派遣薬剤師として働くことを考えたとき、社会保険や福利厚生がどうなるのか不安に感じる人は少なくありません。
有給休暇は取れるのか、妊娠や出産をした場合に産休や育休は使えるのか、正社員と比べて不利にならないのかが気になるところです。
派遣だと保険に入れないのでは……、産休や育休は取れないのかもしれない、と考えてしまう人もいるでしょう。

派遣って社会保険に入れないのかな…?有給や産休・育休って、ちゃんと使えるのか自信がないです。
派遣薬剤師の社会保険や福利厚生は、派遣先の薬局ではなく派遣元の制度が適用されます。
そのため、派遣という働き方そのものが不安かどうかではありません。「自分の働き方に合う派遣元を選べているか」が、安心して働けるかどうかを左右します。
- 派遣薬剤師の保険は?
- 派遣薬剤師の有給休暇
- 派遣薬剤師が妊娠したら産休は取れる?
- 派遣薬剤師は出産育児一時金はもらえる?
- 派遣薬剤師は出産手当金はもらえる?
- 派遣薬剤師の育児休業制度
- 派遣薬剤師は育児休業給付金(育休手当)はもらえる
- 派遣薬剤師の退職金
- 派遣薬剤師の福利厚生
派遣薬剤師の保険は派遣元の社会保険に加入
派遣薬剤師は、雇用契約を結んだ派遣元の社会保険に加入する仕組みです。
派遣薬剤師は保険に入れないと思われがちですが、実際には正社員やパートと同様に社会保険へ加入できます。
大きな違いは、雇用主が実際に働く薬局ではなく、派遣元の派遣会社になる点です。
- 正社員・パート:実際に働く薬局や会社が雇用主
- 派遣薬剤師:派遣元の薬剤師派遣会社が雇用主
派遣先が決まると、派遣会社と雇用契約を結び、その会社の社員として薬局へ派遣されます。
加入条件の目安は、週20時間以上の勤務かつ2か月を超える契約期間があることです。
たとえば、ヤクジョブ(クラシス)が派遣元の場合は、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入します。
派遣薬剤師の福利厚生
派遣薬剤師の福利厚生は、派遣先ではなく派遣元の派遣会社ごとに決まります。
同じ薬局で働いていても、派遣元が異なれば福利厚生の内容も変わります。
福利厚生が整っていない薬局へ派遣される場合でも、派遣元の制度が適用される点は安心材料です。
ここでは、代表的な派遣会社の福利厚生を整理します。
ヤクジョブ(クラシス)が派遣元の場合の福利厚生
健康保険は全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入します。
週20時間以上の勤務、2か月を超える契約期間があるなどの要件を満たすことで加入可能です。
ヤクジョブ(クラシス)では、派遣スタッフの皆さまが心身ともに健やかに安心して働けるよう、独自の充実したサービスを整えています。
最大の特徴は、就業期間に応じてポイントが付与される「K・POINT」です。年間最大20,000円相当のポイントが付与され、利用分を翌月の給与時にキャッシュバックできる大変魅力的な制度です。
また、120万件以上の優待が受けられる会員制割引サービス「ベネフィット・ステーション」も利用可能。旅行・レジャー、グルメ、ショッピング、育児・健康・介護など、幅広い分野の施設を割引価格で利用でき、ご家族の生活も豊かにします。
さらに、薬剤師にとって重要な「薬剤師賠償責任保険」もクラシス負担で加入となるため、万が一の事故への備えも自己負担なしで万全です。
ファルマスタッフが派遣元の場合の福利厚生
健康保険は東京薬業健康保険組合に加入します。
週20時間以上の所定労働時間と、一定期間を超える契約が条件です。
健康保険と厚生年金に加入している場合、提携するスポーツクラブや保養施設を割引価格で利用できます。
全国300以上の提携保養施設があり、余暇の選択肢が広がります。
同じ派遣先で働くなら、福利厚生の内容も比較して派遣元を選ぶ方が安心です。
なお、紹介している派遣会社では、薬剤師賠償責任保険にも派遣会社負担で加入できます。
派遣薬剤師の有給休暇
派遣薬剤師にも法律に基づいた年次有給休暇が付与されます。


派遣薬剤師であっても、正社員と同様に労働基準法に基づく有給休暇の対象です。
- 雇い入れの日から6か月が経過していること
- その期間の全労働日の8割以上出勤していること
この2つの条件を満たせば、勤務日数や時間数に応じた年次有給休暇が付与されます。


フルタイム勤務の場合、入社から半年後に10日、その1年後には11日の有給休暇が付与されます。
ただし、派遣は契約期間が短いケースも多く、実際に取得するのが難しい場合もあります。


フルタイムでなくても、週の所定労働日数に応じて有給休暇は付与されます。
付与日数は派遣先ではなく、派遣元との契約開始日を基準に決まります。
なお、ヤクジョブ(クラシス)の場合、雇用契約が結ばれていない期間が1ヶ月に達すると、勤続年数のカウントや有給休暇がリセットされるため注意が必要です。権利を保持するためには、契約の合間を空けすぎないことが重要です。
派遣薬剤師が妊娠したら産休は取れる?
派遣薬剤師であっても、妊娠した場合は産休を取得できます。


派遣期間中に妊娠したとしても、それを理由に契約を打ち切られることはありません。
産前休業は出産予定日の6週間前から、多胎妊娠の場合は14週間前から取得できます。
出産後は産後休業として、原則8週間は就業できません。
産後6週間を経過し、本人が希望し医師が認めた場合に限り就業が可能になります。
派遣薬剤師は出産育児一時金をもらえる?
社会保険に加入していれば、派遣薬剤師も出産育児一時金の支給対象です。


