薬歴に時間がかかる薬剤師
薬歴を早く、しかも質を落とさずに書けるようになりたい。
残業せずに終わらせる現実的な方法ってあるの？
薬歴がたまると焦るし、指導の質まで不安になりますよね。
とはいえ「根性で早く書く」では限界があります。
安心してほしいのは、薬歴のスピードは仕組みと書き方の型で大きく改善できるということ。
私も管理薬剤師として忙しい店舗で、薬歴残業を常態化から脱却させてきました。
この記事では、今日から現場で試せる具体策をまとめつつ、個別指導でも通用する品質を守るコツまで一気に整理します。
読み終える頃には「こうやれば残業を減らせる」という道筋がハッキリし、明日からの動き方が変わります。
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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
pharma_di（ファマディー）
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト】
面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。 私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。 ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。 このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。
薬歴は「書く時間がない」のではなく「仕組みを変えて時間を作る」ことで、残業ゼロを目指せます。今日から取り組める具体的な「仕組みづくり」と「個人のスキルアップ」の2軸で解決できます。
私が現場で効いたと実感したのは「服薬指導直後にまず1文入れる」「薬局内でSOAPの型をそろえる」「定型文と過去引用を徹底」の3点です。これだけでも未記入の山は崩せます。
薬歴を速く書く6つの方法とコツ：効率化の具体的なステップ
薬局の薬剤師にとって、残業の最も大きな理由の一つが薬歴の記載です。
本当は、患者さんとお話しした直後にすぐ書きたいですよね。しかし、次の患者さんの調剤や鑑査がたまっていたら、薬歴を書いているどころではないのが現実です。お気持ちは痛いほどよくわかります。
混雑を気にせず薬歴を書いている薬剤師も中にはいますけど…。
薬歴をなるべく簡潔に、わかりやすく、そして何よりも、個別指導でも指摘されない品質を保ちながら、早く書きたいと思っていませんか？
薬歴がたまってしまう根本的な原因と、それを解消して薬歴を早く書くための具体的な方法・コツを6つご紹介します。この6つのステップを踏むだけで、あなたの薬歴記載スピードは大きく向上します。
- 薬局内で薬歴記入のルールを統一する
- 箇条書きを多用し、必要なポイントに絞って簡潔に書く
- 服薬指導終了直後にすぐ薬歴を書き始める
- 初回患者のアンケート用紙を薬歴記入に活かせるように改良する
- レセコン（電子薬歴）の機能を最大限に活用する
- 薬歴記入について改めて勉強する
薬局内で薬歴記入のルールを統一する
「何を書くか」の基準が人によってバラバラだと、読む側も書く側も時間がかかります。多くの薬局ではSOAP（ソープ）形式で薬歴を記入していると思いますが、自己流で書くことは避け、決まった項目に決まった内容を記載するルールを薬局全体で統一してください。
ポイント： 他の薬剤師が見てもわかりやすい記載を心がけることが、時間節約の第一歩です。
- （1）Subjective data（主観的情報）：患者さんの話した自覚症状や訴えなど
- （2）Objective data（客観的情報）：処方内容の他、血圧や検査値など
- （3）Assessment（判断・評価）：（1）と（2）の内容から得られる薬剤師としての判断、意見（相互作用・副作用）など
- （4）Plan（計画）：服薬指導内容や次回の確認事項など
前回の指導内容を受けて、継続的な流れになっているかを確認できることも重要です。そして、次回は何を確認して欲しいか（Plan）を必ず記載しておきましょう。
