薬剤師の長時間労働問題【残業・休日出勤・夜勤】デメリットしかない
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長時間労働に悩まされている薬剤師

「1人薬剤師で回している店舗で、残業が当たり前になっている」
「薬歴がまったく書き終わらず、毎日夜遅くに帰宅している」
「休日も疲れが取れず、家のことや勉強にも手が回らない」

あなたもこのような状況に悩んでいませんか?

調剤報酬改定のたびに利益率が悪化し、人員が増えない現場。
そのしわ寄せが薬剤師に降りかかり、慢性的な長時間労働に陥っている薬局が増えています。

実際には、残業をしても残業代が支払われないなどの不当な扱いを受けるケースも報告されており、現場薬剤師の疲弊は深刻です。

本記事では、こうした背景をふまえながら、薬剤師が長時間労働を回避するためにできる対策と行動指針を提示します。

本記事の内容 この記事では次のことがわかります。

このページを読むことで、あなたは「もう無理だ」とあきらめる前に取れる選択肢が見えてきます。

現役薬剤師の視点から、今日から実践できる時短工夫と、抜け出すべきタイミングの見極め方まで、徹底的に解説します。

自己紹介

pharma_di(ファマディー)

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ストーリーズでは内容の濃い情報を発信中≫ ファマディー

全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。

管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト

面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。

私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。

ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。

このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。

≫詳しい自己紹介

結論
薬剤師の長時間労働は、ミス・体調不良・退職リスクの引き金になり、 続けるほどに悪循環を生みます。
小さな工夫の積み重ねで業務効率を高めることもできますが、それでも改善されない環境なら、職場そのものを見直す判断も必要です。
あなたの健康と生活を守るために、いまこそ動きましょう。

なぜ薬剤師は長時間労働になりやすいのか

薬剤師の仕事は医療の最前線であり、単なる「処方通りに薬を出すだけ」ではありません。
それにも関わらず、現場では年々求められる業務が増え、人員が足りないまま質の高いサービスを維持することを迫られています。

この章では、薬剤師が長時間労働を避けられない構造的な原因について、現役管理薬剤師の視点から整理していきます。

1. 慢性的な人手不足が常態化している

薬剤師不足は業界全体の課題です。
特に地方や小規模チェーンでは、常に人手がギリギリの状態で運営されています。

人が辞めてもすぐに補充されず、そのままの人数で仕事量をこなす状況が常態化。
結果的に、一人ひとりの業務量が肥大化し、残業が当たり前の働き方になってしまいます。

2. 業務の複雑化と加算要件への対応

対物業務から対人業務へと移行する中で、服薬指導・薬歴の精度・患者フォローが厳しく求められるようになりました。
さらに、地域支援体制加算・かかりつけ薬剤師加算といった制度も、実務負担を伴う内容が多く、現場の負荷は急増しています。

制度上は「報酬の加算」でも、現場にとっては純粋な業務量の増加です。

3. 在宅・出荷調整などイレギュラー業務の急増

在宅訪問、出荷調整医薬品の管理、発注・調達業務など、以前はなかった突発的で個別対応が求められる業務も大きな負担になっています。

これらは時間が読みにくく、他の業務を圧迫します。
しかも、対応できる人が限られているため、特定の薬剤師に業務が集中する傾向があります。

長時間労働がもたらす5つのリスク

「少し疲れただけ」と思っていても、長時間労働の影響は蓄積し、やがて深刻な問題を引き起こします。
ミスの増加だけでなく、健康、学習、職場環境すべてに悪影響を及ぼすため、放置してはいけません。

この章では、現場薬剤師が直面しやすい5つのリスクを具体的に解説します。

1. 調剤過誤のリスクが高まる

疲労や集中力の低下は、調剤ミスや入力ミスなど重大な事故を引き起こす原因となります。
特に高齢者や多剤併用患者への対応は注意が必要で、1つの見落としが命に関わる可能性もあります。

「疲れていたから」は言い訳になりません。
責任の重い仕事だからこそ、安全に働ける環境整備が欠かせません。

2. 生産性が著しく低下する

疲れた状態では、普段10分で終わる処理に30分以上かかることもあります。
結果として、時間をかけても仕事が終わらず、「働いているのに進まない」という悪循環に陥ります。

