- 子育て中の薬剤師が転職を考える理由とは?
- 避けるべき職場の特徴と、両立に最適な職場タイプ
- 子育て薬剤師に強い転職サイトと成功事例
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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
pharma_di(ファマディー)
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト】
面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。 私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。 ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。 このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。
子育て中の薬剤師が転職を考える理由とは?
子育てと仕事を両立しながら薬剤師として働くことは、想像以上にハードな現実があります。 一見、「国家資格があって安定した職業」と思われがちな薬剤師ですが、実際には多くのワーキングマザー薬剤師が「今の職場ではもう限界かも…」と感じています。 子育てとの両立が難しくなるきっかけは、日常の中に散りばめられています。 ここでは、実際に多くのママ薬剤師たちが転職を考える代表的な理由を取り上げ、深掘りしていきます。保育園の送り迎えに間に合わないシフト体制
ドラッグストアや調剤薬局では、「早番・遅番」のシフト制や土日勤務が基本。 開局時間が長い店舗も多く、勤務終了時刻が18時~19時を過ぎることも少なくありません。 しかし、保育園のお迎え時間は18時まで。 「シフト通りに働く=お迎えに間に合わない」というジレンマに直面し、周囲に謝ってばかりの日々を送っている方も多いのです。 また、「急に子どもが熱を出した」「園から呼び出された」というとき、周囲の理解が得られず肩身の狭い思いをすることも。 家族よりも職場を優先しなければならない現実に、疲れを感じてしまうのは当然です。土日勤務・祝日出勤で家族と過ごす時間が取れない
薬局やドラッグストアは地域にとって重要なインフラであり、土日や祝日も営業しているケースが多く見られます。 特に人手不足の現場では、子育て中であっても「土日もシフトに入れるか?」と聞かれることもあります。 その結果、「週末も出勤で家族と過ごせない」「行事に参加できない」という悩みが増えていきます。 家族とすれ違う時間が増え、「私が仕事を選んだから、子どもに我慢させているのでは?」という罪悪感を抱いてしまうことも。 そんな思いが積み重なり、「もっと家庭を大切にできる働き方に変えたい」と考えるママ薬剤師が増えているのです。時短勤務でも負担が大きい・評価されにくい
育児と両立するために時短勤務を選んだとしても、現実には「業務量は正社員と同じ」「残業が当たり前」といった矛盾を抱えることも珍しくありません。 さらに、「時短だから評価が下がる」「重要な仕事は任されない」という職場も存在します。 そのような環境では、「一生懸命働いているのに認められない」という不満が積み重なり、自信を失ってしまうことも。 子育てをしながら働くには、理解ある職場・制度だけでなく、実際の運用面での配慮が不可欠です。 それがない職場では、やがて限界を迎えてしまいます。子育てと両立が難しい職場の特徴とは?
子育てをしながら薬剤師として働き続けるためには、勤務先の理解と柔軟な体制が欠かせません。 しかし、すべての職場が子育てとの両立に適しているとは限らず、むしろ「制度はあるのに使いづらい」という声も少なくありません。 ここでは、子育て薬剤師にとって避けたい「両立困難な職場の特徴」をご紹介します。 今の職場に当てはまる項目があれば、働き方を見直すタイミングかもしれません。① シフトの融通が効かない職場
勤務希望を出しても、「人手が足りないから」「前例がないから」といった理由で受け入れてもらえない職場は、子育てとの両立に大きな壁となります。- 保育園の送り迎えに間に合わない
- 学校行事・家庭の予定に合わせた休みが取れない
- 子どもの体調不良に即対応できない
② 時短勤務に理解がない・制度が形骸化している
一見すると時短制度が整っているように見えても、実際には「形だけ」のケースもあります。- 時短勤務なのに通常業務と同じ負担
- 残業が当然の空気感
- 「時短は迷惑」と陰口を言われる
③ 子育て中の社員が少なく、孤立しやすい
職場に同じような境遇の人がいないと、相談もしづらく、「私だけ特別扱いしてもらっているのでは?」と感じてしまうことがあります。- ママ薬剤師が少なく、相談相手がいない
- 理解者がいないために気軽に頼れない
- 無言のプレッシャーで「辞めるしかない」と思いつめる
子育て薬剤師に向いている職場の特徴とは?