次回の指導で確認すべきことが明確になっていれば、別の薬剤師が担当しても、指導や確認の漏れを防げるだけでなく、引き継ぎの時間を大幅に節約できます。採用担当者として多くの薬歴を見てきましたが、統一された薬歴は次を読む薬剤師の残業を防ぎます。
箇条書きを多用して必要なポイントに絞って簡潔に書く
薬歴は、小説ではありません。記録に残す必要がある情報に絞って患者さんから聞き取り、箇条書きも活用して完結に書くことが大切です。
「お変わりなかったですか？」のような漠然とした質問ではなく、「前回の薬で眠気は出ましたか？」「だるさはありましたか？」など、具体的な質問を投げかけ、開いた質問と「はい／いいえ」で答えられる閉じた質問を両方活用して情報を引き出します。
ポイント： ダラダラとした長文は、次回読むことになる薬剤師に迷惑です。思い切って情報を捨てる勇気も必要になります。
よくありがちなのが、薬や体調とは関係ない世間話を無駄にダラダラと書き残してしまうことです。もちろん、世間話から患者さんの生活背景などの思わぬ貴重な情報を得られる場合もありますので、その場合は生活背景がわかるような情報のみに絞って記載しましょう。
患者さんとのやり取りをそのままの会話形式で書くのではなく、箇条書きで簡潔に書くようにするだけでも、入力時間は大幅に短縮できます。P（Plan：計画や指導内容）について、「やったこと」を記録するという意味では箇条書きで十分問題ありません。
服薬指導終了直後にすぐ薬歴を書く
薬歴記載は、患者さんに薬をお渡しした後、その場ですぐ記入するのが理想的です。こうすることで、指導した内容を忘れることなく、未記入の薬歴が溜まることを根本から防げます。
ポイント： 「服薬指導終了直後に薬歴を書きあげる」のは難しいと思うかもしれませんが、意識を集中すれば必ずできます。
私が管理していた薬局では、薬剤師4名で100～120枚の処方箋を応需していましたが、服薬指導後にすぐ薬歴を書くという方式でも、業務が滞ることはありませんでした。もちろん、待ち時間が長くなりすぎることもありません。一部の時間帯では難しいこともありましたが、8割から9割は即時記入が実施できています。
以前は、他に待っている患者さんがいる時には薬歴記入は後回しという意識でした。しかし、最終鑑査は一人で行うことが多いため、薬局の待合室にいる患者さんの数よりも薬剤師の数の方が多ければ、余っている薬剤師は薬歴を書いていても全く問題ないのです。
「ではFAXが来たらどうするのか」という意見もあるでしょう。処方せんを直接持参する方に比べれば、FAXの方は時間的余裕があります。薬歴記入が終わった薬剤師が鑑査に着手すれば十分に間に合います。
「いやいや、うちは常に大混雑だから無理」という意見もあるでしょう。その場合は、すぐに鑑査をする薬剤師と、薬歴を記入してから鑑査をする薬剤師に分けて、時間帯で交代するなど、業務フローを見直すことをおすすめします。
一人薬剤師だからそんなことは無理という方もいますよね。薬歴記入を後回しにすればするほど、指導した内容や処方変更点などを忘れてしまう可能性が高まります。その場合は、せめて一文でも入力するか、メモを残しておくことを徹底しましょう。メモがあれば、何を話したかをすぐに思い出せるはずです。
指導内容や患者背景を思い出している時間は、最も無駄な時間です。今まで多くの薬剤師を見てきましたが、薬歴記入が遅い人に共通しているのは、「動いていない時間が多い」ということ。薬歴に何を書こうか？何の話をしたっけ？と、考えているだけで手が止まっている時間が多すぎます。後回しにすればするほど思い出す時間が必要になりますので、その場で書く（全部でなく一部だけでも）ことを心がけましょう。
初回患者のアンケート用紙を薬歴記入に活かせるように改良する
薬歴に記入すべき項目は、初回アンケートに全て記載してもらうなど、様式を改良することが非常に有効です。受診した理由や症状、薬剤師への質問なども患者さんに事前に記載してもらうことで、服薬指導がスムーズに進みます。
ポイント： 電子薬歴の場合、入力項目の順番と初回アンケート用紙の項目の順番を合わせておくと、情報転記のスピードが格段に上がり、ミスも減るのでオススメです。
レセコン（電子薬歴）の機能を最大限に活用する
現代の電子薬歴には、薬歴をスムーズに書くための非常に便利な機能がたくさん搭載されています。使える機能を把握し、最大限に活用することで、手書きでは不可能なスピードアップを実現できます。
- 定型文登録（SOAP各項目で頻出の言い回しを登録）