また、疲労によるケアレスミスが発生し、二度手間や確認作業の増加にもつながります。

3. 心身の健康が損なわれる

長時間労働は身体だけでなく、精神的な健康にも影響します。

  • 休日に動けないほど疲れている
  • 常に眠気やだるさがある
  • 夜眠れない/寝ても疲れが取れない
  • 月曜日が近づくと憂うつになる

このような状態が続くと、うつ症状や体調不良で離脱する可能性も出てきます。
メンタル不調は誰にでも起こりうることとして、予防策が必要です。

4. 自己研鑽の時間が奪われる

帰宅が遅くなると、自主学習やスキルアップの時間が確保できません。

薬剤師の仕事は日進月歩の医療知識が求められるにも関わらず、「眠気に勝てず、ガイドラインを読む気力すらない」という状況では成長が止まります。

結果的に、キャリア形成にも悪影響を及ぼすことになります。

5. 退職者が増え、組織崩壊のリスクも

長時間労働が当たり前の職場では、薬剤師が次々に辞めていく可能性があります。

そうなると、残ったメンバーの負担がさらに増加し、採用も難航することで組織全体が崩壊しかねません。

現場の声に耳を傾けない職場ほど、この負のスパイラルに陥る傾向があります。

現場でできる対策と改善アプローチ

「現場でできることはもうやっている」という声もありますが、それでも見直せるポイントはまだ残っているかもしれません。

この章では、今日から実行可能な時短・業務効率化の対策を、現役管理薬剤師の視点から提案します。

1. 管理薬剤師による「意見書」の提出を徹底する

薬機法に基づき、管理薬剤師は薬局開設者に対し、業務改善の意見を述べることができます(第8条2項)。

これは単なる提案ではなく、法的根拠に基づいた改善要求です。

残業や人員不足が常態化しているなら、「文書で残す」ことが最も効果的。

薬局管理簿に記録しておくことで、会社としても無視できなくなります。

2. シフト設計を見直す

意外と見落とされがちなのがシフトの最適化です。

例えば「開局直後は患者が少ない」とわかっていれば、1人は遅めの出勤にすることで効率的な人員配置が可能です。

また、時短勤務の薬剤師やパートと正社員のバランスも再検討し、波のある来局状況に合わせて柔軟に配置しましょう。

3. 薬歴記載の効率を上げる

薬歴残業は多くの薬剤師にとって悩みの種です。

そのためには、書き方そのものを見直す必要があります。

たとえば、SOAP形式のうち、SやOの記録をあらかじめテンプレ化したり、服薬指導中にメモを取るなどリアルタイムでの記録補助を導入したりすることで、1件あたり30秒〜1分の時短につながることもあります。

≫ 薬歴を早く書く方法はこちら

4. 小休憩で集中力を回復させる

「忙しくて休めない」と思う時こそ、短時間でも休憩を取ることが重要です。

5〜10分のコーヒーブレイクや甘いものを口にする時間だけでも、頭がリフレッシュされ、結果的に仕事がスムーズに進むようになります。

交代で小休憩を取り入れることで、チーム全体の生産性向上にもつながります。

5. 優先順位をつけ、業務を「捨てる」勇気を持つ

今やっている業務、すべて本当に必要でしょうか?

「後回しでいい仕事」「別の人でもできる仕事」を仕分けして減らすことが、時短の第一歩です。

5S活動や業務整理の視点でタスクを見直せば、意外と不要な作業が見えてきます。

≫ 5S活動で仕事を効率化する方法はこちら

それでも無理なら…働き方そのものを見直す選択

どれだけ努力しても改善しない職場、声を上げても放置される環境。

もしあなたがそうした場所にいるなら、「そこにとどまり続けること」自体がリスクになるかもしれません。

ここでは、「逃げることは甘えではない」と気づくための視点と、実際に転職を考えるべきサインを解説します。

1. 管理薬剤師の意見が無視されるなら要注意

薬機法では、管理薬剤師の意見を尊重する義務があります(第9条2項)。

それにも関わらず、現場からの改善要求が放置されている場合、経営者側に問題がある可能性が高いです。

「改善されるのを待っていたら、半年経っても何も変わらなかった」

そんな状況が続くなら、次のステージを探す時期かもしれません。

2. 忍耐がチーム崩壊を招くこともある

「私はまだ耐えられる」と思っていても、他のスタッフが限界を迎えて辞めてしまえば、負担はすべてあなたにのしかかります。

薬剤師業界は狭く、評判はあっという間に広がります。

「残業代が出ない」「休日が取れない」といった悪評が立てば、新しい人材が集まらず、人手不足が慢性化します。

3. 自分の心身を守るのは自分だけ

「もう少しだけ頑張ろう」が積み重なると、気づいた時には心身ともに限界を超えていることもあります。

残業が減らない、休日も休めない、学びも失われる―

その状況が当たり前になっているなら黄色信号です。

仕事よりも、自分の健康・人生の方が大切だという当たり前のことに、今こそ立ち返りましょう。

Q&A|薬剤師の長時間労働に関するよくある質問

薬剤師の長時間労働に関する疑問や不安について、検索されやすい具体的な質問形式で整理しました。

現場で働く薬剤師や、これから転職を検討している方の参考になる内容を厳選しています。

Q1. 薬剤師が長時間労働に陥りやすい理由は何ですか?

