薬剤師パートの有給休暇・産休・育休・福利厚生【転勤族でも安心】
ppguru

夫が転勤族なので今後が不安なパート薬剤師

夫が転勤族なので、パートの方が働きやすいです。

でもいろんな制度はパートだと使えないんですよね。

産休や育休はパートでも使えますか?

パート薬剤師は有給休暇や産休、育休を取得できるのか。

取得できるとすればその条件はどうなっているのか。

パートとして働く前には知っておきたいことですよね。

pharma

今回はパート薬剤師の有給休暇・産休・育休・福利厚生について徹底解説します。

本記事の内容
 この記事を読むと次のことがわかります。

  • パート薬剤師の有給休暇
  • パート薬剤師が妊娠したら産休は取れる?
  • パート薬剤師は出産育児一時金はもらえる?
  • パート薬剤師は出産手当金はもらえる?
  • パート薬剤師の育児休業制度
  • パート薬剤師は育児休業給付金(育休手当)はもらえる
  • パート薬剤師の退職金
  • パート薬剤師の福利厚生
自己紹介

pharma_di(ファマディー)

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ストーリーズでは内容の濃い情報を発信中≫ ファマディー

全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。

管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト

面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。

私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。

ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。

このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。

≫詳しい自己紹介

結論
正社員でもパートでも福利厚生に大きな差はありません。旦那さんが転勤族であっても薬剤師ならパートで十分稼げます。

パートだって産休はもちろん、条件を満たせば育休だって取得可能です。

あなたもパート薬剤師として働いてみませんか?

≫派遣薬剤師の福利厚生についてはこちら。

パート薬剤師の有給休暇

パート薬剤師の有給休暇(扶養内・扶養外)

パート薬剤師にだって有給休暇が与えられます。


正社員独自のものではありません。年次有給休暇が付与される要件は2つあります。

 年次有給休暇が付与される要件

  • 雇い入れの日から6か月経過していること
  • その期間の全労働日の8割以上出勤したこと

この2つの要件を満たせば、年次有給休暇が付与されます。

常勤の正社員なら、表1の通りの日数が付与されます。

正社員薬剤師の有給休暇付与日数
入社半年後に10日の年次有給休暇が、その1年後には11日が付与されます。(年間の全労働日の8割以上の出勤をした場合)

パート薬剤師の場合も有給休暇が付与されます。週の所定労働日数によって付与される有給休暇の日数が異なります(表2)。


例えば週3日で契約したパート薬剤師は、入社半年後に5日の有給休暇が付与されます(8割以上の出勤が必要)。

有給休暇の付与日数については、どこの薬局で働くかによって変わるものではありませんので、転職先の有給休暇を比較することの意味はありません。

稀に、雇い入れ時に独自に有給休暇を付与する薬局もありますが。

問題は付与された有給休暇が使いやすいかどうか。有給休暇の消化率が極めて低い薬局もありますので気を付けましょう。

パート薬剤師も扶養内パート薬剤師も有給休暇が所定の日数付与されます。

パート薬剤師が妊娠したら産休は取れる?

パート薬剤師の妊娠(扶養内・扶養外)

産休(産前休業と産後休業)は、出産する本人はだれでも取得することが可能です。

期間は産前6週間から、多胎妊娠の場合は産前14週間前から取得可能で、本人の請求が必要です。

パート薬剤師でも扶養内パート薬剤師でも本人が妊娠したら産休の取得が可能です。

よって、転職先の産休制度の有無を比較する必要はありません。

出産した後に取得できるのが産後休業。出産の翌日から8週間は就業できませんが、産後6週間を過ぎたら、本人が請求し、医師が認めた場合は働き始められます。

また、産前・産後休業の期間及びその後30日間の解雇は労働基準法により、禁止されています。

パート薬剤師は出産育児一時金はもらえる?

パート薬剤師の出産育児一時金(扶養内・扶養外)

出産する本人が保険に加入していればその保険に、健康保険や国民健康保険に加入していない場合は夫側の健康保険等に請求すれば、家族出産育児一時金として出産育児一時金と同じ金額が支給されます。

子どもが生まれたときは出産育児一時金が受けられます。

出産育児一時金は、被保険者及びその被扶養者が出産された時に協会けんぽヘ申請されると1児につき42万円が支給されます。(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は40.8万円(令和3年12月31日以前の出産は40.4万円)となります。)
※多胎児を出産したときは、胎児数分だけ支給されます。

健康保険に加入しているパート薬剤師は出産一時金として、扶養内パート薬剤師は夫の保険から家族出産一時金として同額(42万円)が支給されます。

パート薬剤師は出産手当金はもらえる?