- 過去薬歴引用（前回までの情報をワンクリックで参照・転記）
- 添付文書引用（薬の説明文を転記する手間を省く）
- 薬の説明書からの引用
- 音声認識入力（タイピングが苦手な方向け）
これらの機能は、一部オプションのものもありますが、使えるのに使わないのは非常にもったいないです。どんな機能があるのか、もう一度確認しておきましょう。
また、薬歴を速く書くために、レセコン以外の機能も活用できます。
- 変換しづらい言葉を辞書登録しておく（例：病名、薬の略称、よく使う定型文）
- 何度も使う文書を辞書登録しておく
- 「Windowsキー」＋「V」でクリップボードの機能を呼び出して使用する（windows10以降）
- ブラインドタッチを練習してタイピング速度を上げる
自分専用の薬歴端末がある場合には、積極的にカスタマイズをして薬歴入力がしやすい環境を構築していくことで、ストレスなく速く書けるようになります。
薬歴記入について勉強する
だらだらと何を書いているのかわからない薬歴は、患者さんのためにもなりませんし、次に読む薬剤師の貴重な時間を奪うことになります。薬歴には何をどのように書くべきかを正しく理解し、シンプルで質の高い薬歴を目指しましょう。
ポイント： 薬歴の基本を学ぶには、書籍が最も効率的な方法です。質の高い薬歴の書き方を学ぶことで、記載速度と質の両方が向上します。
薬歴は「速やかに」記載することとされている：指導料の算定要件
薬歴はいつまでに書けばよいのか、悩む方も多いでしょう。薬剤服用歴管理指導料の算定要件には、薬歴記載の期限は「速やかに」と定められています。
ポイント： 「速やかに」が具体的に何日後なのかは明確には示されていませんが、薬歴記載の目的を考えると、当日中、もしくは遅くとも翌営業日には書き上げておくべきでしょう。
少なくとも、次回の患者さんが来局された時点で書かれていないという状況は、継続的な薬物治療管理の観点から避けるべきです。後回しにすると、指導内容を忘れてしまう可能性が高くなります。
また、「レセプト請求日までに書けばよい」と思っている方もいるかもしれませんが、請求の要件は満たしても、薬歴の本来の目的（継続的な患者フォローアップ）は果たされていないことになります。指導した直後が最も記憶が鮮明ですから、やはり当日中には記載しておくのがベストです。
薬歴記載を早くするためには管理薬剤師の協力が不可欠
薬歴残業の原因の中には、個人の努力だけでは解決できない構造的な問題も含まれています。今から紹介する方法は、一般薬剤師の方だけでは難しいことですので、薬局の上の人たち（管理薬剤師やエリアマネージャー、経営者）に改善のために頑張ってもらうしかありません。
具体的な対策としては、混雑する時間帯や曜日だけでも薬剤師を増員してもらうことや、薬歴端末を増設してもらうことが有効な解決策となります。
混雑する時間帯だけでも薬剤師を増やしてもらう
以下のような状況は、個人の努力ではどうにもならない「人手不足」や「業務量過多」の問題です。
- 薬剤師が少ない、または足りていない状況
- 患者数が恒常的に多く、対応が追いつかない
- 閉局直前の時間帯に患者数が集中する
- 投薬数が多く、記入しなければいけない薬歴の数が多い
これらの問題は、一般薬剤師の力ではどうすることもできません。まずは管理薬剤師から開設者へ意見を述べてもらいましょう。薬局管理簿にもその旨を記載するべきです。チェーンの調剤薬局であれば、管理薬剤師を通じてエリアマネージャーなどの上司へ、具体的なデータと共に相談してください。
ただし、これは本当に薬剤師が足りなくて薬歴残業が発生している場合に限ります。もし、無駄なことをやっている薬剤師がいたり、仕事量に差がある場合には、まず内部の業務効率や不公平さを改善することから始める必要があります。
電子薬歴端末を新しくしてもらう・増設してもらう
電子薬歴の使い勝手が悪い場合も、個人の努力だけでは限界があります。
- 電子薬歴のシステムが使いにくい、古い
- 薬歴を入力できる端末数が少ない
- PCの動作や反応が遅い
この場合も、自分たちだけで解決するのは不可能です。上の人に、端末を新しくしてもらったり、増設してもらったりするよう提案しましょう。古いシステムや遅いPCでの作業は、薬剤師のストレスを増大させ、生産性を大きく下げてしまいます。