派遣薬剤師本人が社会保険に加入している場合、1児につき50万円(※2023年4月改定)の出産育児一時金が支給されます。
本人が未加入の場合でも、配偶者の扶養に入っていれば家族出産育児一時金の対象となります。
ヤクジョブでも安心
ヤクジョブ(クラシス)でも産前産後休暇の取得実績があり、休暇を取得して活躍されているスタッフもいます。取得時の詳細については、担当コーディネーターに相談できる体制が整っています。
派遣薬剤師は出産手当金はもらえる?
健康保険に加入していれば、派遣薬剤師も出産手当金を受け取れます。


出産手当金は、産休中の収入減少を補うための制度です。
支給額は、休業開始時賃金日額のおおむね3分の2相当額となります。
派遣薬剤師の育児休業制度(育休)
一定の条件を満たせば、派遣薬剤師でも育児休業の取得が可能です。


- 同一の派遣会社で継続して雇用されていること
- 子が1歳6か月に達するまで契約満了が明らかでないこと
原則として「子が1歳に達するまで」育児休業を取得することができ、保育所に入れないなどの例外条件を満たせば延長も可能です。
ヤクジョブの強み
ヤクジョブ(クラシス)では育児休業だけでなく介護休業制度も整っており、分割しての取得も可能です。ライフステージの変化に合わせて、担当コーディネーターがサポートしてくれます。
育児休業給付金(育休手当)はもらえる?
雇用保険に加入していれば、派遣薬剤師も育児休業給付金の対象です。


育児休業給付金は、育休中に給与が支払われない場合に雇用保険から支給されます。
育休開始から6か月までは67%、それ以降は50%が支給されます。
派遣薬剤師の退職金
派遣薬剤師には原則として退職金制度はありません。


派遣という雇用形態の性質上、退職金が支払われるケースはほとんどありません。
Q&A:派遣薬剤師の福利厚生・働き方の判断軸
Q1:派遣薬剤師は社会保険にきちんと加入できますか?
A:加入できます。ただし「週20時間以上・2か月超の契約」を前提に働く人向けの制度です。
派遣薬剤師でも、条件を満たせば正社員と同様に社会保険へ加入できます。
逆に、短期・単発中心で働きたい人は社会保険に入れないケースもあるため、
安定収入を重視するなら長期契約前提の派遣会社を選ぶべきと言えます。
Q2:派遣薬剤師でも有給休暇は本当に使えますか?
A:使えますが、「同じ派遣会社で継続して働く人」でないと実感しにくい制度です。
法律上、有給休暇は必ず付与されます。
ただし派遣の場合、契約が途切れると権利が消滅することもあります。
そのため、有給をしっかり使いたい人は、契約を継続しやすい派遣会社を選ぶ判断が必要です。
Q3:派遣中に妊娠した場合、産休や育休は取得できますか?
A:取得できますが、「長期で同じ派遣会社と雇用関係を続ける前提」が重要です。
産休は派遣でも問題なく取得できます。
一方で育休は「一定期間の継続雇用」が条件になります。
そのため、将来的に出産・育児を考えている人ほど、短期派遣より長期前提の会社を選ぶべきです。
Q4:出産育児一時金や出産手当金は派遣でももらえますか?
A:もらえます。ただし判断基準は「派遣かどうか」ではなく「社会保険に加入しているか」です。
派遣という理由で不利になることはありません。
社会保険に加入していれば、給付金の対象になります。
つまり、給付金を重視する人は「保険加入条件」を最優先で確認すべきという判断になります。
Q5:福利厚生が充実している派遣会社を選ぶべきですか?
A:制度が多い会社より、「自分が実際に使う制度がある会社」を選ぶべきです。
福利厚生は多ければ良いわけではありません。
レジャー割引・ポイント制度・保険内容など、
自分の生活に直結するものがあるかで判断した方が満足度は高くなります。
Q6:派遣薬剤師は退職金がないと聞きましたが問題ありませんか?
A:問題ありませんが、その分「時給や福利厚生込みで判断する」必要があります。
派遣には原則退職金がありません。
そのため、退職金込みで考えるのではなく、
時給・保険・各種給付を含めたトータル条件で比較するのが正解です。
Q7:結局、どんな人が派遣薬剤師に向いていますか?
A:「働く期間・優先条件が明確な人」ほど派遣という選択肢は合理的です。
- 短期間で高時給を狙いたい
- ライフイベントに合わせて働き方を変えたい
- 正社員に戻る前の選択肢として使いたい
こうした人にとって、派遣は不安定どころか柔軟で有利な働き方になります。
派遣薬剤師は有給休暇・産休・育休の取得は可能?福利厚生は派遣会社で差(まとめ)
派遣薬剤師は、制度があるかどうかではなく、「自分がその条件に当てはまるか」で判断する働き方です。
- 派遣薬剤師でも、有給・産休・育休は条件を満たせば取得可能
- 実際に使えるかどうかは、派遣元と契約の継続性で決まる
- 短期なら時給重視、長期なら福利厚生重視が判断軸になる
つまり、「どんな期間・どんな目的で働きたいか」が決まれば、選ぶべき派遣会社も自然に絞れます。



不安が強いほど、「制度」ではなく「自分の条件」に目を向けると、判断しやすくなります。
派遣という働き方が気になる場合は、まずは条件を比較できる状態を作ってみてください。比較したうえで納得できれば登録し、違えば見送る。その判断ができること自体が、派遣のメリットです。
比較したうえで納得できれば登録、合わなければ見送る。それくらいの距離感で問題ありません。
おすすめの薬剤師派遣会社の比較はこちらからどうぞ
派遣とパートで迷っている方はこちらもご覧ください。







