
うちの薬局、処方箋の9割以上が目の前のクリニックからなんです。もしあのクリニックが閉院したら、どうなってしまうんでしょうか……。
処方箋のほとんどを特定の医療機関から受けている門前薬局で働いているあなた。そのまま働き続けて本当に大丈夫ですか?
実は、集中率の高い門前薬局は閉鎖リスクが極めて高く、突然の閉院によって一気に経営が傾くケースも珍しくありません。
とくに、チェーン展開していない単独店舗の薬局だと、そのリスクはさらに深刻。生活もキャリアも、一瞬で崩れる可能性があるのです。
本記事では、門前薬局で働く薬剤師が知っておくべき「潰れるリスクの正体」と「早めに転職を考えるべきサイン」、さらに「安全な薬局の見極め方」まで徹底的に解説します。
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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
pharma_di(ファマディー)
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面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。 私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。 ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。 このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。
門前薬局の集中率が高い職場に身を置いているなら、今すぐにでも転職を視野に入れるべきです。リスクの芽を放置すれば、取り返しのつかない事態に陥る可能性も。リスクを減らす行動を、今日から始めましょう。



私が面接した薬剤師の中にも、「門前クリニックが急に閉院して職を失った」という方が何人もいます。集中率の高さは、一歩間違えれば生活基盤を揺るがす大きなリスクになります。
集中率が高い門前調剤薬局への転職が危険な理由


「門前薬局なら楽そう」「休みも合わせやすいし、働きやすそう」と考える薬剤師は少なくありません。特に開業医の門前薬局は、処方内容も安定し、業務もルーティン化しやすい印象があります。
しかし、実際には集中率が高い門前薬局への転職には大きなリスクが伴います。
ここでは、なぜ集中率が高い門前薬局が危険なのか、その理由を3つに分けて詳しく解説します。
1. 売上の大半が門前医療機関に依存している
集中率が高い薬局とは、特定の医療機関からの処方箋に極端に依存している薬局のことです。
たとえば、売上の9割以上が門前クリニックからの処方で成り立っている場合、その医療機関に何かトラブルが発生すれば、薬局の経営は一瞬で立ち行かなくなります。
医師が急病や高齢で引退する可能性もあれば、院外処方を中止する、他の薬局と提携しなおすなど、外部要因に左右されやすいのが実情です。
このように、収益の柱が1本しかない薬局は、将来的な安定性に大きな不安が残ります。
2. 患者の受診・服薬行動が変化している
コロナ禍をきっかけにオンライン診療が普及し、患者は医療機関に行かずに処方箋を受け取ることも増えてきました。
その結果、患者は門前薬局ではなく、自宅近くや職場近くの薬局を選ぶようになり、特定の門前薬局への集客力は明らかに低下しています。
さらに、調剤併設ドラッグストアの出店も加速しており、患者の流れは大きく変わっています。
3. 調剤報酬が抑制されていく
厚生労働省の方針として、集中率が高い薬局は「不適切な利益構造」とみなされ、調剤報酬の減算対象となっています。
たとえば、調剤基本料が下がったり、地域支援体制加算などの算定が難しくなることで、経営的にますます厳しくなる薬局も出てきています。
このように、集中率が高い門前薬局は「患者離れ」「収益減」「制度上の逆風」という三重苦に直面しているのが実情です。
集中率が高い門前薬局に転職するならここはチェック
集中率が高い門前薬局にはリスクがあるとはいえ、地域によっては他に選択肢が少なく、やむを得ず勤務するケースもあります。
そこで、どうしても門前薬局に転職する必要がある場合にチェックしておくべきポイントを3つ解説します。
これらを確認することで、将来のトラブルや経営悪化のリスクを最小限に抑えることができます。
1. 医師との関係性が安定しているか
門前のクリニックとどれだけ良好な関係を築けているかは非常に重要です。
院長とトラブルがあった、別の薬局と競合しているといった背景があると、突然提携解消となるリスクもあります。
面接時には「門前の先生とはどのようなお付き合いをされていますか?」と具体的に聞いてみましょう。
2. 薬局側の分散化の取り組み
集中率が高い薬局でも、地域の複数クリニックと連携し、処方元の分散化に取り組んでいる薬局はあります。
逆に、1院依存のままで何年も変わっていない薬局は、将来性に不安があります。
「地域の他医療機関の処方も受けていますか?その割合は?」と確認しておくのがおすすめです。
3. 設備や人員体制に余裕があるか
門前薬局では、診療時間に合わせて一気に処方箋が集中する傾向があります。
そのため、人員に余裕がないと過重労働や調剤ミスにつながりかねません。
常勤薬剤師数や事務の人数、忙しい時間帯の体制などを面接時に確認し、自分の働き方と合っているかを見極めましょう。



