初めての管理薬剤師向け、失敗しない薬局運営のコツ7選
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管理薬剤師になることが決まった薬剤師

ついに管理薬剤師になることが決まりました。

私なんかにできるでしょうか。

不安でいっぱいなのですが、何をしたらよいのでしょうか。

  • 管理薬剤師になるけど何から始めたらよいのかわからない
  • 初めてのことばかりでよくわからない
  • 前任の管理薬剤師が急に辞めてしまったので引き継ぎが無かった
  • 初めての管理薬剤師で緊張している
  • クレームが来たらどうしよう・・・
  • 調剤過誤は起きたらどうすればよいのだろう・・・
  • クリニックの先生との面会は緊張する・・・

あなたもこのようなことで悩んでいませんか?

実は、初めて管理薬剤師になる方に有効な心構えとコツがあります。

pharma

今回は初めて管理薬剤師になった方向けに心構えと『コツ』を紹介します。

知っておくとこれからの薬局運営に必ず役に立つはずです。

本記事の内容
この記事を読むと次のことがわかります。

自己紹介

pharma_di(ファマディー)

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ストーリーズでは内容の濃い情報を発信中≫ ファマディー

全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。

管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト

面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。

私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。

ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。

このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。

≫詳しい自己紹介

結論
やるべきことをしっかりやっていれば、全責任を負わされるようなことはまずありません。それほど心配しなくて大丈夫。

但し、会社ぐるみの不正に関与することと調剤事故には十分気を付けましょう。あとは自分の健康を第一に。

無理な時は1人で抱え込まず、「無理ですっ」と早めに上に伝えましょう。

初めて管理薬剤師になったら知っておくべきこと

初めて管理薬剤師になったら知っておくべきこと
初めて管理薬剤師になったら知っておくべきこと

  • 管理薬剤師の責任は重い
  • 管理薬剤師に全責任が負わされることは基本的には無い
  • 管理薬剤師の仕事内容
  • 管理薬剤師の仕事には無駄なものもある
  • 管理薬剤師になってもスタッフが言う事を聞いてくれるわけでは無い

管理薬剤師の責任は重い

管理薬剤師は薬機法上の責任者です。薬機法上、責任があるのは薬局開設者と管理薬剤師です。

何か問題があった時に処罰の対象となるのは薬局開設者と管理薬剤師ということを良く知っておきましょう。

管理薬剤師が処罰される例

  • 管理が必要な麻薬や向精神薬の横領、横流し
  • 処方せん医薬品を処方せん無しで販売する行為
  • 虚偽の報告による不正請求

不正は絶対にいけません。上からの指示で処方せんを付け替えることもダメです。処罰されるのは管理薬剤師です。

上司から不正を強要されたら薬局開設者に報告しましょう。

≫薬局で不正を見つけたら

管理薬剤師が全責任を負わされることは基本的には無い

ちゃんとやっていれば全責任を負わされることは基本的にはありません。
管理薬剤師になると薬局の全責任を負わなければと心配になる人が多いです。

自らが社長だと話は違いますが、基本的にやるべきことをしっかりとやっていれば全責任を負わされることはありません。

やるべきことをしっかりやっていなくて何か調剤過誤が起きた場合には責任がかかってきますが、薬剤師免許がはく奪されたり自分で罰金を払ったりという事はありません。

但し、不正は別です。

不正の関与度合いにもよりますが、管理薬剤師が処罰されることもありますので絶対に避けましょう。

やるべきことをしっかりとやっていたにもかかわらず起きてしまった問題については会社でしっかり守ってくれるはず。

そこを守ってくれないような会社だったら即刻転職を考えたほうが良いでしょう。

あなたの身が危険にさらされているようなものです。

管理薬剤師の仕事内容

管理薬剤師は調剤や鑑査、投薬をしているだけではだめです。

その他に重要な仕事がたくさんあります。

管理薬剤師の仕事内容については別記事にまとめました。

≫管理薬剤師の仕事内容

管理薬剤師の仕事には無駄なものもある

優先順位の低い仕事はやらない

管理薬剤師になると仕事の絶対量が増えます。優先順位をつけて重要なものから片づけていきましょう。

仕事の優先順位のつけ方

仕事の優先順位のつけ方

  1. やるべき仕事を全てリストアップする
  2. リストアップした内容を4つに分類する
    『①重要かつ緊急
    『②重要だが緊急でないもの緊急だが重要ではないもの
    『③緊急だが重要ではないもの
    『④緊急でも重要でもないもの