子育てと仕事の両立に悩む薬剤師が増えるなか、「安心して長く働ける職場を選びたい」と考えるのは当然のことです。 では、どのような職場が子育て薬剤師に向いているのでしょうか? ここでは、実際に働くママ薬剤師の声をもとに、「両立しやすい職場の条件」を具体的にご紹介します。 今の職場と比較しながら、自分に合った転職先を見極める参考にしてください。① シフトや勤務時間に柔軟性がある
子育て薬剤師にとって、「勤務時間の柔軟性」は何より重要なポイントです。- 9時〜16時など、保育園の時間に合わせて働ける
- 「週3勤務」や「午前のみ」など短時間勤務が可能
- 急な呼び出しや体調不良にも対応してくれる体制がある
② ママ薬剤師が多く、理解のある職場
同じ立場の同僚がいることは、精神的な支えになります。- 育児経験のある同僚や上司が多い
- 「お互いさま」と助け合う文化が根づいている
- 家庭の事情に理解を示す空気感がある
③ 福利厚生や制度がしっかり活用されている
制度があるだけでは意味がなく、実際に活用されているかどうかがポイントです。- 時短勤務や育児休暇の取得実績がある
- 有給休暇を取りやすく、取得率が高い
- 子育て支援制度(育児手当・看護休暇など)が整っている
子育て薬剤師におすすめの転職先5選
「子どもとの時間を大切にしながら、薬剤師としても働き続けたい」 そう願うママ・パパ薬剤師にとって、職場選びは人生を左右する大きな決断です。 ここでは、実際に子育てと両立して働いている薬剤師の声をもとに、「子育て薬剤師にとって働きやすい転職先」を5つ厳選してご紹介します。 それぞれの特徴とおすすめポイントを解説しますので、自分に合った働き方を見つけるヒントにしてください。① クリニック門前の調剤薬局|夕方以降が比較的落ち着く
診療時間が比較的短めのクリニック門前の薬局は、早めに業務が終わる傾向があります。- 日祝休みが多く、保育園・学校のスケジュールと合わせやすい
- 処方せん内容が限定されているため、業務がルーティン化しやすい
- 夕方以降の勤務が少ないため、家庭との両立がしやすい
② 在宅特化の調剤薬局|一人で落ち着いて対応できる
近年ニーズが高まっている「在宅訪問中心の薬局」は、コミュニケーションの密度は高いが、対面でのストレスが少ないのが特長です。- 1人1人の患者にじっくり関われる
- 訪問スケジュールをある程度自分で調整できる
- 職場の人間関係より、外部との信頼構築が重視される
③ 病院のパート薬剤師|チーム医療に参加しながらも柔軟に働ける
正社員よりも柔軟な働き方ができる「病院のパート薬剤師」もおすすめです。- 早番・遅番を調整できる病院も多い
- 医師・看護師と連携するチーム医療を経験できる
- 調剤業務以外にもスキルアップの機会が多い
④ 薬剤師コールセンター|電話対応のみで出勤時間が固定
実は近年増えているのが、「薬剤師免許を活かした電話業務」です。- 調剤や投薬は一切なし
- 電話による服薬指導・副作用相談が主な業務
- 土日祝休み・残業ほぼなしの職場が多い
⑤ 製薬企業や行政などの非臨床職|出勤時間も仕事内容も安定
製薬会社の安全管理部門や、行政・自治体で働く薬剤師は、生活リズムを整えながら働けるのが最大の魅力です。- 平日9時~17時の勤務で残業ほぼなし
- デスクワーク中心で肉体的負担が少ない
- 産休・育休制度の取得実績が豊富
Q&A|子育て薬剤師の転職に関するよくある質問
子育てと両立できる職場への転職を考える薬剤師の方からは、よく似たお悩みや疑問の声が寄せられます。
ここでは、実際に寄せられた質問の中から、特に多い10の疑問にお答えしていきます。
育児と仕事を両立したい方、復職に不安がある方、自分に合った働き方を模索している方は、ぜひ参考にしてください。
Q1. 子育て中でも正社員で働ける薬局はありますか?
はい、あります。最近は時短正社員やフレックス制度を導入している薬局も増えており、育児と両立しやすい正社員枠が拡大しています。転職エージェントに希望条件を伝えれば、該当求人を提案してもらえます。Q2. 面接で子どものこと(急な休み等)を話すべきですか?
正直に伝えるべきです。入社後のトラブルを防ぐためにも、子どもの年齢や保育状況、急なお休みの可能性などは事前に共有しましょう。理解ある職場ほど、むしろその点を重視して採用します。Q3. 子育てでブランクがあると採用に不利ですか?
ブランク自体は大きなマイナスにはなりません。それよりも「働く意欲」と「現場に戻るための準備姿勢(研修・復習)」が評価されます。再就職支援の研修制度を持つ職場を選ぶことで不安は大きく減らせます。Q4. 時短勤務でも社会保険に入れますか?
はい、週30時間以上勤務すれば基本的に加入可能です。薬局によっては25時間程度でも加入できる場合もありますので、条件を事前に確認しておくことが大切です。Q5. 土日休み希望だと求人は少ないですか?
確かに制限はありますが、クリニック門前や企業薬剤師、コールセンターなどは土日休みの求人が多めです。希望を伝えたうえでマッチする求人を探せば十分可能です。Q6. 扶養内パートの求人はどこで探せばよいですか?