私も採用の場面で「なぜ退職者が多いのか」と感じて調べたら、門前医師とのトラブルが原因だった薬局がありました。表面的な業務内容だけで判断せず、必ず内部の状況を確認してください。
集中率が高い門前薬局に入職して後悔した事例
ここでは、実際に集中率の高い門前薬局に入職し、「こんなはずじゃなかった…」と後悔した事例を紹介します。
どれも特別な話ではなく、面接時に確認を怠ることで誰にでも起こり得るケースです。
これらの失敗例をあらかじめ知っておくことで、あなたが同じ道を辿るリスクを避けることができます。
医師とのトラブルで処方箋が激減した
ある薬剤師が転職した門前薬局は、開業医との関係が良好だと聞かされて入職しました。
しかし、実際には過去にトラブルがあり、関係が冷え切っていたことが判明。ある日突然、処方箋のほとんどが他の薬局に流れてしまい、売上は激減しました。
業績悪化によってボーナスカットや人員整理が始まり、結局再転職を余儀なくされたとのことです。
依存していたクリニックの医師が高齢となり処方箋が減少
別のケースでは、門前の医師が高齢だったにもかかわらず、薬局側が他院との連携に全く取り組んでいませんでした。
医師の体調不良による休診が増え、ついには閉院。その結果、薬局の処方箋も9割以上が失われ、廃業寸前になったとのことです。
このような事態を防ぐには、薬局の将来戦略を確認することが不可欠です。
常に忙しく心身が限界に
集中率の高い門前薬局は、処方箋が診療時間に一気に集中するため、ピーク時は休憩もままならないことがあります。
ある薬剤師は、昼休憩が取れずに食事もできない日が続き、心身ともに限界を迎えてしまったとのことです。
事前に繁忙時間の勤務体制や残業の有無をしっかり確認しておくべきだったと後悔しています。



実際、私が見てきた薬局の中でも、1院依存で将来性がないのに求人で「安定」とアピールしているところは多いです。情報の裏側まで読み取る力が求められますね。
門前薬局を避けたい薬剤師におすすめの転職先
門前薬局での勤務に不安を感じる薬剤師には、他にも多様な選択肢があります。
ここでは、実際に門前薬局を避けて転職し、満足して働いている薬剤師が多い職場を紹介します。
ご自身のライフスタイルやキャリアビジョンに合った環境を見つける参考にしてください。
面での応需が多いドラッグストア併設調剤薬局
面対応を行っているドラッグストア併設型の調剤薬局では、複数の医療機関から幅広い処方箋が来るため、1つの診療科に依存しません。
門前薬局のような一時的な混雑も少なく、業務が分散される傾向にあります。
ドラッグストアとの連携により、OTCの知識も身に付けられるのもメリットです。
地域密着の住宅街立地の調剤薬局
地域密着型の調剤薬局では、在宅医療や施設調剤などを含めた幅広い業務に携われる可能性があります。
門前薬局と異なり、処方箋が特定の医療機関に偏らないため、リスク分散にもなります。
患者さんとの距離も近く、やりがいを感じやすいという声も多く聞かれます。
企業や施設内の医務室・産業保健分野
門前薬局とはまったく異なるフィールドとして、企業内の医務室や産業保健分野で働く薬剤師も増えています。
安定した勤務時間や土日休みなど、ワークライフバランスを重視したい方に人気です。
求人は少なめですが、転職支援サービスを通じて非公開求人を狙うとよいでしょう。



門前を避けたいなら「応需科目のバランス」と「院外の患者層の多様性」をしっかり確認してから応募しましょう。業務内容や休憩の取りやすさなども重要な判断材料です。
門前薬局にもメリットはある?
門前薬局にはデメリットもありますが、もちろんメリットも存在します。
「やっぱり門前は避けたい」と感じている方も、あらためて良い面を知ることで、自分にとっての適職を冷静に判断できるようになります。
ここでは門前薬局の主な利点を3つご紹介します。
症例が安定していて業務に慣れやすい
門前薬局では、特定の医療機関の処方箋をメインに受けるため、取り扱う薬剤や症例が比較的固定されます。
業務がパターン化されやすく、効率的に処理できるようになり、初心者やブランク明けの薬剤師にも適しています。
医師や看護師との連携が取りやすい
門前薬局では病院やクリニックとの距離が近いため、疑義照会や服薬指導においてスムーズな連携が可能です。
医療チームの一員として、より密な連携を通じて患者ケアに貢献できる点は大きな魅力です。
安定した患者数と売上が見込める
門前薬局は医療機関の立地により集客力が高く、患者数や処方箋枚数が安定している傾向があります。
売上や経営が安定しやすく、雇用条件も比較的守られやすいというメリットも見逃せません。



