
「うちの薬局には“お局様”がいて、新人や事務さんをいじめては辞めさせてしまう…。薬局長も手を焼いているけれど、誰もどうにもできない。この空気、何とかならないのかな…」
こうした悩みは決して珍しくありません。職場の雰囲気を支配し、人の入れ替わりを早める存在――それがお局様です。しかも本人は職場歴が長く、現場知識もあるため、上司でさえ扱いに困ることがあります。
意外なことに、お局様は最初からそうだったわけではありません。多くの場合、長期在籍による業務依存と、上司のマネジメント不足が重なり、少しずつ「お局化」していきます。つまり、環境が彼女(または彼)を作り出してしまうのです。
背景には、特定の人物にしかできない仕事が固定化される「属人化」や、独自ルールが暗黙のうちに正当化される現象があります。その結果、管理薬剤師よりも強い影響力を持つこともあります。
この記事では、お局様が生まれる理由、特徴と弱点、日常的な対処法、さらに管理者向けの「お局様を作らない方法」までを実体験と共に解説します。最後には、お局様をうまく無力化した実例と、もし攻撃の矛先が自分に向いたときの具体的な動き方もお伝えします。



管理薬剤師歴25年、採用100名以上・面接500人超の経験から、現場で実際に通用するお局対処法をお話しします。
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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
pharma_di(ファマディー)
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト】
面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。 私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。 ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。 このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。
完成形のお局様を根本的に変えるのはほぼ不可能。しかし、承認欲求と居場所依存という2つの弱点を突けば、攻撃力を減らすことはできます。さらに属人化を解体することで再発を防ぐことも可能です。
なぜ薬局にはお局様がいるのか
お局様の存在は偶然ではなく、職場環境の構造的な問題から生まれます。最大の原因は上司のマネジメント不足と、特定人物への業務依存です。
業務を一人に依存し続けると、職歴や経験値を背景にその人物が職場内で強い発言権を持ち始めます。その結果、管理薬剤師や薬局長でも制御できなくなることがあります。


最初からお局様だったわけではない
お局様は入社時から威圧的な人物だったとは限りません。業務経験を重ねる中で、頼られたり権限を委ねられたりするうちに徐々に影響力が増し、気づけば「お局化」してしまうのです。
属人化が進むと変化を拒むようになる
特定の人物だけが知っている仕事やルールが多くなると、その人は職場の「情報の門番」になります。結果として、新しいやり方や効率化提案に強く抵抗するようになります。
マネジメント不足が解決を難しくする
上司が事態を把握していても、具体的な対策を打たなければお局様は現状を維持し続けます。しかも、お局様は上司をうまく取り込み、被害者ポジションを演じるのが得意です。このため、当事者からの相談が上司止まりで終わってしまい、根本解決に至らないケースが多いのです。
薬局にいるお局様の特徴
薬局にいるお局様の特徴を改めて整理しました。日々の観察を丁寧に続けると、表面的な強さの裏に隠された弱点も見えてきます。あなたの薬局にいる人物を思い浮かべながら読み進めてみてください。きっと「これ、まさにあの人だ」と思う項目がいくつも出てくるはずです。


お局様の特徴を知っておく
以下は、私が実際に現場で出会ったお局様たちの共通項をもとにした特徴リストです。単独では大きな問題に見えない要素も、複数が重なると影響力が急激に高まり、職場全体を支配する存在へと変わります。
- 社歴が長い
- その薬局での在籍期間が一番長い
- 仕事はそこそこできる
- そこそこ頭が良い
- 経験や能力はあるが他のスタッフからの信頼はほぼゼロ
- 管理薬剤師よりも影響力が大きい
- 自分でルールを作って従わせる
- 作るルールは時代遅れかつ非効率なことが多い
- 言い方がきつく、発言にトゲがある
- 気分で言うことがコロコロ変わる
- 理不尽な理由で怒ることがある
- 人のミスには厳しいが自分のミスは絶対に認めない
- 自分のやり方が絶対正しいと思っている
- やり方の変更を極度に嫌がる
- 勝手にやり方を変えると激しく反発する
- すぐに他人のせいにする
- 上司に対して被害者を装うのがうまい
- 新人や後輩に仕事を教えない
- 業務が遅いスタッフをいじめる
- 承認欲求が非常に強い
- 自分の話を長く聞いてほしがる
- 本題に入るまでの前置きが長すぎる
- 簡単な仕事は自分で抱え込み、面倒な仕事は他人に押し付ける
- マウントを取って優位性を誇示する
- 上司すら手を出せない空気を作る
- 何があっても辞めない