A1. 主な理由は、**人手不足・在宅業務の拡大・加算要件の複雑化**などにより、業務負荷が一人に集中してしまう構造です。 特に中小薬局では、急な退職や欠員が出ても補充されず、**残業が慢性化**する傾向があります。

Q2. 長時間労働が続くとどんな影響がありますか?

A2. **ミスの増加・健康悪化・モチベーション低下**など、個人にも職場にも大きな悪影響を及ぼします。 生産性が落ち、退職者が増えることで組織全体が疲弊するリスクもあります。

Q3. 薬歴残業を減らすにはどうすればいいですか?

A3. 薬歴のテンプレート化や、**リアルタイムでメモを取る習慣**を取り入れることで効率が向上します。 1件あたり1分でも短縮できれば、**全体の残業時間に大きく影響**します。

Q4. 管理薬剤師として現場改善の要望を出せますか?

A4. はい。**薬機法に基づき、開設者へ意見を伝える権利と義務**があります(第8条・第9条)。 文書で残すことで、無視されにくくなり、改善の第一歩になります。

Q5. 休憩時間をうまく取るコツはありますか?

A5. 忙しいときほど意識的に5〜10分の小休憩を取りましょう。 **交代制で確保する、タイマーを使って区切る**など、チーム内で仕組み化すると継続しやすくなります。

Q6. 経営陣が現場の声を無視している場合はどうすべき?

A6. 管理薬剤師が文書で意見を出しても無視されるような職場は、**職場環境として重大な問題があります**。 その場合、転職などの選択肢を本格的に考えるべきです。

Q7. 働き続けるか辞めるかの判断基準は?

A7. 「体調が崩れ始めた」「改善要求が無視され続けている」「家族との時間が取れない」など、**生活や健康が脅かされているかどうか**が判断の基準です。

Q8. 転職することで長時間労働は本当に改善されますか?

A8. 転職先の選び方次第で大きく変わります。 「年間休日120日以上」「在宅業務が少ない」「人員体制が厚い」職場を選べば、**長時間労働のリスクは格段に減ります**。

Q9. 転職活動は在職中でも始められますか?

A9. はい。多くの薬剤師が**在職中に情報収集を開始し、面談や相談を受けています**。 非公開求人の多いエージェントの利用がオススメです。

Q10. おすすめの薬剤師転職サイトはありますか?

A10. 当サイトでおすすめしているのは、マイナビ薬剤師ファルマスタッフ です。 両者とも**面談力・情報量ともに業界トップクラス**で、初めての転職にも安心して利用できます。

薬剤師の長時間労働から抜け出すために

  • 薬剤師の長時間労働は、人員不足・加算要件・業務の多様化など構造的な問題に起因している
  • 疲労が蓄積すると、調剤ミス・健康悪化・モチベーション低下・退職リスクに直結する
  • 管理薬剤師は薬機法に基づいて開設者に改善要求を出すことができる
  • 薬歴記録の工夫やシフト見直し、小休憩の導入などで一定の改善は可能
  • それでも改善されないなら、転職を視野に入れることは決して「逃げ」ではない

薬剤師の長時間労働は、個人の努力だけでは限界があります。

現場改善の工夫と並行して、働く環境そのものを変える視点を持つことが重要です。

心身の健康を守りながら、自分らしいキャリアを歩むための選択肢は、いつでもあなたの目の前にあります。

ある30代の薬剤師は、連日の薬歴残業と休日出勤に限界を感じていました。

「患者のため」と思って耐え続けた日々。

しかし、ふと気づけば毎日がつらく、笑顔もなくなっていたといいます。

思い切って転職を決意し、年間休日125日・残業ほぼゼロの薬局に移りました。

「もっと早く相談していればよかった」と笑顔で話すその姿は、以前の彼女とはまるで別人のようでした。

今の職場でつらい毎日が続いているなら、あなたにも、笑顔を取り戻す選択肢が必ずあるはずです。

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