1.まずは頭の中にある、やるべきことをすべて紙に書き出しましょう。どんな小さな仕事でもすべてもれなくです。

全て書き出すことができたら全てに優先順位をつけていきます。

2.リストアップされた仕事を、重要性と緊急性が高いか低いかで4つに分類して優先順位をつけます。
①最優先とすべきは、重要かつ緊急なもの

ここに属する仕事は今すぐにやるべきことです。後回しにしてはいけません。

②次に優先すべきは、重要だけど緊急ではないもの

ここに属する仕事は管理者にとって重要な仕事です。今すぐにとりかからないとしても、予定を立てて計画的に進めましょう。

大切なことではあるが今すぐにやらなくてもよいものはここに入ります。

この仕事に取り組む時間を増やすようにしていくことが大切です。

自己投資の時間はここに当てはまります。

③その次に優先するのは、緊急だが重要ではないもの

緊急性があるので、すぐに手を付けなければなりませんが、自分がやるほどの重要性はない仕事です。

ここは他の人にお願いしましょう。

忙しいが口癖な人は、ここに分類される仕事に時間をかけすぎている傾向があります。

ここに分類される仕事をしている時間をなるべく減らしましょう。

④優先度が最も低いのは、重要でも緊急でもないもの

ここに分類される仕事をやる必要はありません。すぐに止めるか減らすかをしましょう。

①重要かつ緊急なもの
②重要ではないが緊急なもの
③重要だが緊急ではないもの
④重要でも緊急でもないもの

一度リストアップしても、仕事は次から次へと舞い込んできます。

厚生局や保健所への提出物は①
研修の申し込みなどは②
薬の配置換えは③

このように、上から来た仕事がどこに当てはまるのか即座に分類し、①から片づけていきましょう。

そうやっていかないと、重要で緊急なものをやらずに大問題が起きてしまいます。

本社からの指示のうち、④重要でも緊急でもないものに分類されるようなものがかなりの確率で来ます。

そんな時は『やっているふりをしてやらない』という技術も持っておきましょう。

注意
これは高度なテクニックです。
スタッフとの信頼関係が無いとできません。
スタッフ全員が本社からの指示をやらないといけないと理解した上で、無理にやらなくても良いという指示を出さなければなりません。
上司に告げ口でもされたら即終了です。

上から下りてきた仕事を全部やっていたらパンクしますし、①~③に手が回らず結果的に問題になることが多々あります。

優先順位をつけて仕事をしていきましょう。

管理薬剤師になったからと言ってみんなが言う事を聞いてくれるわけでは無い


新任管理薬剤師あるあるです。

  • 管理薬剤師になっても自分に質問が来ない
  • 相談されない
  • 他の人が勝手に物事を決めてしまう

こういった相談や悩みが寄せられます。

まず、前提として、『管理薬剤師が言う事をみんなが聞いてくれるわけではない』ということを理解しておきましょう。

もちろん、しっかり指示通りに動いてくれる人もいますが、全員がそうではないということです。

言う事を聞いてくれなくて当然という認識で仕事を進めましょう。

部下をコントロールしようとするのはやめましょう。

自分の所に質問が来るような仕組みを作ることが大切です。

あなたより年上の部下がいるかもしれません。

薬剤師歴の長い部下もいるでしょう。

そんな人達をコントロールすることは不可能です。

【新任管理薬剤師向け】うまくいく薬局運営のコツ

【新任管理薬剤師向け】うまくいく薬局運営のコツ

薬局運営をうまくやっていくにはコツがあります。

【新任管理薬剤師向け】うまく行く管理薬剤師の仕事のコツ7選

  • スタッフとの信頼関係を構築する
  • 薬局内の人間関係を良くすることに注力する
  • 困ったことは早めに相談する
  • 前管理薬剤師の路線を踏襲しつつ徐々に自分の色を出るしていく
  • 自分の上司に部下を売り込む
  • 薬局会議は手短かつ良い話を多めに
  • 門前医療機関に定期的に訪問する