これは過去に私が実際に接してきた人物の特徴を挙げたものです。項目が多いのは、それだけ現場に共通パターンが多い証拠です。
承認欲求と支配欲が生む行動
お局様は「自分は誰よりも頑張っているのに周囲は…」という不満を、上司や周囲へのアピールに変えます。承認されたい欲求が強いため、マウント行為や過剰な干渉、後輩へのいじめという形でその欲求を満たそうとします。
簡単な仕事や重要な情報を囲い込み、他人には任せないのも、自分の立場を守るためです。その結果、現場の雰囲気は悪化し、業務効率も大きく損なわれます。
「このお局様さえいなければ…」と思う瞬間は、多くの職場で共感されるでしょう。しかし、残念ながらお局様はほとんどの場合、何があっても辞めません。なぜならその職場こそが唯一の居場所だからです。
お局様の弱点を知っておく
数多くの特徴を突き合わせると、最終的に浮かび上がる弱点は大きく分けて2つに集約されます。
- 承認欲求が強い(認められたい)
- 職場にしか居場所がない
お局様は今の職場で影響力を持ち続けたいと強く願っています。そのため、自分が欠かせない存在であることを示そうとし、仕事や情報を囲い込みます。後輩に仕事を教えないのは、彼らが成長して自分の立場を脅かすのを恐れるからです。
実際には、自分の立場が揺らぐことへの不安と常に戦っており、他のスタッフからの信頼がないために自己肯定感が低いことも多いです。この自信のなさが裏返って、新人や後輩への厳しい態度や攻撃的な言動につながります。
この2つの弱点を正しく理解し、そこを突くような対応を考えることが、お局様への効果的な対処法の第一歩となります。
薬局のお局様対処法
お局様への対処は、感情的にならず戦略的に行う必要があります。間違った対応をすると状況が悪化し、あなた自身の立場も危うくなりかねません。ここでは、絶対に避けるべき行動と、2つの弱点を突いた具体的な対処法を解説します。


絶対にやってはいけない2つのこと
1つ目は、お局様に取り入って仲良くなろうとすること。一見、攻撃対象から外れる安全策に思えますが、他のスタッフから「同類」と見られ、信頼を失います。一度そのレッテルが貼られると、将来的に自分が管理職やリーダーになったときに大きなマイナスとなります。
2つ目は、お局様に攻撃すること。直接対決は危険です。お局様は口論や反論の経験値が豊富で、感情的なやり取りではほぼ勝ち目がありません。さらに、反撃されることで「加害者」に仕立て上げられるリスクもあります。
仲良くなる・攻撃する・仕返しをするという3つの行動は、短期的にも長期的にも自分の立場を危うくします。必ず避けましょう。



