

病院に転職しようか悩んでいる薬局の薬剤師
病院で働くことに憧れがあります。
専門的な知識を習得するにはやっぱり病院の方が良いと思います。
でも夜勤とか当直とか不安ですし。
薬局から病院への転職は難しいのでしょうか?

このような薬剤師の疑問に答えていきます。
本記事の内容
この記事を読むと次のことがわかります。
- 病院の種類
- 病院薬剤師の業務内容
- 薬局から病院へ転職するメリット
- 薬局から病院へ転職するデメリット
- 病院薬剤師の求人の探し方
- 薬剤師が病院見学で見るべき・確認すべきポイント
- 病院薬剤師の採用試験・採用面接に受かる方法

pharma_di(ファマディー)Follow @pharma_di
転職2回の大手チェーン調剤薬局の管理薬剤師。薬剤師や薬局事務の採用活動にも携わっています。
転職に失敗する薬剤師をゼロにしたいという思いで、自らの経験を基に記事を作成しています。
→詳しい自己紹介
薬局から病院への転職は十分可能ですが、病院の種類や規模によって転職の難しさは変わります。まずは、どんな病院で何をしたいのかを明確にしてから転職活動を始めましょう。調剤経験の無い薬剤師よりも病院に採用される可能性がは高いことは間違いありません。
病院から調剤薬局への転職を考えている薬剤師はこちらをご覧ください。
薬局に転職しようか悩んでいる病院薬剤師向けの記事です。病院から薬局に転職した薬剤師が感じること(不安・戸惑い)、病院から薬局に転職をするメリット、病院からの転職に失敗しない薬局の選び方がわかります。ぜひご覧ください。
病院の種類
病院は開設者や機能、役割、規模などによって分類されます。

あなたが働きたいのはどんな病院でしょうか?
病院の機能による分類
病院は、機能別に特定機能病院、地域医療支援病院、その他の一般病院の3つに分類されます。
特定機能病院
特定機能病院は、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院で、400床以上の病床数をもち、厚生労働大臣によって承認される。
令和3年4月1日現在で87病院が承認されています。
地域医療支援病院
地域医療支援病院とは、紹介患者に対する医療提供、医療機器の共同利用等の実施を行い、かかりつけ医・かかりつけ歯科医等への支援を通じて地域医療の充実を図る病院で、県知事の承認を受けた病院をいいます。
その他の一般病院
特定機能病院、地域医療支援病院以外の病院。
病院の開設者による分類

機能による分類とは別に、病院の開設者による分類もあります。
国立病院
厚生労働省、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人労働者健康福祉機構など
公立・公的・社会保険関係法人の病院
都道府県、市区町村、地方独立行政法人、日本赤十字社、済生会、国民健康保険団体連合会など
大学病院
国立大学、公立大学、私立大学
一般病院
公益法人、医療法人、社会福祉法人など

他にも急性期病院や慢性期病院、療養型病院といった分け方もあります。
あなたが働いてみたいと思っている病院のイメージはおそらく、急性期の特定機能病院か地域医療支援病院のことではないでしょうか。
病院薬剤師の業務内容

病院の種類や診療科によっても異なりますが主に、以下の通りです。
- 調剤・服薬指導
- 院内製剤の調製
- 注射薬混合調製
- 外来化学療法
- 薬剤払出
- 医薬品管理と発注
- 医薬品情報業務(DI)
- 病棟業務(ここに力を入れている病院が多いです)
- 治験業務
- チーム医療
- 薬剤師外来
ICT(Infection Control Team)感染管理チーム
感染の発生を監視し、抗生物質の使用状況や処方提案、消毒薬の適正使用による院内感染防止を担う。
PCT(Palliative Care Team)緩和ケアチーム
医療用麻薬の適正な使用法や副作用のチェック、処方提案、患者指導を行う。
NST(Nutrition Support Team)栄養サポートチーム
静脈栄養液・経腸栄養剤の選択や適正な使用法を指導・提案する。

