
調剤に必要な薬が足りません。病院から足りない分だけ売ってもらうことは可能でしょうか?
あと、病院から薬局に売ってほしいと依頼がくることがあるのですが、薬局から病院に分譲するのは可能ですか?
日々の調剤業務をしていると、「この薬の在庫、あと10錠あれば…」という状況に直面することはありませんか?
つい、「近くの病院にお願いして少しだけ分けてもらおう」と思ってしまいがちですが、実はそれには法律上の制限があるのです。
また、逆に病院から「薬を分けてほしい」と薬局に連絡が来ることもありますが、この対応も慎重に行わなければなりません。
このようなやりとりが違法になることもあり、知らずに行えば薬局や薬剤師自身が罰せられるリスクもあるのです。



私も過去に、同じチェーンの他薬局で病院から薬を買おうとしてトラブルになりかけたケースを見たことがあります。ルールを知っておかないと危険です。
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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
pharma_di(ファマディー)
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト】
面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。 私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。 ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。 このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。
薬局が病院から医薬品を購入することはできません。これは、病院が医薬品販売業の許可を持っていないためです。
一方で、薬局が病院や診療所に医薬品を販売することは法的に認められています。状況に応じて正しい対応を選びましょう。
病院から薬局へ転職を考えている薬剤師が知りたい情報はこちらにまとめました。


病院から薬局へ医薬品を販売することは可能?


調剤を行おうとした際に薬が足りず、卸にも在庫がない…。そんな状況で「近隣の病院から少しだけ分けてもらえないか」と考えたことがある薬剤師も多いのではないでしょうか。
しかし、結論から言えば薬局が病院から薬を購入することはできません。これは薬機法により、医薬品の販売が許可制であるためです。
医薬品販売には「販売業の許可」が必要
薬局が医薬品を販売・授与するには、薬機法に基づいた「医薬品販売業」の許可が必要です。病院はこの許可を持っていないため、原則として薬を販売することはできません。
法律的な根拠は以下の通りです。
第二十四条(医薬品の販売業の許可)
薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
つまり、病院は医薬品販売業の許可を持っていないため、薬局に薬を売ることはできないのです。
病院内にある「薬局」は実は薬局ではない?
「でも、病院内に薬局ってありますよね?」と感じるかもしれません。しかしそれは、法律上の「薬局」ではなく、正確には「調剤所」です。



病院の中にある調剤所は、その病院の医師が発行した処方せんの調剤のみを行う場所です。他の医療機関の処方せんには対応できません。
薬機法第2条第12項
この法律で「薬局」とは…ただし、病院若しくは診療所の調剤所を除く。
つまり、病院の調剤所は「薬局」ではないため、調剤を行っていても販売業務はできないというわけです。
病院間や病院→薬局もNG
このルールは、病院同士や病院から別の薬局への分譲にも適用されます。いかなる場合でも、医薬品の販売には許可が必要であり、病院はそれを持っていません。
もし病院からの小分け依頼を受けてしまうと、薬局側も違法行為に加担することになる可能性があるため、注意が必要です。
薬局から病院へ医薬品を販売することは可能?


病院から薬局への販売はできませんが、薬局から病院への医薬品販売は可能です。これは薬機法により明確に認められている行為です。
では、なぜ薬局から病院へはOKなのか? 根拠となる法律や注意点を詳しく解説していきます。
薬機法で定められた正当な販売先
薬局開設者は、薬局医薬品を「薬剤師等」に対して販売・授与する場合に限り、販売が可能とされています。
薬機法 第36条の三
薬局医薬品を使用しようとする者以外の者に対して、正当な理由なく販売してはならない。ただし、薬剤師・病院・診療所の開設者等に販売する場合はこの限りではない。
つまり、病院・診療所・医師は「正当な販売先」に該当するため、薬局からの販売は合法となります。
処方箋医薬品の販売も可能?
では、要指導医薬品や処方箋医薬品についてはどうでしょうか?
薬機法 第49条
処方箋医薬品は、医師の処方箋がない限り販売できない。ただし、薬剤師等に販売する場合はこの限りではない。
このように、処方箋医薬品であっても、病院や診療所の開設者、薬剤師等への販売であれば問題ありません。



ただし、あくまで「正当な用途」のためであることが前提です。数量・記録管理を徹底しましょう。
薬局間の小分け・分譲と同じ扱いに注意
隣の薬局と薬を売り買いする「分譲」も、法律上は認められていますが、これも「薬剤師等」への販売に該当するためです。
ただし、薬局間や病院への分譲が習慣化すると、不正使用や記録不備によるリスクが高まるため、ルールを明確にして社内で共有しておく必要があります。
Q&A|病院と薬局の薬のやりとりに関するよくある質問
病院や薬局で日々医薬品を扱っていると、意外と知られていない法律上のルールに直面することがあります。
ここでは、薬の販売や分譲に関する「よくある疑問」を10問ピックアップし、薬機法の観点からわかりやすくお答えします。
Q1. 薬局は病院から医薬品を購入することはできますか?
できません。病院は医薬品販売業の許可を持っていないため、薬局に医薬品を販売することは法律で禁止されています。
Q2. 病院の薬剤部から薬を購入することは可能ですか?
不可能です。薬剤部はあくまで院内処方のための「調剤所」であり、医薬品を外部に販売することはできません。
Q3. 薬局から病院に医薬品を販売することは可能ですか?
可能です。薬機法により、薬局開設者が病院や診療所の開設者に医薬品を販売することは認められています。
Q4. 病院が薬局から薬を買っても良いのはなぜ?
薬局が「正当な販売先」として認められているからです。薬機法36条の三により、病院は販売対象に含まれています。
Q5. 処方箋医薬品の販売も可能ですか?
可能です。薬機法49条により、薬剤師や病院などの開設者への販売は、処方箋医薬品でも例外的に認められています。
Q6. 病院間で薬を融通しあうことはできますか?
できません。病院同士も医薬品販売業の許可を持っていないため、薬の分譲は違法です。
Q7. 隣の薬局と薬をやりとりしても問題ありませんか?
条件付きで可能です。薬剤師等への販売・授与に該当する場合はOKですが、数量や目的に注意が必要です。
Q8. 医薬品販売業の許可がある病院は存在しますか?
原則としてありません。病院の目的は診療であり、医薬品販売業を兼ねることは極めて稀です。
Q9. 医薬品の小分け依頼を受けたらどうすべき?
まず法令に基づいて可否を判断しましょう。病院からの依頼であれば基本的に断るのが正しい対応です。
Q10. 法令違反のリスクがある薬局に勤務している場合は?
法令順守を徹底している職場への転職を検討しましょう。自分が罰せられる前に、安心して働ける環境を選ぶことが大切です。