感情で動くと、お局様の土俵に引きずり込まれます。相手の行動原理を理解し、弱点を突くことが鉄則です。
2つの弱点を突く戦略
先ほど触れたように、お局様には次の2つの弱点があります。
- 承認欲求が強い(認められたい)
- そこにしか居場所がない
この2つを理解し、上手に利用することで、お局様の攻撃性を抑えることが可能です。
承認欲求を逆手に取る
お局様は「認められたい」「頼られたい」という気持ちが非常に強いです。そこで、重要ではない小さな判断や選択をあえて相談することで、この欲求を満たさせます。
例えば、「備品の発注はAとBのどちらがいいと思いますか?」のように、どちらを選んでも業務に影響のないテーマを提示し、お局様の答えを採用します。表面的には「頼りにしています」「信頼しています」という姿勢を見せることが大切です。
これにより、お局様は自分が評価されていると感じ、攻撃の矛先をあなたから逸らす可能性が高まります。ただし、この方法は主導権を渡すのではなく、あくまで「認められている感覚」を演出することがポイントです。
「唯一の居場所」を安心させる
お局様は「ここを失えば自分の居場所がなくなる」という強い不安を抱えています。だからこそ、この職場での地位や役割に執着します。
この心理を利用し、「あなたはこの薬局にとって大事な存在ですよ」と言葉や態度で示すのです。これは嘘でも構いません。承認欲求と居場所確保の両方が満たされれば、お局様の攻撃性は少しずつ低下します。
ただし、持ち上げすぎて権力を強化してしまわないよう注意が必要です。目的はあくまで攻撃を弱め、職場環境を安定させることにあります。
戦いはこれで終わりではない
承認欲求と居場所不安を利用して攻撃を和らげても、それだけで根本解決にはなりません。お局様が影響力を再び強める可能性は十分にあります。攻撃力が弱まった隙に、次のステップである「お局様を作らない職場づくり」へ移行することが重要です。
お局様を辞めさせることはできないのか
結論から言うと、お局様を強制的に辞めさせるのは非常に難しいです。理由は明確で、長年の経験と一定の業務遂行能力を持っているため、法律上も解雇の正当性を立証しづらいからです。
日本の労働法では、重大な規律違反や業務放棄など明確な理由がない限り、雇用者側からの一方的な解雇は認められません。そのため、現実的には高額な退職金や特別条件を提示し、本人が納得して退職する形に持ち込むしかありません。
とはいえ、この方法はコストが高く、必ずしも承諾を得られるわけではありません。だからこそ、多くの場合は「お局様が自ら辞めたくなる環境を作る」ことが最も現実的な戦略です。
お局様が居心地の悪さを感じ、自ら退職を申し出るように仕向ける。これが現場で取り得る、最もダメージの少ない方法です。
お局様を辞めさせることはできないのか
多くの職場で「いっそ辞めてもらえたら…」と思われがちな存在ですが、現実的にはお局様を辞めさせることは非常に困難です。ここでは、その理由と背景、そして代替策について詳しく掘り下げます。
法律的・制度的な壁
日本の労働法は労働者の権利を強く保護しており、解雇は「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が求められます。お局様がどれだけ職場で嫌われていても、業務放棄や重大な規律違反がない限り、解雇は極めて困難です。
また、会社としても訴訟リスクを避けるため、強制退職は最後の手段と考えるのが一般的です。これが「辞めさせたいのに辞めさせられない」構造的な理由です。
お局様が辞めない心理的背景
お局様は長年の勤務で職場の文化やルールを熟知し、自分に有利な環境を築いています。そのため、現状は居心地が良く、離れる動機がほとんどありません。さらに「ここを辞めたら自分の居場所がなくなる」という不安もあり、強く居座ろうとします。
この心理的背景がある限り、本人が自ら「辞めたい」と感じる状況を作らない限り、退職には至りません。
高額な退職金・特別条件による説得
唯一、短期間で退職を実現できる可能性があるのは、高額な退職金や条件付きの退職提案です。例えば、慰労金や有利な退職条件を提示し、本人にとって「今辞めたほうが得だ」と思わせる方法です。
ただし、この方法はコストが非常に高く、他の社員への示しも考慮しなければならないため、現実的には難しいケースが多いです。
現実的なアプローチは「環境づくり」
最も現実的なのは、お局様が「ここはもう自分の居場所ではない」と感じる環境を作ることです。権力を集中させず、業務を分散し、特別扱いをなくすことで、自然と影響力を弱めます。
このプロセスは時間がかかりますが、職場全体の健全化にもつながるため、長期的に見れば最も有効な戦略です。
退職を引き出すためのきっかけ作り
小さな変化でも、お局様にとってはストレスや不満となります。例えば、シフトや業務分担の見直し、新しいルールの導入など、居心地を少しずつ変えていくことが効果的です。
これらの変化が積み重なり、「もうここではやっていけない」と感じさせられれば、本人から退職の意志が出る可能性が高まります。
私が使ったお局様撃退法
私は過去に、現場で長く支配的な立場を築いていた2名のお局様を撃退してきました。単なる偶然や運ではなく、相手の心理と弱点を見極めたうえで、計画的に実行した方法です。ここでは、その具体的な流れとポイントを共有します。