パート薬剤師の出産手当金(扶養内・扶養外)

出産手当金とは、産休中に収入が減る分を補填する目的の制度。

職場の健康保険に加入している本人に対し、賃金のおおむね3分の2相当額が支給されます。

職場の健康保険に加入しているパート薬剤師は出産手当金をもらうことができます。

但し、職場の健康保険に未加入の扶養内パートの薬剤師は出産手当金をもらうことはできません。

被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。出産日は出産の日以前の期間に含まれます。また、出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。

パート薬剤師の育児休業制度

パート薬剤師の育休(扶養外・扶養内)

育児休業制度を取得するには一定の条件があります。

 育児休業制度を取得することができる条件

  • 同一の事業主に1年以上雇用されていること。(令和4年4月1日で廃止)
  • 子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

さらに、労使協定で定められている場合、以下の条件に当てはまると取得できないことがあります。

  • 同一の事業主に1年以上雇用されていること。(令和4年4月1日から)
  • 育児休業申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

週に3日以上、継続して1年以上勤務しているパート薬剤師は育休の取得は可能という事です。

条件を満たしていれば、パートでも扶養内パートでも育休の取得は可能です。

ちなみに、育休取得可能期間は、産後から子どもが1歳になるまでですが、保育園に入れない等の理由があれば、2歳まで延長することができます。

とはいえ、育休取得に嫌な顔をしてくる薬局もあるのが現状です。

個人薬局にそういう傾向が多いです。

「パート薬剤師には育休制度はない」
「そんな前例は無いので育休の取得は無理」

事前にそれとなく聞いておくと後からのトラブルは避けられそうです。

育休を取得して復帰したパート薬剤師の前例がある薬局で働くべきでしょう。

育児休業給付金(育休手当)はもらえる

パート薬剤師の育児休業給付金(扶養内・扶養外)

育児休業給付金とは、雇用保険に加入している労働者が育児休業中に給与が一定以上支払われなくなった場合、雇用保険から給付される給付金のこと。

育児休業終了後の職場復帰を前提とした給付金ですから、育児休業の当初からすでに退職を予定している場合には育児休業給付の支給対象とはなりません。

育児休業給付額は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%(ただし、育児休業の開始から6か月経過後は50%)で計算されます。

雇用保険に加入していればパートも扶養内パートも育児休業給付金の支給対象です。

雇用保険に未加入のパート薬剤師には育児休業給付金は支給されませんのでご注意ください。

≫パート薬剤師の育児短時間勤務制度についてはこちらをご覧ください。

パート薬剤師の退職金

パート薬剤師の退職金(扶養内・扶養外)

パート薬剤師の退職金はほとんど期待できません。

寸志が出ることもありますが、基本的には無いものと考えておきましょう。

パート薬剤師の福利厚生

福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生があります。

 法定福利厚生の例
健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険、労災保険などの社会保険料の一部または全部を会社が負担しています。

 法定外福利厚生の例
住宅手当(家賃補助)、通勤手当、家族手当、健康診断補助などが挙げられます。このほかにも慶弔祝い金の支給、忘年会・新年会の費用補助など企業によっていろいろです。

基本的には正社員もパート社員も受けられる福利厚生はほぼ同じですが、企業独自で定めている法定外福利厚生については、正社員とパートで利用可能範囲が異なっていることもありますので注意が必要です。

これから妊娠や出産、育児を控えているならこういった制度も確認をしてから勤務を始めましょう。

制度の利用には、入社後一定期間が必要なものもありますので、転職のタイミングも大切です。

損をしないよう十分確認をしてから転職活動をしていきましょう。
まとめ

  1. 基本的にパート薬剤師も正社員薬剤師も使える制度に差は無い
  2. 扶養内パートだと出産手当金がもらえない
  3. 雇用保険に未加入だと育児休業給付金は支給されない
  4. この2点さえ気を付ければ薬剤師パートは最強

以下のような薬剤師転職サイトを活用すべきは、パート薬剤師で働きたいと考えているあなたです。

こういった制度利用や転職のタイミングについても相談が可能です。

職場環境や時給はもちろん、制度の利用しやすさや前例となる女性薬剤師の有無も知りたいところですよね。

ですが、薬剤師転職サイトを活用すれば、そういった知りたいこともあなたに代わってすべて調査してくれます。

有給休暇の取得率をあなたの代わりに聞いてもらいましょう。

産休・育休から復帰したパート薬剤師はいるか、育児に対するサポートがあるかどうかも確認してもらいましょう。

パート薬剤師が転職先で比較すべきは職場環境と時給です。

入社後の時給アップは期待できませんから、入社前が肝心です。

自分で時給の交渉しますか?それともプロに頼みますか?



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