採用面接では「違法行為に巻き込まれたくなかった」という理由も評価されます。早めの行動が未来を守りますよ。
Q&A|病院と薬局の薬のやりとりに関するよくある質問
病院や薬局で日々医薬品を扱っていると、意外と知られていない法律上のルールに直面することがあります。
ここでは、薬の販売や分譲に関する「よくある疑問」を10問ピックアップし、薬機法の観点からわかりやすくお答えします。
Q1. 薬局は病院から医薬品を購入することはできますか?
できません。病院は医薬品販売業の許可を持っていないため、薬局に医薬品を販売することは法律で禁止されています。
Q2. 病院の薬剤部から薬を購入することは可能ですか?
不可能です。薬剤部はあくまで院内処方のための「調剤所」であり、医薬品を外部に販売することはできません。
Q3. 薬局から病院に医薬品を販売することは可能ですか?
可能です。薬機法により、薬局開設者が病院や診療所の開設者に医薬品を販売することは認められています。
Q4. 病院が薬局から薬を買っても良いのはなぜ?
薬局が「正当な販売先」として認められているからです。薬機法36条の三により、病院は販売対象に含まれています。
Q5. 処方箋医薬品の販売も可能ですか?
可能です。薬機法49条により、薬剤師や病院などの開設者への販売は、処方箋医薬品でも例外的に認められています。
Q6. 病院間で薬を融通しあうことはできますか?
できません。病院同士も医薬品販売業の許可を持っていないため、薬の分譲は違法です。
Q7. 隣の薬局と薬をやりとりしても問題ありませんか?
条件付きで可能です。薬剤師等への販売・授与に該当する場合はOKですが、数量や目的に注意が必要です。
Q8. 医薬品販売業の許可がある病院は存在しますか?
原則としてありません。病院の目的は診療であり、医薬品販売業を兼ねることは極めて稀です。
Q9. 医薬品の小分け依頼を受けたらどうすべき?
まず法令に基づいて可否を判断しましょう。病院からの依頼であれば基本的に断るのが正しい対応です。
Q10. 法令違反のリスクがある薬局に勤務している場合は?
法令順守を徹底している職場への転職を検討しましょう。自分が罰せられる前に、安心して働ける環境を選ぶことが大切です。



採用面接では「違法行為に巻き込まれたくなかった」という理由も評価されます。早めの行動が未来を守りますよ。
法令を守った対応と転職成功へのヒント
ここまでの内容を簡単に振り返ってみましょう。
- 病院から薬局への医薬品販売は不可(法的に認められていない)
- 薬局から病院への医薬品販売は可能(薬機法で認められている)
- 処方箋医薬品であっても「薬剤師等」への販売は例外的にOK
- 病院同士・調剤所からの販売・小分けは違法
- 不安がある場合は社内確認・薬局開設者に相談を
薬の分譲ややり取りにおいては、日々の業務に追われる中で「つい、うっかり」やってしまいがちなことでも、法令違反になるケースがあります。
薬局や病院に勤務するすべての薬剤師が、医薬品流通における法的ルールを理解し、トラブルを未然に防ぐ意識を持つことが重要です。
あなたの職場、実は違法行為をしているかもしれません。
「隣の病院から少しだけ分けてもらった」「余っていたから分けてあげた」。このような善意や業務効率の名のもとに行われる行為が、実は薬機法違反になることは少なくありません。
もしその責任を取らされるのが、現場の薬剤師であるあなた自身だったとしたら…?
私自身、かつて同じチェーンの薬局で、法令を無視した分譲が横行していた現場を目の当たりにしたことがあります。現場の薬剤師は命令に逆らえず、黙って従うしかない状況に追い込まれていました。
そんなとき、勇気を出して別の薬局へ転職した薬剤師がいました。転職先は法令順守が徹底された職場で、日々の業務も安心して取り組める環境だったそうです。何より、「ルールを守る」という基本を大切にしていることに、大きな安心感を覚えたと話してくれました。
法令を守ることは、あなた自身と患者さんを守ることでもあります。そしてそれが、長く薬剤師として活躍していくための第一歩です。



もし、少しでも「この環境おかしい」と思ったら、それは行動を起こすサインかもしれません。
まずは今の職場の現状をしっかり確認し、問題が改善される余地がない場合は、法令順守の文化がある薬局への転職を検討してみてください。
あなたが安心して働ける環境は、必ず見つかります。
転職活動は、少しの勇気と、正しい情報から始まります。信頼できる薬剤師専門の転職支援サービスを利用すれば、あなたの想いや希望を汲み取った職場を一緒に探してくれるはずです。
まずは一歩を踏み出してみませんか?



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