自信を持って働く自分がいた

「今なら、どんな現場でも通用すると思える」
そう語るAさんは、今では複数店舗で信頼される存在に成長しています。

これは、特別な人だけの話ではありません。
「変わりたい」と思ったその気持ちが、きっかけになるのです。

\ ラウンダー薬剤師の非公開求人を見る /

\保有求人数最大級/

\利用者満足度が高い!/

※登録も利用も完全無料です。

登録順に求人紹介がスタートしますので、登録を後回しにすると好条件の求人は別の薬剤師のところへ。

今ここで2社への登録を済ませておきましょう。

あなたの人生は確実に変わります。

薬剤師採用担当管理薬剤師が選んだ

まずは、自分にどんな選択肢があるのかを知ることから。
情報を集めるだけでも、未来の可能性は広がります。
今すぐでなくてもいい。でも、“準備”は、今日からできます。