薬歴記載による残業が発生してしまう根本原因
薬局勤務の薬剤師にとって、薬歴の問題は常に付きまといます。薬剤師が多めに配置されていて、なおかつ薬歴を書く時間も十分に確保されている薬局は稀です。薬歴記入で残業が発生してしまう根本的な原因は何でしょうか。原因を明確にすることで、効果的な対策を立てることができます。
- 構造的な問題：薬剤師が少ない、患者数が多い、端末が少ない・古いなど
- 時間管理の問題：まとまった時間が取れない、薬歴記入がつい後回しになってしまう
- 個人のスキル問題：何を指導したかを思い出すのに時間がかかっている、そもそも書くのが遅い（タイピング速度）、何を薬歴に書くべきかが理解できていない
- 業務フローの問題：新患が多く記入に時間がかかる、患者さんに対してヒアリングが不十分
薬局によって状況が異なるため、原因も一つとは限りません。あなたの薬局で薬歴残業が発生してしまう主な原因は何でしょうか？その原因を突き止めることができれば、取るべき対策も明確になります。
ぜひ、薬局会議などで一度、この問題について率直に話し合ってみることをおすすめします。チーム全体で原因を共有し、対策を講じることが、最も早く解決に繋がる方法です。
未記入薬歴がたまりすぎてどうしても処理できなくなったら
もし、あなたの努力や薬局での改善提案もむなしく、未記入薬歴がたまりすぎてどうにも処理できなくなってしまった場合、最も重要かつ絶対に守らなければならないことがあります。
薬歴の記入が終わっていないのにも関わらず保険請求してしまうと、それは不正請求にあたります。薬歴未記入分を請求するのは、絶対にやめましょう。
不正に請求をしていることを見つけたら、内部通報を検討してください。
薬局の経営的にも大打撃となりますので、「薬歴未記入で請求ができない」という事態が起こる前に、早めに上の人に状況を正確に伝えて手を打ってもらいましょう。
薬歴残業の問題は、一人の薬剤師だけの努力では全て解決することはできません。同僚や上司の協力が不可欠であることを理解し、チームとして改善を訴え続けることが重要です。
Q&A｜薬歴記載に関するよくある質問
薬歴の記載スピードや残業について、多くの薬剤師の方が抱える疑問にお答えします。ご自身の状況と照らし合わせながら、解決のヒントを見つけてください。
Q1: 薬歴がたまりやすい原因は何ですか？
A1: 薬歴がたまりやすい原因は、大きく分けて「多忙による後回し」「効率的な書き方のルール不在」「電子薬歴の機能活用不足」の3つが挙げられます。特に、服薬指導の直後に書かずに後回しにすることで、指導内容を思い出す時間が無駄になり、非効率の悪循環に陥ります。
Q2: 薬歴を速く書くための最も重要な基本ルールは何ですか？
A2: 最も重要なのは「服薬指導直後にその場で記入を始める」ことです。加えて、「薬局内でSOAP形式の記載ルールを統一し、箇条書きを多用して簡潔に書く」ことが基本中の基本となります。これにより、書き忘れや質の低下を防ぎつつ、スピードを向上できます。
Q3: 初回患者のアンケート用紙を活かす具体的な方法は何ですか？
A3: 薬歴記入に活かす方法として、アンケートの質問項目を電子薬歴の入力順に合わせるよう改良することが非常に効果的です。受診理由や症状、既往歴などの情報を事前に患者さんに記載してもらうことで、服薬指導時のヒアリングと薬歴への転記がスムーズになり、時間の節約になります。
Q4: 電子薬歴の機能を最大限に活用するにはどうすれば良いですか？
A4: 電子薬歴の機能を最大限に活用するためには、定型文登録、過去薬歴の引用機能、添付文書の引用機能を積極的に使うことです。特に、頻繁に使う指導内容やSOAPの表現を定型文として登録しておくことで、タイピングの手間を大幅に削減し、時間を短縮できます。
Q5: 管理薬剤師の協力を得て薬歴記載を早くするための提案はありますか？
A5: 管理薬剤師を通じて、混雑する時間帯に薬剤師を増員してもらうことや、古くて遅い電子薬歴端末を新しくしてもらう・増設してもらうなどの改善策を具体的に提案することが重要です。個人の問題ではなく、「構造的な問題」として職場全体で取り組む意識改革が必要です。
Q6: 薬歴を書く時間外労働は残業代に含まれますか？
A6: はい、含まれます。薬歴の記入は薬剤師の業務の一環であり、時間外に薬歴を書く時間は労働時間として残業代が支払われるべきです。「薬歴を書くのが遅いのは個人の問題だから残業にならない」と言われた場合、それは違法な対応、つまりブラック企業認定と考えて間違いありません。