お局様の第三の弱点「新任管理薬剤師」
実は、お局様には前述の2つの弱点(承認欲求・唯一の居場所)に加え、もう一つの弱点があります。それが「新任の管理薬剤師」の存在です。
- 今までのやり方が通用しなくなる恐れ
- 影響力が保てなくなる恐れ
- 業務ルールが変えられてしまう可能性
- これまでうまくやり込めていた上司がいなくなる不安
新任管理薬剤師の着任は、お局様にとって「これまでの立場や影響力が揺らぐ」最大のタイミング。私はこの心理的揺らぎを、撃退戦略の起点として活用しました。
ケース1:独自ルールを排除し、主導権を握る
1人目は、私が新任の管理薬剤師として配属された薬局にいた薬剤師です。前任者の指示も無視し、調剤室を完全に自分の支配下に置き、常に不機嫌な態度で周囲を威圧していました。特に事務スタッフへの当たりが強く、業務中に泣かせてしまうことも度々ありました。
着任早々、私は「今までとは違う」というメッセージを示すため、薬局内の非効率な独自ルールを全廃し、会社の内規だけを適用する体制に変更しました。お局様からは激しい反発がありましたが、ここで引けば過去の責任者と同じ轍を踏むと考え、全て無視しました。
重要だったのは、事前に他のスタッフへ変更内容を共有し、支持を得ておくこと。こうして孤立したお局様は、影響力を急速に失い、最終的に自ら他の薬局へ転職していきました。
ケース2:異動直後の隙を突く
2人目は、他の薬局で扱いに困っていた薬剤師が、私の薬局へ異動してきたケースです。お局様は新しい環境では一から影響力を築き直す必要があるため、この期間は行動が慎重になります。
私はここで「以前のやり方は通用しない」というメッセージを徹底。特例は一切認めず、薬剤師・事務を全員平等に扱い、上下関係を固定させないようにしました。結果、影響力を誇示できなくなった彼女は、わずか3か月で他の薬局に移っていきました。
もちろん、どちらのケースも事前に上司へ「辞めてもらっても構わない」という承認を得た上で行動しています。組織の後ろ盾があるかどうかは、成功を左右する重要な要素です。
撃退後の再発防止策
お局様を排除した後に大切なのは、再び同じような人物が権力を持たないようにする仕組み作りです。そのためには、特定の人を特別扱いしないこと、業務を一人に依存させないことが鉄則です。
お局様にとって居心地が悪い職場は、ほとんどの場合、他のスタッフにとっては働きやすい職場です。この「全員が安心して働ける環境づくり」こそが、最も効果的な予防策です。
お局様から退職の申し出や相談があったら
お局様は基本的に、自ら職場を去ることはほとんどありません。長年築いた人間関係や、自分にとって都合の良い環境を手放す理由がないからです。しかし、職場全体で意識的に「居心地の悪い環境」を作っていけば、やがて本人から退職の相談や申し出をしてくる瞬間が訪れます。これこそが最大のチャンスです。