一見デメリットばかりが目立つ門前薬局ですが、勤務スタイルやキャリアの段階によってはメリットのほうが大きいケースもあります。冷静に判断するためにも、まずは情報収集をしっかり行いましょう。
Q&A|門前薬局で働くことに関するよくある質問
門前薬局に勤務する薬剤師が抱きがちな疑問にお答えします。リスクや将来性、人間関係など、転職前にチェックしておきたいポイントを網羅しました。
Q1. 門前薬局の処方箋集中率が高いと、どんなリスクがありますか?
門前クリニックの移転や閉院があった場合に、処方箋が激減して経営が傾くリスクがあります。集中率が高い薬局ほど影響は大きく、突然の退職を迫られることもあります。
Q2. 集中率の目安はどのくらいから危険とされますか?
集中率が70%を超えるとリスクが高いとされています。特に90%以上の薬局は一つの医療機関に大きく依存しており、注意が必要です。
Q3. 門前薬局でスキルアップはできますか?
門前薬局は症例が偏る傾向があるため、特定の診療科の処方に詳しくなれる反面、幅広い経験が積みにくいというデメリットもあります。
Q4. 門前薬局は人間関係が狭くて働きづらいと聞きますが本当ですか?
店舗が小規模で固定メンバーになりがちなため、人間関係のストレスが溜まりやすいという声もあります。ただし雰囲気の良い職場もあり、見極めが大切です。
Q5. 門前薬局で働くメリットは何ですか?
診療科目に特化して知識を深められる点や、定期的な処方が多く業務がルーチン化しやすい点が挙げられます。また、患者と顔なじみになりやすいという特徴もあります。
Q6. 門前薬局が潰れる可能性は本当にあるのでしょうか?
門前の医療機関の移転・閉院により廃業に追い込まれた事例は実際に存在します。経営者の事業継承が進まない小規模薬局では特に注意が必要です。
Q7. 門前薬局で働いているけど不安です。転職すべきでしょうか?
店舗が1つしかない門前薬局で働いているなら、事前に転職も視野に入れて情報収集を始めるのが安全です。焦って辞める必要はありませんが、備えておくに越したことはありません。
Q8. 門前薬局から転職すると年収は下がりますか?
年収が維持・上昇するケースも多いです。勤務エリアや条件によって異なるため、複数の転職サイトで比較することが重要です。
Q9. どんな薬局に転職すれば安心ですか?
処方箋元が複数ある、地域密着型で他店舗展開している薬局は比較的リスクが低く、安定性もあります。
Q10. 門前薬局に転職する前に確認すべきポイントは?
処方箋集中率、医療機関との距離、店舗の運営状況などを事前に確認しましょう。信頼できる転職エージェントに相談するのもおすすめです。



実務で培った経験は必ず武器になります。門前薬局出身だからこそ、次のステージで評価されることも多いですよ。
門前薬局に転職する前に知っておきたいことまとめ


門前薬局への転職を考える際に押さえておきたいポイントを、以下にまとめました。
- 門前薬局は医療機関と密接な連携が求められ、調剤業務に集中できる環境
- 病院の規模によっては処方箋枚数が多く、忙しさを感じやすい
- 大手チェーンでは異動のリスクもあるが、地場チェーンでは回避できることも
- 門前薬局での経験は処方解析力や対応力が鍛えられ、転職市場でも評価される
門前薬局は「薬剤師としての技術を磨ける」一方で、「働き方や人間関係に悩むケース」も存在します。
「なんとなく安定していそうだから」といった曖昧な理由だけで決めるのではなく、キャリアのゴールから逆算した選択が大切です。
私が以前サポートした薬剤師の方は、大学病院の門前薬局に勤めていました。
最初は「最先端の医療に関われるなんてすごい!」とモチベーション高く働いていましたが、次第に「激務で休憩も取れない」「人間関係がピリピリしている」と疲弊し、笑顔を失ってしまったのです。
そんなある日、「本当にここで働き続けていいのかな……」と相談を受けました。
その方と一緒にキャリアを棚卸しし、希望条件を整理したうえで地場の在宅特化型薬局に転職。患者さん一人ひとりと向き合える環境に変わったことで、目の輝きが戻りました。
このように、薬剤師の転職は「合う職場」を見つけることで、大きく人生が好転します。
今の環境に少しでも疑問を感じているなら、「行動」してみることをおすすめします。
「こんな働き方をしてみたい」という理想があるのなら、今こそその一歩を踏み出すタイミングかもしれません。
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