Q7: 薬歴がたまってしまった場合の不正請求リスクについて教えてください。
A7: 薬歴の記載が終わっていない状態で薬剤服用歴管理指導料を保険請求することは、不正請求にあたります。未記入の薬歴分は、原則として請求できません。薬局の信頼と存続に関わる重大な問題ですので、未記入分を請求させないよう、管理薬剤師や上司に早めに状況を伝えて手を打ってもらう必要があります。
Q8: 薬歴の質とスピードを両立させるにはどうすればいいですか？
A8: 質とスピードの両立は可能です。SOAPの基本を守り、必要な情報（特にSとA）に絞って簡潔な箇条書きで記録することを徹底してください。また、日頃から指導内容を深く考え、Assessment（薬剤師の判断）を瞬時に言語化できるよう、疾患や薬物治療に関する自己学習を怠らないことが重要です。
Q9: 薬歴の記載時間を短縮するためにタイピング速度は重要ですか？
A9: はい、非常に重要です。指導内容を思い出す時間だけでなく、単純な入力作業の遅さが残業の原因となっていることも少なくありません。タイピングの練習に加え、定型文登録などの電子薬歴機能を駆使することで、タイピング速度の遅さをカバーすることも可能です。
Q10: 薬歴残業を減らすために、まず何から始めるべきですか？
A10: まずは「服薬指導直後の即時記入」を徹底することから始めてください。これは個人の努力で最も変えやすく、効果も即座に出やすい対策です。次に、「薬局内での記載ルールの確認・統一」を提案し、チーム全体の意識と品質の底上げを図りましょう。
薬歴残業をゼロにするためのロードマップと次のステップ
薬歴がたまってしまい、日々残業に追われる状況は、薬剤師としてのやりがいやモチベーションを大きく削いでしまいます。
しかし、これは決してあなた個人の能力不足によるものではありません。「個人のスキル」と「薬局の仕組み」の両方を変えることで、解決できる問題です。
- 薬歴残業は、「個人のスキル」と「薬局の仕組み」の両方を変えることでゼロにできる。
- 最も効果的な対策は、服薬指導後の「即時記入」を徹底し、記憶のムダな想起時間をなくすこと。
- 薬局内でSOAPの記載ルールを統一し、簡潔な箇条書きを活用する。
- レセコンの定型文機能や辞書登録を最大限に活用し、タイピングの負担を減らす。
- 薬剤師の増員や端末増設など、構造的な問題は上司へ改善を提案する。
- 時間外の薬歴記入は残業時間に含まれ、「個人の問題」として残業代を払わない薬局はブラック認定である。
もし、あなたのまわりの薬剤師が協力する気持ちが無く、ダラダラ薬歴を書いて残業することを良しとしている環境なのだとしたら、ずっとそこに居続ける必要はありません。あなたが個人として効率化を頑張っても、薬局全体が変わる意思がないのなら、努力は報われません。
特に、「薬歴書くのが遅いのはあなたの問題だから、残業にはなりません」と経営者や管理薬剤師から言われたら、それは労働基準法に違反する対応であり、ブラック企業認定で間違いありません。
そのような環境はすぐに離れるべきです。即転職決定で間違いありません。
残業が無い（少ない）薬剤師求人を探すための具体的な方法と、優良な薬剤師転職サイト（転職エージェント）の選び方は、次の記事で詳しく確認できます。
一度に全てのことをするのは難しいと思います。まずは、「服薬指導後の即時記入」という個人の努力で変えられるところから始めてみましょう。その上で、薬局の仕組みを変える提案をしてみてください。
もし、あなたの提案が聞き入れられず、薬歴残業が解消されないのであれば、それは「職場を選ぶタイミング」かもしれません。
薬歴がたまる不安や、終わらないことへの焦りを感じながら働く毎日から抜け出したいと願うのは当然のことです。
そんな時には、あなたが本来の薬剤師業務に集中できる、残業の少ない働きやすい職場を探してみることを強くおすすめします。
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あなたの不安に寄り添い、次のステップへと導いてくれるはずです。
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