パワハラを受けていると感じている薬剤師
調剤ミスをしてしまいました。管理薬剤師からはもちろん怒られました。私のミスですから仕方ないのですが、他のスタッフがいる前で長時間怒鳴らなくてもよいと思うのです。
その後も何かと私だけ強く注意されます。これってパワハラですよね・・・?
ミスをするのはいけませんが、繰り返しあなたにだけ強く注意してくるのはパワハラに該当するでしょう。
しかも他のスタッフがいる前での長時間の叱責は、パワハラ確定です。
このような状況では、ミスをしてはいけないというプレッシャーが逆効果になってしまい、さらなるミスを誘発してしまいそうであなたが心配です。
薬局で起こりやすいパワハラの実例と、パワハラを受けた時の対処法について解説していきます。
本記事の内容
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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。
管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト】
面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。
私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。
ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。
このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。
パワハラをしてくる相手への対処法はあります。すぐにしかるべき部署へ報告しましょう。でもそんな薬局で頑張り続ける意味ってあるのでしょうか。
パワハラのない働きやすい職場はたくさんあります。
これってパワハラ?パワーハラスメントの定義とは
以下の1~3の要素をすべて満たすものを職場のパワーハラスメントと呼ぶと定義されています。
- 優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
- 職務上の地位が上位の者による行為
- 同僚又は部下による行為で、当該行為を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
- 同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの
- 業務の適正な範囲を超えて行われること
- 業務上明らかに必要性のない行為
- 業務の目的を大きく逸脱した行為
- 業務を遂行するための手段として不適当な行為
- 当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える行為
- 身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
- 暴力により傷害を負わせる行為
- 著しい暴言を吐く等により、人格を否定する行為
- 何度も大声で怒鳴る、厳しい叱責を執拗に繰り返す等により、恐怖を感じさせる行為
- 長期にわたる無視や能力に見合わない仕事の付与等により、就業意欲を低下させる行為
特に新入社員や事務さんは弱い立場に置かれがちなので定義を満たしやすいです。
たとえあなたの調剤ミスがきっかけであったとしても、この3つの要件をすべて満たせばそれはもうパワハラです。
さらに、「パワーハラスメントに当たりうる行為」として挙げられた6つの行為類型というものがあります。
以下のようなことをされているのであればこれは確実にパワハラと言えます。
薬局で起こるパワハラの実例
【身体的な攻撃】:上司が部下に対して、殴打、足蹴りをする。
例)管理薬剤師が殴ってくる、先輩がカゴや薬を投げつけてくる。
【精神的な攻撃】:上司が部下に対して、人格を否定するような発言をする
例)管理薬剤師から「馬鹿」「ふざけるな」「役立たず」「給料泥棒」「死ね」等暴言を吐かれた。大勢の前で叱責された。
例)先輩薬剤師から、「仕事ができない」「大学で何を学んできたの?」などと繰り返し言われる。
【人間関係からの切り離し】:自身の意に沿わない社員に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする
例)自分だけ会議や打ち合わせに参加させてもらえない。自分だけ情報を教えてくれない。無視される。
【過大な要求】:上司が部下に対して、長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる
例)十分な指導を受けることなく、過去に経験のない業務をいきなりやらされた。絶対に終わらない量の仕事を今日中にやれと言われる。
【過小な要求】:上司が管理職である部下を退職させるため、誰でも遂行可能な受付業務を行わせる
例)「あなたは○○だけやっていれば良いです。薬には触らないでください。」と言われた。薬剤師なのに調剤や投薬をさせてもらえない。
【個の侵害】:思想・信条を理由とし、集団で同僚1人に対して、職場内外で継続的に監視したり、他の従業員に接触しないよう働きかけたり、私物の写真撮影をしたりする
例)パートナーや配偶者との関係など、プライベートを詮索された。
ここでは上司と記載してありますが、上司の管理薬剤師からだけではなく、先輩薬剤師や先輩事務員からの行為もパワハラに該当します。
また、部下や後輩薬剤師からの同様の行為もパワハラに該当します。
パワハラに該当しない例
- 業務上関係のない単に同じ企業の同僚間の喧嘩(1、2に該当しないため)
- 遅刻や服装の乱れなど社会的ルールやマナーを欠いた言動・行動が見られ、再三注意してもそれが改善されない部下に対して上司が強く注意をする(2、3に該当しないため)
- 新入社員を育成するために短期間集中的に個室で研修等の教育を実施する(2に該当しないため)
- 社員を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる(2に該当しないため)
- 経営上の理由により、一時的に、能力に見合わない簡易な業務に就かせる(2に該当しないため)
- 社員への配慮を目的として、社員の家族の状況等についてヒアリングを行う(2、3に該当しないため)
このような場合はパワハラの3つの要素にすべて該当するわけではありませんので、パワハラとは認められません。
パワハラを受けたと感じたらやるべきこと