調剤薬局では携わることのできない、チーム医療への参加、注射薬混合調製、治験業務に魅力を感じて病院への転職を希望する薬剤師が多い印象です。
薬局から病院へ転職するメリット
- 専門性を高められる
- 臨床経験を積める
- チーム医療に入れる
- 病棟業務ができる
病院の種類にもよりますが、おおむね調剤薬局よりも高い専門性が薬剤師に求められます。
(薬局は専門性が低くてレベルが低いというわけではありません。担う領域が異なるという意味です。)
薬局ではなかなか体験することが難しい、高度な臨床経験を積めるもの病院薬剤師の魅力のひとつです。
薬局から病院へ転職するデメリット
病院へ就職・転職を希望する薬剤師が多いのは専門性の高さ、臨床経験を積めるといったメリットを意識してのものです。
ですが、新卒で病院の薬局に入局した薬剤師の多くが3年目頃に転職を考えるのも事実。
病院の給料が安いこと、夜勤や当直があること、休みがとりづらいの3つが病院薬剤師が転職を考える主な理由です。
薬局から病院へ転職すると生じるデメリットをまとめるとこうなります。
薬局から病院へ転職すると生じるデメリット
- 給料が下がる
- 休みが減る
- 夜勤や当直がある
あなたがこのデメリットよりもメリットの方が大きいと思えば、迷わず病院薬剤師へ転職をするべきでしょう。
年齢が上がれば上がるほど病院薬剤師への採用率は下がります。
病院薬剤師になると給料が下がる
同じ年齢、同じ調剤経験年数の薬剤師の年収を病院と調剤薬局とで比較すると、
病院薬剤師の年収の方が50万円ほど低いです。
このくらいの年収ダウンは想定しておきましょう。
病院薬剤師になると休日が減る
あなたが勤務している薬局には定休日があると思います。
入院患者さんがいる病院は土日、祝日、年末年始関係なく開いています。
病院に定休日はありません。
そうなると完全にシフト制での勤務となりますから、毎週○曜日が休みということは無くなります。
完全週休二日制と書かれていれば休みが減ることはありませんが、4週8休や4週6休の記載があれば今よりも休日の日数が減ってしまいます。
調剤薬局から病院へ転職すると休日が減る可能性も覚悟しておきましょう。
病院薬剤師には夜勤・当直・宿直がある
病院薬剤師になると夜勤や当直、宿直勤務があります。
どういう勤務形態なのか、仮眠・睡眠はとれるのか、月に何回程度あるのか、手当はどうなっているのかをしっかり確認しておきましょう。
夜勤・宿直・当直勤務の違い
夜勤とは、夜の時間帯に通常勤務と同様の業務を行うこと。週40時間の法定労働時間に含まれます。
宿直とは、非常時に備えた待機要員であり、軽度の業務に限っておこないます。寝具・暖房などの睡眠設備を設け、夜間に十分な睡眠が取れることが条件です
当直とは、当番を決めて交代で事業所に待機をする勤務のこと。通常の勤務時間外に交代制・当番制で働くという意味で用いられることが多いです。
夜勤は日中の通常勤務と同様の業務を行いますが、宿直や当直は何かあった時の待機要員という大きな違いがあります。
病院薬剤師の求人の探し方
薬局と病院の数自体が違いますので、調剤薬局に比べると病院の求人数は少ないのは事実です。
特に大規模急性期病院の中途採用の薬剤師求人はほとんどありません。
その理由は、人気が高く新卒で枠が埋まってしまうから。
中途薬剤師の採用は、欠員が発生した場合の補充のみというところがほとんどです。
また、大病院には年度末(半期末)にしか辞めることができないという暗黙のルールが存在しているところも。
9月末と3月末に退職者が出るため、その補充の採用が発生する8-9月と2-3月の年2回が狙い目です!
この時期を逃さぬように今から準備を進めていきましょう。
病院薬剤師の求人の探し方
- 病院のホームページで薬剤師求人を探す
- 病院薬剤師会のホームページで薬剤師求人を探す
- 薬剤師転職サイトで病院の求人を探す
病院のホームページで薬剤師求人を探す
あなたが狙っている病院があればその病院のWEBサイトを見てみましょう。
職員募集(薬剤師)が掲載されているかもしれません。
国立病院への転職を考えているなら、国立病院機構のグループ別薬剤師募集情報も参考になります。
病院薬剤師会のホームページで薬剤師求人を探す
日本病院薬剤師会のホームページに、薬剤師の求人情報が掲載されています。
件数はそれほど多くはありませんので参考までに。
薬剤師転職サイトで病院の求人を探す
病院薬剤師の求人件数が多いのはやはり薬剤師転職サイトです。
例えば、マイナビ薬剤師、ファルマスタッフ
なら病院薬剤師の求人が3,000件以上、薬キャリ
なら2,000件以上、リクナビ薬剤師
なら約1,500件の病院薬剤師の求人が掲載されています。
登録すると詳細な求人情報と転職サポートが得られます。
登録も利用もすべて無料。
薬局から病院薬剤師に転職するなら登録必須です。