扶養内の条件に合った求人は、転職サイトに登録して非公開求人を紹介してもらうのが効率的です。自力では見つけにくい条件付き求人も、エージェントなら把握しています。Q7. 子どもの病気で急に休んでも大丈夫な職場はありますか?
もちろんあります。スタッフの人数に余裕がある薬局や、チームでフォローし合える環境であれば、突発的な休みにも柔軟に対応してくれます。事前に「お互い様」文化があるかを確認しておくと安心です。Q8. 子どもが小学生になったらフルタイムに戻せますか?
はい、復帰は十分可能です。特に一度その薬局でパート勤務していた場合は、スムーズにフルタイムへ移行しやすくなります。将来的な働き方の相談も面接段階でしておくと良いでしょう。Q9. 残業がない職場はどうやって見つければいいですか?
「残業ほぼなし」「定時退社可」といった条件で探すなら、転職サイトを活用するのが最短ルートです。求人票に書かれていない実情もエージェントが把握しているため、希望を伝えて探してもらいましょう。Q10. 育児中でもキャリアアップできますか?
可能です。認定薬剤師や在宅専門の資格など、育児と両立しながら取得できるキャリアも存在します。育成制度が整った職場を選ぶことで、将来的な昇格・転職にもつながります。転職成功事例|子育て薬剤師が理想の働き方を手に入れた3つのケース
「子どもとの時間をもっと大切にしたい」「家庭と両立しながらも、薬剤師としてキャリアを積みたい」―― そんな思いを胸に、転職を決意した子育て中の薬剤師たち。彼女たちは、自分の価値観やライフスタイルに合った働き方を見つけ、充実した毎日を送っています。
ここでは、実際に転職を成功させた子育て薬剤師の3人のリアルなケースをご紹介します。 それぞれの背景や転職理由、そしてどのような職場を選び、どう理想の働き方を手に入れたのか。きっとあなたの参考になるはずです。
今の働き方にモヤモヤを感じている方、家庭を優先したいけれど薬剤師としても成長したい方は、ぜひ読み進めてみてください。
① 週2パート希望だったが、理想通りの午前中勤務を実現
30代・女性薬剤師のAさんは、2歳のお子さんを保育園に預けながら週2日の午前中のみ働ける職場を探していました。しかし、求人サイトではフルタイムや週5の条件ばかり。自力では理想の職場が見つからず、転職サイトに登録。 担当エージェントが非公開求人から紹介してくれたのは、クリニック門前の調剤薬局。 「子育て理解あり」「午前中のみ」「週2〜OK」「ブランク歓迎」という好条件の職場で、面接では「急な発熱時も柔軟に休んで大丈夫ですよ」と言ってもらえたことで、涙が出るほど安心したそうです。 現在は、育児とのバランスを取りながらも「やっぱり薬剤師の仕事が好き」と再確認できる毎日を過ごしています。② フルタイム復帰を目指して転職。家庭と両立できる企業薬剤師に
40代・男性薬剤師のBさんは、小学生と中学生の子どもがいる父親。 調剤薬局勤務では、「帰宅が21時を超えることもあり、子どもと話す時間がほとんど取れない」という状況が続いていました。 「このままでは家族との時間が消えてしまう」と感じて転職を決意。 ファルマスタッフ経由で、企業内の品質管理部門の薬剤師求人を紹介されました。 8:30~17:00勤務、土日祝休み、残業もほぼ無し。 未経験の業種でしたが、「真面目で丁寧な性格と、調剤現場での経験を活かせる」という評価で採用が決定。 現在は家族との食事・休日の外出も取り戻し、「自分の人生を取り戻した感覚があります」と語っています。③ 育児と親の介護で悩んでいたが、在宅勤務の医療ライター職に転職成功
50代・女性のCさんは、10年間調剤薬局で勤務。 しかし、親の介護と小学生の子育てが重なり、「職場には迷惑をかけたくないが、もう限界」という状態に。 思い切って退職し、半年のブランクの後、マイナビ薬剤師経由で紹介されたのが在宅勤務可能な「メディカルライター」の職でした。 医療記事のチェックや薬剤師監修の仕事で、外出不要。 文章を書くことが好きだったCさんにとっては天職で、勤務時間も融通が利くため、介護との両立にも成功しています。まとめ|子育ても仕事も、どちらも大切にできる職場はきっとある
この記事の重要なポイントを以下にまとめます。- 子育て薬剤師は、両立に悩みながらもキャリア継続を望む人が多い
- 働きやすい職場を選ぶコツは「勤務時間」「急な休みに対応できるか」「理解ある職場か」
- 調剤薬局以外にも、企業薬剤師や在宅系、ライターなど選択肢は多様
- 育児と仕事を両立したいなら、転職エージェントの活用が有効
- 子育て中でも活躍している薬剤師の事例から勇気をもらえる