薬歴がたまる理由と薬歴を早く書く方法【薬歴未記入の問題はこれで解決】
q

薬歴記入の残業を減らしたい薬剤師

いつも残業が多くてぐったり。今月は40時間を超えました。残業のほとんどが薬歴記入です。

未記入のまま帰るわけにはいかないので毎日残業です。

どうにかならないでしょうか?

pharma

このような薬剤師の疑問に答えていきます。

 本記事の内容
 この記事を読むと次のことがわかります。

  • 薬歴残業が発生してしまう原因
  • 薬歴を早く書く方法
  • 薬歴が処理できなくなったら
自己紹介

1313495085_749
pharma-di
私は転職経験2回の大手チェーン調剤薬局の管理薬剤師です。
1回目は転職大失敗。2回目の転職活動では薬剤師転職サイトのコンサルタントの方に大変お世話になりました。そのおかげで転職に成功し、転職1年目の年収は600万円超。現在の年収は880万円です。⇒薬剤師になってからの年収推移公開

薬剤師や薬局事務の採用活動にも携わっています。自らの体験談を基にしてこの記事を書いています。

薬歴を早く書く方法を理解し、薬歴を書く時間さえ取れれば薬歴がたまることはありません。


薬歴残業をゼロにすることも十分可能です。


薬歴がたまってしまう原因と薬歴を早く書く方法を見てみましょう。

薬歴残業が発生してしまう原因

薬局勤務の薬剤師にとって薬歴の問題は常に付きまといます。薬剤師が多めに配置されていてなおかつ薬歴を書く時間も充分にある場合は問題にはなりませんが、そのような薬局は稀です。

薬歴記入で残業することになってしまう原因は何でしょうか?

 薬歴残業が発生する原因

  • 薬剤師が少ない・足りていない
  • 患者数が多い
  • 閉局直前の時間帯に患者数が多い
  • 投薬数が多くて記入しなければいけない薬歴の数が多い
  • 電子薬歴が使いにくい、入力できる端末数が少ない・足りていない
  • まとまった時間が取れない
  • 何を指導したかを思い出すのに時間がかかっている
  • 他にもやることが多すぎて薬歴記入がついつい後回しになってしまう
  • そもそも書くのが遅い(タイピング速度)
  • 何を薬歴に書くべきかが理解できていない
  • 新患が多いので記入に時間がかかる
  • 患者さんに対してヒアリングができていない

原因がある程度見つかれば後はその対策です。

薬歴残業解消方法

今から紹介する薬歴残業解消方法は一般薬剤師だけの力では難しいことです。この次に自分たちでできる対策を書いていきます。

混雑する時間帯だけでも薬剤師を増やしてもらう

  • 薬剤師が少ない・足りていない
  • 患者数が多い
  • 閉局直前の時間帯に患者数が多い
  • 投薬数が多くて記入しなければいけない薬歴の数が多い

これらは一般薬剤師の力ではどうすることもできませんね。


管理薬剤師から開設者へ意見を述べてもらいましょう。薬局管理簿にもその旨記載します。といってもチェーンの調剤薬局であればいきなり社長というわけにも行きませんので、管理薬剤師を通じてエリアマネージャー等の上司へ相談します。


ただし、本当に薬剤師が足りなくて薬歴残業が発生している場合に限ります。
無駄なことをやっている薬剤師がいたり、仕事量に差がある場合にはそこを改善することから始める必要があります。

電子薬歴端末を新しくしてもらう・増設してもらう

  • 電子薬歴が使いにくい、入力できる端末数が少ない・足りていない

この場合も自分たちだけではどうにもなりません。上の人に端末を新しくしてもらうか増設してもらうかしてもらいましょう。

薬歴を早く書く方法

ここからは自分たちでできる薬歴を早く書く方法です。


結論:薬局内で薬歴記入のルールを統一し、服薬指導が終わった直後に箇条書きを多用して必要なポイントに絞って簡潔に書く

 薬歴を早く書く方法

  • 薬局内で薬歴記入のルールを統一する
  • 服薬指導終了直後にすぐ薬歴を書く
  • レセコンの機能を最大限に活用する
  • 初回患者のアンケート用紙を改良する