薬局は少人数かつ、ある程度固定されたメンバーで毎日働くので、どうしても人間関係が濃くなってしまいます。
人間関係が良い時には大きな力になりますが、人間関係が悪いと仕事に悪影響が出ます。
少人数で固定されたメンバーで働くという環境ではパワハラが起きやすく、薬局の薬剤師にとっては特に注意すべき環境です。
薬局の薬剤師が人間関係を理由に転職することが多いのはそのためです。
薬局の人間関係に悩んでいて転職をしようか迷っている薬剤師必見!この記事では薬剤師が人間関係を理由に転職をしても問題ない事と転職の注意点を解説しています。実は人間関係を理由に転職する薬剤師が最も多いです。この記事を読めばあなたは薬局の人間関係で悩むことはなくなります。
薬を間違えてはいけないという大きなプレッシャーが常に薬剤師にはかかっています。そういった精神状態の悪さもパワハラが発生しやすい原因の一つと言えるでしょう。
すでにパワハラを受けていると感じているなら
そんな職場で頑張る必要なんてありません。
悪いのはあなたではありません。パワハラをしてくるやつです。
パワハラを受けていると思ったら、あなたがやるべきことは次の通りです。もしかしたらパワハラじゃないかもと思っても報告して大丈夫です。
受ける側が感じたらそれはパワハラです。
パワハラを受けていると思ったらあなたがやるべきこと
上司へパワハラを報告する
パワハラの相手が上司以外(先輩薬剤師、後輩薬剤師、事務)の場合は、上司(管理薬剤師)に訴えましょう。
誰から、いつから、どのようなことを、どのくらいの頻度でされているのかをできるだけ具体的に報告します。
録音された音声データのような動かぬ証拠があるのが理想ですが、録音が難しければパワハラをされた日時と内容の記録を取っておきましょう。
上司の上司へパワハラを報告する
パワハラの相手が上司(管理薬剤師)であった場合には、その上の上司へ報告しましょう。
報告の方法は、上司へパワハラを報告するで書いた内容と同じで大丈夫です。
人事部へパワハラを報告する
上司や上司の上司へパワハラの報告をしたにもかかわらず、改善の動きがみられない場合には本社人事部に報告しましょう。
普通の組織であれば第三者が介入して、パワハラ対策に乗り出してくれるはずです。
社内の通報窓口へパワハラを報告する
あなたが勤めている会社に社内通報窓口や相談窓口はありませんか?そこへ連絡をしましょう。
専門部署への通報なら、あなたの安全は保障されるはずです。
但し、パワハラしてきた相手を辞めさせることは極めて難しいことは知っておきましょう。
パワハラの報告が専門部署に入ると、まずはパワハラをした相手に指導が入ります。会社からの指導でも改善しない場合は、異動で両者を離して様子を見るという策が取られるでしょう。
異動の場合は、業務の都合でどちらが残るかが決められます。たとえあなたが悪くなくても、安全のためにあなたが異動となってしまう可能性もあります。
報告したにもかかわらず何も対策が取られない薬局は、組織として異常そのもの。
いざというときに従業員を守ってくれないような組織からは、すぐに逃げるべきです。
もみ消してくるなんてもってのほか。今後何かあっても、会社はあなたを守ってくれないのは明らかです。
特に、上司=社長という個人薬局や小規模チェーン薬局では、パワハラを訴えても改善される見込みはほぼゼロと心得ておきましょう。
自らの安全を守るためにも、今すぐに転職すべきです。
誰に何を言っても全く改善されない。そもそもパワハラの報告すらしたくない。あなたがここまで悩んでいるなら、そっと辞めても大丈夫。
退職代行サービスを利用すれば、費用はかかってしまいますが上司や会社と話をすることなく簡単に辞めることができます。
おすすめ退職代行サービス
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パワハラがない薬局の探し方
パワハラのない薬局の特徴を知っておけば、同じ被害に遭わずに済みますね。
パワーハラスメントが起こりにくい薬局の特徴
- スタッフ間のコミュニケーションが多い
- スタッフの人数が多い大型薬局
- 働きやすい環境づくりが行われている
- 労働環境がよい(長時間労働が無く、休みもしっかりとれている)
- 会社としてパワハラの研修を行っている
- 社内に相談部署・通報窓口が設置されている
≫パワハラが起こりにくい薬局を見つけるために重要なのは薬局見学。
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薬剤師のためのパワハラ対処法Q&A
Q1: 薬剤師がパワハラと感じる行為にはどのようなものがありますか?
A1: パワハラと感じる行為には、他のスタッフの前で長時間怒鳴られる、繰り返し強く注意されるなどがあります。
Q2: パワハラの定義は何ですか?
A2: 優越的な関係に基づいて行われ、業務の適正な範囲を超え、身体的・精神的な苦痛を与える行為がパワハラと定義されます。
Q3: パワハラを受けた際の対処法は何ですか?
A3: パワハラを受けた際は、上司や上司の上司、人事部、社内通報窓口に報告することが重要です。
Q4: パワハラを受けた時に注意すべき点は何ですか?
A4: 記録を残すことが重要です。具体的な日時や内容を記録し、場合によっては録音も検討しましょう。
Q5: パワハラのない職場を見つけるにはどうすればよいですか?
A5: 転職活動を通じてパワハラのない職場を探しましょう。当サイトでオススメしている薬剤師転職サイトはマイナビ薬剤師とファルマスタッフです。
【薬剤師のためのパワハラ対処法】そんな薬局で頑張る意味はありますか?(まとめ)
【薬剤師のためのパワハラ対処法】そんな薬局で頑張る意味はありますか?まとめ
- パワハラであると感じたらまずは上司またはその上の上司に報告する
- パワハラをしてくる相手が全面的に悪い
- パワハラがある職場で働き続ける意味はない
- 人間関係の良い職場はたくさんある
パワハラなんて無くて当然。あることが異常です。もしあなたがパワハラで悩んでいるなら今すぐそんな職場からは離れましょう。
パワハラに耐えてまで今の職場で頑張る意味はありません。
パワハラなんてあり得ない!素敵な薬剤師に囲まれた薬局を紹介してもらうなら
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新人のうちに転職しても全く問題ありません。むしろ早い方が良いくらいです。
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