薬剤師のためのパワハラ対処法│そんな薬局で頑張る意味はありますか?
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パワハラを受けていると感じている薬剤師

この前調剤ミスをしてしまいました。管理薬剤師からはもちろん怒られました。そのあとも何かと私にだけ強く注意されます。
これってパワハラですよね?

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このような薬剤師の疑問に答えていきます。

 本記事の内容
 この記事を読むと次のことがわかります。

  • これってパワハラ?パワーハラスメントの定義
  • パワハラを受けたらどうすればよいか
  • パワハラのない職場の探し方
自己紹介

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私は転職経験2回の大手チェーン調剤薬局の管理薬剤師です。
1回目は転職大失敗。2回目の転職活動では薬剤師転職サイトのコンサルタントの方に大変お世話になりました。そのおかげで転職に成功し、転職1年目の年収は600万円超。現在の年収は880万円です。⇒薬剤師になってからの年収推移公開

薬剤師や薬局事務の採用活動にも携わっています。自らの体験談を基にしてこの記事を書いています。

結論:パワハラをしてくる相手への対処法はあります。でもそんな薬局で頑張り続ける意味って・・・もっと普通に働きやすい職場はたくさんあります。

これってパワハラ?パワーハラスメントの定義とは

以下の1~3の要素をすべて満たすものを職場のパワーハラスメントと呼ぶと定義されています。

  1. 優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
  2. ・職務上の地位が上位の者による行為
    ・同僚又は部下による行為で、当該行為を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
    ・同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの

  3. 業務の適正な範囲を超えて行われること
  4. ・業務上明らかに必要性のない行為
    ・業務の目的を大きく逸脱した行為
    ・業務を遂行するための手段として不適当な行為
    ・当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える行為

  5. 身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
  6. ・暴力により傷害を負わせる行為
    ・著しい暴言を吐く等により、人格を否定する行為
    ・何度も大声で怒鳴る、厳しい叱責を執拗に繰り返す等により、恐怖を感じさせる行為
    ・長期にわたる無視や能力に見合わない仕事の付与等により、就業意欲を低下させる行為

たとえあなたの調剤ミスがきっかけであったとしても、この3つの要件をすべて満たせばそれはもうパワハラです。

さらに、「パワーハラスメントに当たりうる行為」として挙げられた6つの行為類型というものがあります。
以下のようなことをされているのであればこれは確実にパワハラと言えます。

【身体的な攻撃】:上司が部下に対して、殴打、足蹴りをする。
例)管理薬剤師が殴ってくる

【精神的な攻撃】:上司が部下に対して、人格を否定するような発言をする
例)管理薬剤師から「馬鹿」「ふざけるな」「役立たず」「給料泥棒」「死ね」等暴言を吐かれた。大勢の前で叱責された。

【人間関係からの切り離し】:自身の意に沿わない社員に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする
例)自分だけ会議や打ち合わせに参加させてもらえない。

【過大な要求】:上司が部下に対して、長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる
例)十分な指導を受けることなく、過去に経験のない業務をいきなりやらされた。

【過小な要求】:上司が管理職である部下を退職させるため、誰でも遂行可能な受付業務を行わせる
例)「あなたは○○だけやっていれば良いです。薬には触らないでください。」と言われた。

【個の侵害】:思想・信条を理由とし、集団で同僚1人に対して、職場内外で継続的に監視したり、他の従業員に接触しないよう働きかけたり、私物の写真撮影をしたりする
例)パートナーや配偶者との関係など、プライベートを詮索された。

参考:パワーハラスメントの定義について(厚生労働省)

ここでは上司と記載してありますが、上司の管理薬剤師からだけではなく、先輩薬剤師や先輩事務員からの行為もパワハラに該当します。また、部下や後輩薬剤師からの同様の行為もパワハラに該当します。