チャンスを逃さないための事前準備
お局様から退職の相談を受けた瞬間に動けるよう、あらかじめ会社指定のフォーマットで退職届を印刷し、日付と押印を記入してもらうだけの状態にしておきましょう。この準備があるかないかで、退職プロセスのスピードが大きく変わります。
さらに、退職日についてもその場で決定できるようにしておくのが理想です。話が持ち越されると気持ちが変わったり、他の誰かが説得して撤回させる可能性もあります。
スピード感が成功の鍵
退職届を受け取ったら、すぐに本社や人事部へ郵送・提出します。この「後戻りできない状態」にすることが重要です。手続きが長引けば長引くほど、お局様が心変わりするリスクが高まります。
退職意思を確認してから手続きを完了するまでのスピードは、「翌日ではなく、即日」が鉄則です。
感情的にならず淡々と進める
退職の話し合いでは感情的にならず、あくまで事務的に淡々と進めることが大切です。引き止める必要はありませんし、「お疲れさまでした」「今までありがとうございました」といった最低限の言葉だけで十分です。
相手に「ここでの役割は終わった」と納得させる雰囲気を保ちつつ、円滑に手続きを進めましょう。
周囲への影響を最小限に
退職の動きが広まると、一部のスタッフが感情的に反応したり、業務に支障が出ることもあります。必要以上に噂が広まらないよう、情報は最小限にとどめ、正式発表は会社の規定に従って行いましょう。
このようにして、退職の流れをスムーズに、かつ確実に進めていくことが、長年の悩みの種を解消する近道です。
お局様からの攻撃がひどい場合
お局様からのいじめやパワハラ、無視、過度な叱責などが続く場合、ただ我慢して耐えるのは非常に危険です。精神的ストレスだけでなく、体調不良やモチベーション低下を引き起こし、最悪の場合は休職や離職に追い込まれることもあります。
「耐える」ことが危険な理由
いじめやパワハラを放置すると、あなたのメンタルヘルスと身体的健康の両方に悪影響を及ぼします。慢性的なストレスは、不眠、頭痛、胃腸不良、免疫力低下などを引き起こし、仕事だけでなく日常生活にも支障をきたします。
また、耐え続けることで相手に「この人は何をしても反撃しない」と認識され、攻撃がエスカレートする危険性もあります。
相談すべき相手と順序
今の直属の上司にお局様の件を相談しても効果は期待できません。多くの場合、その上司自身がお局様を野放しにしているか、黙認してしまっているケースがほとんどだからです。
まずは形式的に直属の上司へ相談した上で、すぐにその上の上司や本社の人事部・コンプライアンス窓口へエスカレーションしましょう。社内で正式に記録を残すことが重要です。
証拠を残す重要性
いじめやパワハラの事実を証明するため、日付・内容・発言者を詳細に記録したメモや、可能であれば音声録音を残しておきましょう。これらは後に人事部や外部機関へ相談する際の有力な証拠になります。
証拠があれば、会社側も動かざるを得なくなり、改善や異動が早まる可能性が高まります。
環境を変える決断も選択肢
お局様なんかのために、あなたの大切な時間と健康を犠牲にする必要はありません。改善の見込みがない場合は、異動や転職などで早めに環境を変えることを検討してください。職場は一つではなく、もっとあなたを必要としてくれる環境があります。
異動願を出す、信頼できる上司や人事へ希望を伝える、もしくは転職エージェントに相談するなど、動き出すことで選択肢は広がります。
もし「もう薬剤師として働きたくない」と感じたら、無理に我慢せず新たなキャリアを探すことも大切です。今の環境が全てではありません。