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薬剤師転職サイトに登録すると詳細な病院の情報が得られますが、すべてコンサルタント任せではいけません。
自分の目で見て、感じることが大切です。
薬剤師が病院見学で見るべき・確認すべきポイント
『こんなはずではなかった』、『思っていたのと違った』というミスマッチを防ぐためにも転職前に病院の見学をさせてもらいましょう。
薬剤師が病院見学で見るべき・確認すべきポイントは次の通りです。
あなたが思い描いている病院の姿と合っているか
病院薬剤師といっても、業務内容は様々。あなたがイメージしている仕事ができるかを確認しましょう。
地域における病院の役割
急性期なのか慢性期なのかによって忙しさも違えば専門性も違います。病院見学の際には、その地域でどういった役割の病院なのかをよく聞いておきましょう。
あなたが取りたい専門薬剤師・認定薬剤師はいるかどうかも聞いておきましょう。専門薬剤師の資格取得を目指しても症例がないというケースもありますし、そもそもその病院がその資格に対する研修施設でない場合は資格取得のハードルが上がってしまいます。
院外処方箋を発行しているか院内処方か
院外処方せんを発行しているかしていないかで調剤に占める外来の割合が大きく異なります。
院内処方の病院だと調剤業務の比率が高まり、思っていた業務に携われない可能性があり注意が必要です。
院外処方の病院なら、疑義照会の受付窓口が薬剤部なのか、外来なのか、医事課なのかも確認しておきましょう。
薬剤師の教育体制
薬剤師の教育体制は薬局でも大切ですが、病院でも非常に重要です。
どういった教育体制が敷かれているかを確認しておきましょう。
薬剤部の年齢構成
病院薬剤師は一通りの業務を経験し終わる3年目で転職を考える人が多いそうです。
例えば、50代の薬剤部長の次が20代後半の薬剤師という病院は、おそらく3年目あたりでほとんどの若手薬剤師が離職しています。
30代、40代の薬剤師がバランスよく働いている病院は良い病院と言えるでしょう。
休みのとりやすさ・残業時間
求人票に書かれている通りに休みは取れるのかどうか。
シフト制になっているが希望の日に休みやすいのかどうか
残業時間はどのくらいあるのか
不満の原因になりやすい部分ですからここもしっかり確認が必要です。
給料や手当について
お金についても不満の原因となりやすい項目です。
基本給や夜勤手当などについても、しっかりと確認しておく必要があります。
とはいえ、なかなかお金のことは聞きづらいものです。
マイナビ薬剤師やファルマスタッフ
、薬キャリ
などのコンサルタントを通じて確認してもらうと角が立ちません。
病院薬剤師の採用試験・採用面接に受かる方法
病院薬剤師の中途採用は狭き門ですから、事前の準備が必須です。
あなたの経歴をしっかりアピールできるようにしておきましょう。
当直、残業について全く問題ないこと、学会での発表経験があることは好印象となります。
高いコミュニケーションスキルもしっかりアピールしておきましょう。
転職を希望する薬剤師が採用面接・試験に受からない原因は?その対処法についてまとめました。ぜひご覧ください。
薬剤師の転職で面接同行は使うべき?メリットとデメリットを解説しました。面接での安心感を得られる面接同行で転職成功率がアップ。ぜひご覧ください。
マイナビ薬剤師なら、履歴書や職務経歴書の書き方、面接のサポートも得られます。
まとめ
薬局から病院に転職すると、
- 給料は下がり、夜勤や当直業務が増える
- 薬局では経験できない最先端の医療に触れることができる
薬局から病院への転職で生じるデメリットをなるべく小さくしつつ、メリットを最大に得るには転職先の病院の探し方が重要です。
せっかく病院に転職しても、「考えていた業務ができなかった」「思っていたのと違っていた」となってしまったらその転職は失敗ということに。
給料が下がる覚悟で病院への転職をするのですから、絶対に失敗はしたくないですよね。
失敗したくないなら病院への転職に強い薬剤師転職サイトを使った転職を強くお勧めします。
あなたは病院薬剤師への転職をしますか?
それともやめますか?
まだ悩んでいますか?
病院への転職を決めたならすぐに行動を。
あなたがまだ悩んでいるなら、もう一歩進んでから悩んでみてはいかがでしょうか。
病院薬剤師の詳しい話を聞いてから悩んでも遅くはありません。
- 病院薬剤師の求人を紹介してもらいたい
- 病院薬剤師の働き方を詳しく知りたい
いずれにしろ、次の一歩は薬剤師転職サイトへの登録です。
あなたが求めている、病院への転職を成功させる最短ルートはここにあります。
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