スタッフとの信頼関係を構築する


管理薬剤師になったらまずはスタッフと信頼関係を構築することに重点的に取り組みましょう。

スタッフ一人一人どう考えているのか、どういった仕事ぶりなのかをよく観察します。

そして、良い点を積極的に褒めましょう。

自然に動いてくれるように仕向けます。

時間はかかりますが、効果は絶大です。

是非やってみてください。

薬局内の人間関係を良くすることに注力する

薬局の人間関係に注意していないと崩壊するのはあっという間です。

人間関係悪化の芽をみつけたら早めに摘み取っておきましょう。

詳しくは別の記事にまとめてありますので参考にしてください。

≫薬剤師ができる薬局の人間関係を良くする方法

管理薬剤師になったからにはお局様にも強気でいかなくてはなりません。

勇気をもってお局様の力を弱めていきましょう。

薬局のお局様対処法

困ったことは早めに相談する

管理薬剤師になりたての時にはわからないことや不安なことがいろいろと出てくると思います。

上司でも他店の管理薬剤師でも良いので困ったことがあったら早めに相談しましょう。

問題を抱えたまま放置しておくと問題が大きくなってしまい対処が難しくなることがあります。

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迷ったら即相談で大丈夫です。

≫管理薬剤師の悩み・不満・ストレス

前管理薬剤師の路線を踏襲しつつ徐々に自分の色を出していく

新任の管理薬剤師が良く失敗する典型的な例は、一度に変えてしまうこと。

薬局内の流れや配置などをスタッフに相談もせずに勝手に、しかも一気に変えてしまうと反発をくらいます。

まずは前任の管理薬剤師の路線を踏襲しつつ、徐々にあなたの色を出していきましょう。

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スタッフと相談しながら少しずつ理想の薬局を作り上げて行ってください。

自分の上司に部下を売り込む

管理薬剤師の評価は数字だけではなく、薬局独自の取り組み。うまく行った点を横展開しましょう。
管理薬剤師になったら自分を評価する人はそばにいないことの方が多くなります。

管理薬剤師はどうやって評価されるのでしょうか。

受付処方せん枚数や利益といった数字での評価に加え、薬局独自の取り組みで良い成果を出した場合に評価されます。

そのためにも、薬局内でうまく行っている取り組みを上司に売り込みましょう。

特に頑張ってくれたスタッフの名前も添えておくとそのスタッフの評価も上がって一石二鳥です。

会議は手短にかつ良い話を多めにする

会議は手短にかつ良い話を多めに
会社によって違うかもしれませんが定期的に薬局内で会議をすることになると思います。

業務連絡をするだけの会議やダメ出し会議はやめましょう。

ハッキリ言って時間の無駄です。

特にやめるべきなのはダメ出し会議

これをやるとお通夜みたいになってしまいます。

✅スタッフが嫌な気持ちになる
✅スタッフが萎縮してしまう
✅スタッフのモチベーションが下がる

メリットは1つもありません。

薬局の会議は手短に。

そして、うまく行っている点にフォーカスする会議にしましょう。

そうすればスタッフの気持ちやモチベーションが高まります。

良いアイディアが出てくるかもしれません。

これをやってみてうまく行ったら他薬局へ横展開する。

これであなたの評価はうなぎ上りですね。

門前医療機関に定期的に訪問する

薬局の中のことが軌道に乗ったら次は外交です。門前医療機関の先生とは定期的に情報交換をしましょう。

具体的な方法は別記事にまとめました。

≫門前医療機関の医師との関係性を良くする方法

【初めて管理薬剤師になったら】うまく行く薬局運営のコツ7選(まとめ)

【初めて管理薬剤師になったら】うまく行く薬局運営のコツ7選(まとめ)

うまく行く薬局運営のコツ7選

  • スタッフとの信頼関係を構築する
  • 薬局内の人間関係を良くすることに注力する
  • 困ったことは早めに相談する
  • 前管理薬剤師の路線を踏襲しつつ徐々に自分の色を出るしていく
  • 自分の上司に部下を売り込む
  • 薬局会議は手短かつ良い話を多めに
  • 門前医療機関に定期的に訪問する

この点を気を付けながら、無駄な仕事は少しずつ減らしていきましょう。

もう無理という時は1人で抱え込まず、早めに上に伝えましょう。我慢や無理は禁物です。

また、会社から不正に加担するような指示には断固拒否の姿勢を貫いてください。責任を負わさせるのは管理薬剤師です。

万一このような指示が出たら文書で薬局開設者に意見してください。これは管理薬剤師の責務です。

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管理薬剤師業務は大変なことも多いですがやりがいのある仕事。

せっかく管理薬剤師になったのですから良い薬局にしていってください。応援しています!