 パワハラに該当しない例
・業務上関係のない単に同じ企業の同僚間の喧嘩(1、2に該当しないため)
・遅刻や服装の乱れなど社会的ルールやマナーを欠いた言動・行動が見られ、再三注意してもそれが改善されない部下に対して上司が強く注意をする(2、3に該当しないため)
・新入社員を育成するために短期間集中的に個室で研修等の教育を実施する(2に該当しないため)
・社員を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる(2に該当しないため)
・経営上の理由により、一時的に、能力に見合わない簡易な業務に就かせる(2に該当しないため)
・社員への配慮を目的として、社員の家族の状況等についてヒアリングを行う(2、3に該当しないため)

このような場合はパワハラの3つの要素にすべて該当するわけではありませんので、パワハラとは認められません。

パワハラを受けたと感じたらやるべきこと

薬局は少人数である程度固定されたメンバーで働くため、どうしても人間関係が強くなりやすい環境です。

人間関係がうまくいっているときは大きなプラスの力になりますが、人間関係が悪化すると途端に仕事への影響が。

少人数で固定されたメンバーで働くという環境ではパワハラが起きやすく、薬局の薬剤師にとっては特に注意すべきです。


薬局の薬剤師が人間関係を理由に転職することが多いのはそのためです。

さらに、薬を間違えてはいけないという大きなプレッシャーが常に薬剤師にはかかっています。そういった精神状態の悪さもパワハラが発生する原因の一つと言えるでしょう。

 すでにパワハラを受けているなら
そんな職場で頑張る必要なんてありません。悪いのはあなたではなくてパワハラをしてくる相手。

パワハラを受けたと思ったらやるべきことは次の通りです。

  • 上司へパワハラを報告する
  • 上司の上司へパワハラを報告する
  • 人事部へパワハラを報告する
  • 社内の相談部署にパワハラを報告する

上司へパワハラを報告する

パワハラの相手が上司以外(先輩薬剤師、後輩薬剤師、事務)の場合は、上司(管理薬剤師)に訴えましょう。

誰から、いつから、どのようなことを、どのくらいの頻度でされているのかを報告します。録音された音声データのような動かぬ証拠があるのが理想ですが、録音が難しければパワハラをされた日時と内容の記録があれば大丈夫です。

上司の上司へパワハラを報告する

パワハラの相手が上司(管理薬剤師)であった場合は、その上司へ報告しましょう。

報告の仕方は上で書いた内容と同じで大丈夫です。

人事部や社内の通報窓口へパワハラを報告する

上司や上司の上司へパワハラの報告をしたにもかかわらず、改善の動きがみられない場合は本社人事部や社内の通報窓口に報告しましょう。

普通の組織であれば第三者が介入して対策に乗り出してくれるはず。

ただパワハラしてきた相手を辞めさせることは極めて難しいことは知っておきましょう。まずは相手に指導が入ります。それでも改善しない場合は、異動で様子を見るという事が現実的です。異動の場合は、業務の都合でどちらが残るかが決められます。あなたが悪くなくても安全配慮目的で離すために異動となる可能性もあります。

逆に、報告したにもかかわらず何も対策が取られない薬局は組織としては異常そのもの

いざというときに従業員を守ってくれないような異常な組織からはすぐに逃げるべき今後何かあった時でも守ってくれないのは明らかです。

上司=社長という個人薬局や小規模チェーン薬局によくあるタイプでは、パワハラを訴えても改善される見込みはほぼゼロに等しいと心得ておきましょう。

自らの安全を守るためにも転職すべきです。

パワハラのない薬局の探し方

パワハラのない薬局の特徴を知っておけば同じ被害に遭わずに済みますね。

 パワーハラスメントが起こりにくい薬局の特徴

  • スタッフ間のコミュニケーションが多い
  • スタッフの人数が多い大型薬局
  • 働きやすい環境づくりが行われている
  • 労働環境がよい(長時間労働が無く、休みもしっかりとれている)
  • 会社としてパワハラの研修を行っている
  • 社内に相談部署・通報窓口が設置されている

パワハラが起こりにくい薬局を見つけるには何といっても薬局見学。

転職サイトのエージェントから情報をもらうという方法もあります。