薬局内で薬歴記入のルールを統一する

多くの薬局ではSOAPで記入していることでしょう。自己流で書くことなどをせず、決まった項目に決まった内容を記載しましょう。


(1)Subjective data(主観的情報):患者さんの話した自覚症状や訴えなど
(2)Objective data(客観的情報):処方内容の他、血圧や検査値など
(3)Assessment(判断・評価):(1)と(2)の内容から得られる薬剤師としての判断、意見(相互作用・副作用)など
(4)Plan(計画):服薬指導内容など


他の薬剤師が見てもわかりやすい記載をしましょう。
前回の指導内容を受けて継続的な流れになっていることも重要です。そして次回は何を確認するのか。


今回の指導で何を確認すればよいかが明確になっていれば、指導漏れもなくなり、時間を節約することが可能です。

箇条書きを多用して必要なポイントに絞って簡潔に書く

記録に残す必要があることに絞って聞き、箇条書きで完結に書く。


薬歴に残すためにもなるべく具体的な質問をしましょう。「お変わりなかったですか?」と聞いても患者さんは何について答えればよいのかわかりません。
前回の薬で眠気が出たのか出なかったのか、だるさはあったかなかったかなど。「はい」か「いいえ」で答えられる閉じた質問も活用していきます。


患者とのやり取りをそのまま書くのではなく、箇条書きで簡潔に書くようにするだけでも時間短縮ができます。


患者さんと話をした内容をすべて記入する薬剤師がいますが、薬歴に記入する内容は取捨選択をおこなうべきです。


とはいえ、世間話から思わぬ情報を得られる場合もありますので、生活背景などがわかるような情報は漏らさず記載しましょう。
それ以外の情報は思い切って捨てる勇気も必要です。