お局様を作らない3つの方法
ここからは管理薬剤師向けのアドバイスです。日々のマネジメントの中でちょっとした工夫をするだけで、お局様が生まれにくい職場環境を作ることができます。一般薬剤師の方は参考程度に読み進めてください。
- 特定の人しかできない仕事を作らない
- 特別扱いする人を作らない
- 薬局の責任者は管理薬剤師であることを周知する
特定の人しかできない仕事を作らない
「この業務はあの人しかできない」という状態は、職場の健全性を大きく損ないます。特定の人への依存が進むと、その人の発言力や影響力が過剰に高まり、やがてお局化する温床となります。
防ぐためには、業務の共有化・マニュアル化が必須です。担当業務には必ず複数人で当たり、誰が休んでも他の人が代わりに対応できる状態を作りましょう。これにより薬局全体のレベルが底上げされ、効率も向上します。
結果として、「あなたがいなくても業務は回ります」という安心感と健全な組織バランスが保たれます。
特別扱いする人を作らない
「年上だから希望通りのシフトを組む」「頑張っているから有給を優先的に取らせる」など、特別扱いは絶対に避けましょう。こうした優遇措置は本人を勘違いさせ、周囲との不公平感を生み出します。
もちろんスタッフへの配慮は必要ですが、それは全員に等しく与えるべきです。薬剤師も事務も全員を平等に扱う姿勢を貫くことで、職場の信頼関係と公平性が保たれます。
薬局の責任者は管理薬剤師であることを周知する
当たり前のことですが、薬局の最終責任者は管理薬剤師です。勝手なルールを作るスタッフが現れた場合は、即時に廃止し、公式な規定やマニュアルに基づく運営に戻しましょう。
責任者より権限を持つスタッフの存在は異常事態です。言うことを聞かない場合は、異動という選択肢を示すくらいの強い姿勢が必要です。多くのお局様は異動を避けたがるため、このカードは有効です。
お局様を作らないためには、「思い通りにならない環境」を意識的に作ることが重要です。そのためには、お局様以外のスタッフが一致団結し、健全な組織文化を守る姿勢が欠かせません。日々の小さな判断と行動の積み重ねが、将来の職場環境を左右します。
Q&A|薬局のお局様対処法に関するよくある質問
お局様への対処は、感情論ではなく再現性のある手順で進めるのがポイントです。ここでは、現場から寄せられる質問を10項目に整理し、実務でそのまま使える答えをまとめました。
日々の小さな対応から組織設計、いざという時のエスカレーションまで、段階別に解説します。あなたの現場の状況に照らしてチェックしてみてください。
Q1. お局様かどうかを見分ける基準はありますか?
長期在籍・独自ルール・承認欲求の強さ・育成拒否・影響力の過剰化が複合しているかを確認します。複数該当すればお局化の可能性が高く、早期の是正が必要です。
Q2. まず最初にやるべきことは何ですか?
記録と可視化です。具体的事実(日時・言動・影響)を記録し、業務手順や決裁ラインを文書で可視化します。感情ではなく事実ベースで管理側と共有する準備になります。
Q3. 直属の上司に相談しても効果がありません。次の一手は?
上位上長・人事・コンプライアンス窓口にエスカレーションします。社内フォーマットやメールで記録を残し、第三者確認を得ることで動きが生まれます。
Q4. 日常の接し方で気を付けることは?
承認欲求を満たしつつ重要事項は渡さないのがコツです。軽微な相談で満足感を与え、判断が分かれても影響が小さい領域にとどめます。対立・同調のどちらにも偏らない中立姿勢を保ちます。
Q5. 反撃や仕返しは効果がありますか?
逆効果です。口論の経験値が高い相手に感情的対立は禁物。ルール運用と役割の明確化という仕組みで対応し、個人対個人の勝負に持ち込まないことが重要です。
Q6. 管理薬剤師として現場を立て直す第一歩は?
独自ルールの棚卸しと標準手順書への一本化です。並行して、属人的な業務を分解し、複数名対応・マニュアル・交差トレーニングで再設計します。
Q7. 新任管理薬剤師が着任した直後の注意点は?
「今までと違う運用」を早期に示すこと。会議体・決裁ルート・業務分担を初期設定で固め、例外運用を認めない姿勢を徹底します。初動で主導権を握ることが肝心です。
Q8. 攻撃がひどいときの安全な対処は?
証拠化・記録化・エスカレーションを同時進行で行い、必要に応じて産業医・外部相談窓口へも接続します。無理をせず、異動や転職など環境変更も早期に検討します。
Q9. お局様を辞めさせることは現実的ですか?
原則として困難です。法的・制度的に解雇要件を満たしにくく、現実的には本人が辞めたくなる環境づくり(属人化の解体・特別扱いの撤廃・役割明確化)が有効です。
Q10. 再発防止の決め手は何ですか?
人ではなく仕組みで回る現場をつくることです。業務の共有化、評価基準の透明化、情報の可視化、例外運用の縮小で、特定個人に力が集中しない構造を保ちます。
薬局のお局様対処法(まとめ)


お局様は「今の地位を失いたくない」という恐怖心から、あらゆる手段で影響力を誇示し続けます。「私がいないと薬局は回らない」という思い込みと、強い承認欲求がその原動力です。
このため、お局様を単純に邪魔者扱いしたり無視したりすると、認められようとさらに攻撃的になるだけで、逆効果になります。表面上だけでも認めてあげることで、攻撃の手を緩めさせることができます。
長期間お局様が君臨していた薬局では、属人的な業務や「その人しか分からない仕事」が必ず残っています。こうした業務を洗い出し、共有化・マニュアル化し、お局様依存の構造を解体しましょう。
もしあなたがすでに個人攻撃の対象となっているなら、我慢は禁物です。上司に相談しても無駄なケースが大半ですから、速やかに上位上長や本社人事部へエスカレーションしてください。攻撃の内容や日時、状況を詳細に記録し、可能であれば音声録音もしておきましょう。
お局様は自分の居場所が無くなることを最も恐れています。本社人事からの指導が入れば、一時的に大人しくなることもありますが、再びお局化する可能性も高いです。そのため、大人しい間に転職活動を始めるのが賢明です。
正直に言えば、お局様が放置されている職場の問題は、その人物だけでなく、それを放置している上司や会社の体質にあります。そうした環境に長く身を置くことは、あなたのキャリアにも心身にも悪影響です。
「お局がいない薬局」で、もっと前向きに働ける職場は必ずあります。今の環境に固執せず、新しい職場への一歩を検討することが、最終的に最も健全で生産的な選択肢になることも少なくありません。







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