Pの計画や指導内容について、やったことを記録するという意味では箇条書きでも問題ないと思います。

服薬指導終了直後にすぐ薬歴を書く

薬歴記載は患者さんに薬をお渡しした後にその場ですぐ記入するのが理想的です。そうすれば未記入の薬歴が溜まることはありません。

難しいと思うかもしれませんが、結構いけます。


私が勤務している薬局は薬剤師4名で100から120枚の処方箋を応需していますが、服薬指導後にすぐ薬歴を書くという方式でも業務が滞ることはありません。


もちろん待ち時間が長くなりすぎることもありません。一部の時間帯では実施できないこともありますが、8割から9割は実施できています。


最初は他に待っている患者さんがいると薬歴を書くのは後回しという意識でした。


でも最終鑑査は一人で行いますので、薬局の待合室にいる患者さんの数よりも薬剤師数が多ければ、余った薬剤師は薬歴を書いていても大丈夫なのです。


FAXが来たらどうするのかという意見もありますが、処方せんを直接持参してくれる方に比べればFAXの方は時間的余裕があります。


薬歴記入が終わった薬剤師が鑑査に着手すれば十分間に合います。

いやいや、うちは常に大混雑だから無理という意見もあるでしょう。


その場合はすぐに鑑査をする薬剤師と、薬歴を記入してから鑑査をする薬剤師に分けて時間帯で交代するなどしてはいかがでしょうか。

一人薬剤師だから無理というものもちろんわかります。


薬歴記入を後回しにすればするほど、指導した内容や処方変更点などを忘れてしまう可能性が高まります。
その場合は一文でも入力するか、メモを残しておきましょう、

 指導内容や患者背景を思い出している時間はムダ
多くの薬剤師を見てきましたが薬歴記入が遅い人に共通しているのは「動いていない時間が多い」という事です。

薬歴に何を書こうか考えて止まっている時間が大変多いのです。

後回しにすればするほど思い出す時間が必要になりますので、やはりその場で書く(全部でなく一部だけでも)事を心がけましょう。

初回患者のアンケート用紙を薬歴記入に活かせるように改良する

薬歴に記入すべき項目はアンケートに全て記載してもらうなど様式を改良しましょう。


今日の症状や薬剤師に聞きたいことなどもアンケート用紙に記載してもらえれば服薬指導がスムーズに進みます。


電子薬歴の場合、入力項目の順番と初回アンケート用紙の項目の順番を合わせておくと入力が楽です。

レセコン(電子薬歴)の機能を最大限に活用する

電子薬歴には薬歴をスムーズに書くためのさまざまな機能が搭載されています。

 使うと便利なレセコン電子薬歴の機能

  • 定型文登録
  • 過去薬歴引用
  • 添付文書引用
  • 薬の説明書からの引用
  • 音声認識入力

便利な機能がたくさんあります。一部オプションのものもありますが、使えるのに使わないのはもったいない。どんな機能があるのか一度確認しておきましょう。


ほかにも、変換しづらい言葉を辞書登録しておく、コピー&ペーストを何度も行う文書がある場合は、辞書登録するか、「Windowsキー」+「V」でクリップボードの機能を呼び出して使用する(windows10)、ブラインドタッチを練習するなどの方法があります。


自分専用の端末がある場合はカスタマイズして薬歴入力がしやすい環境を構築していきましょう。

薬歴記入について勉強する

だらだらと何を書いているのかわからない薬歴は患者さんのためにもなりませんし、次に読む薬剤師の時間を奪います。


何をどのように書くべきかを勉強するには書籍が一番です。


おすすめの書籍を紹介しておきます。



未記入薬歴がたまりすぎてどうしても処理できなくなったら

薬歴の記入ができない場合は保険請求をしない

やってもいないことに対して保険請求をしてはいけません。薬局の経営的にも大打撃となりますのでこうならないように早めに上の人に伝えて手を打ってもらいましょう。

薬歴残業の問題は一人の薬剤師だけでは全て解決することはできません。同僚や上司の協力が必要です。

まわりの薬剤師に協力する気持ちが無く、ダラダラ薬歴を書いて残業することを良しとしている薬局なのだとしたらずっとそこに居たくはありませんね。


「薬歴書くのが遅いのはあなたのせいだから残業にはなりません」と言われたら即転職決定で。

 残業が少ない薬局に転職したい薬剤師向け
残業が無い(少ない)薬剤師求人を探す方法あります


 薬歴残業の理由と対策まとめ

  • 薬剤師が少ない・足りていない→混雑する時間帯だけでも薬剤師を増やしてもらう
  • 患者数が多い→混雑する時間帯だけでも薬剤師を増やしてもらう
  • 閉局直前の時間帯に患者数が多い→混雑する時間帯だけでも薬剤師を増やしてもらう
  • 投薬数が多くて記入しなければいけない薬歴の数が多い→混雑する時間帯だけでも薬剤師を増やしてもらう
  • 電子薬歴が使いにくい、入力できる端末数が少ない・足りていない→新しい薬歴端末を導入・増設してもらう
  • まとまった時間が取れない→服薬指導後にすぐ書く
  • 何を指導したかを思い出すのに時間がかかっている→服薬指導後にすぐ書く
  • 他にもやることが多すぎて薬歴記入がついつい後回しになってしまう→服薬指導後にすぐ書く
  • そもそも書くのが遅い(タイピング速度)→レセコン機能を活用する
  • 何を薬歴に書くべきかが理解できていない→薬局内でルールを統一・書籍などで再度学習する
  • 新患が多いので記入に時間がかかる→初回アンケート用紙を改良する
  • 患者さんに対してヒアリングができていない→書籍などで再度学習する

薬歴残業(サービス残業含む)で体をこわしてまでその薬局で働き続ける意味ってあるのでしょうか?
無いなら↓