管理薬剤師の仕事一覧
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管理薬剤師の仕事内容を知りたい

管理薬剤師っていったい何をしているのでしょうか。

調剤室にいないことも多いですが、どんな仕事をしているのですか?

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このような薬剤師の疑問に答えていきます。

 本記事の内容
 この記事を読むと次のことがわかります。

  • 管理薬剤師の仕事・業務内容
  • 管理薬剤師の大変さ
自己紹介

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私は転職経験2回の大手チェーン調剤薬局の管理薬剤師です。
1回目は転職大失敗。2回目の転職活動では薬剤師転職サイトのコンサルタントの方に大変お世話になりました。そのおかげで転職に成功し、転職1年目の年収は600万円超。現在の年収は880万円です。⇒薬剤師になってからの年収推移公開

薬剤師や薬局事務の採用活動にも携わっています。自らの体験談を基にしてこの記事を書いています。

結論
管理薬剤師の業務内容は法で定められています。管理薬剤師と薬局長を兼任するかどうかで仕事の内容は大きく異なります。

管理薬剤師の業務内容

(管理者の義務)
第八条 薬局の管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局に勤務する薬剤師その他の従業者を監督し、その薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管理し、その他その薬局の業務につき、必要な注意をしなければならない。
2 薬局の管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局の業務につき、薬局開設者に対し必要な意見を述べなければならない。

管理薬剤師の業務内容は

  • 薬局に勤務する薬剤師その他の従業者を監督
  • 薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管理
  • その他その薬局の業務につき、必要な注意をする
  • その薬局の業務につき、薬局開設者に対し必要な意見を述べる

こととされています。

従業者の監督(人の管理)

他の薬剤師や薬剤師以外のスタッフが法令を遵守しているか、接遇はしっかりしているか、必要な情報提供等がしっかりされているかなどをしっかり監督していきます。

薬の管理

麻薬、向精神薬、覚せい剤原料、毒・劇薬、毒・劇物の管理、それらが正しく取り扱われているかをどうかのチェックをします。
一般用医薬品の扱いがあればそれらが正しく陳列されているかどうか。医薬部外品や化粧品等もあればそれも含みます。

麻薬

麻薬の管理・保管

  1. 麻薬小売業者は、その業務所における麻薬の譲受け、保管、交付等の管理を薬剤師である麻薬小売業者(薬局開設者)が自ら行うか、若しくは管理薬剤師に行わせる必要があります。
  2. 麻薬小売業者が所有する麻薬は、薬局内に設けた鍵をかけた堅固な設備内に保管しなければなりません。 なお、「鍵をかけた堅固な設備」とは、麻薬専用の固定した金庫又は容易に移動できない金庫(重量金庫)で、施錠設備のあるものをいいます。(手提げ金庫、スチール製のロッカー、事務机の引き出し等は麻薬の保管庫とはなりません。)
  3. 麻薬の保管庫の設置場所は、調剤室、備蓄倉庫等のうち、盗難防止を考慮し、人目につかず、関係者以外の出入がない場所を選ぶことが望まれます。
  4. 麻薬保管庫内には、麻薬以外の他の医薬品、現金及び書類(麻薬帳簿を含む)等を一緒に入れることはできません。(麻薬の出し入れを頻回に行う施設等にあって、1日の間の麻薬の出し入れを管理するための書類(いわゆる棚表)を除く。)
  5. 麻薬保管庫は、出し入れのとき以外は必ず施錠し、鍵を麻薬保管庫につけたままにしないでください。
  6. 定期的に帳簿残高と在庫現品を照合し、在庫の確認を行ってください。

調剤済み麻薬の廃棄

麻薬の交付を受けた患者、又は患者の家族から不要になった麻薬を譲り受けた場合、譲り受けた麻薬をその都度、若しくはある程度まとまった段階で、管理薬剤師が他の従事者の立ち会いの下で廃棄し、廃棄後 30 日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を保健所に提出してください。(麻薬及び向精神薬取締法第24条第1項、第35条第2項)

調剤済みとなったあとに患者より回収等した麻薬を適切に廃棄し、保健所等に届け出るのも管理薬剤師の仕事です。
当然の事ながら期限切れ等で廃棄する際は保健所職員の立ち会いが必要となります。

向精神薬

薬局管理者の義務
(1) 薬局の管理者は、自ら向精神薬取扱責任者となるか又は営業所ごとに向精神薬取扱責任者を置かなければなりません。
(2) 向精神薬取扱責任者は、向精神薬の譲渡し、譲受け、保管、廃棄、向精神薬に関する記録等が適切に行われ、法に違反する行為が行われないように、業務従事者を監督しなければなりません。

実質的に薬局の管理者は向精神薬取扱責任者とみなされますので向精神薬全般の適切な管理が求められるだけでなく、業務に従事する者の監督をしなければなりません。

覚せい剤原料

保管の管理者と保管場所

医薬品である覚せい剤原料については

  1. 病院又は診療所にあっては、その管理者がその病院又は診療所
  2. 往診医師等にあっては、その住所
  3. 飼育動物診療施設にあっては、その獣医師管理者がその施設
  4. 往診のみによって飼育動物の診療業務を自ら行う獣医師にあっては、その住所
  5. 薬局にあっては、薬局開設者が薬局

において、それぞれ保管しなければなりません。

管理

  1. 医薬品である覚せい剤原料の取扱いの管理体制を明確にし、盗難等の事故の防止を図るため、病院等や薬局に取扱責任者を定めることが望まれます。
  2. 取扱責任者には、当該病院等や薬局における医薬品である覚せい剤原料の受入・保管・払い出し等の実務に携わる者のうち、その全般について把握できる立場にある者を当ててください。
  3. 取扱責任者は、医薬品である覚せい剤原料に関する次に掲げる実務を責任をもって行ってください。
薬局における覚せい剤原料の保管責任者は薬局開設者ですが、実質的には取扱責任者として管理薬剤師がその業務全般を責任をもって行います。
(覚せい剤原料の受入れ、払出し、保管、保管設備の鍵の管理、法定書類や帳簿の作成及び保管、廃棄や事故に関する届出等)

特定生物由来製品に関する記録や保存

特定生物由来製品に関する記録や保存(薬機法第六十八条の二十二)については管理薬剤師の義務となっています。

使用した日から20年間の保管が義務付けられています。

調剤薬局で特定生物由来製品を調剤するのはベタフェロン皮下注くらいでしょうか。

その他の業務

法令等で「薬局開設者は」と記載されている業務のほとんどについて、実際は管理薬剤師が行います。
保健所や厚生局に提出する書類のほとんどは薬局開設者名です。本社への報告や押印申請なども必要に応じて行います。
管理薬剤師と薬局長を兼任することが多いと思いますが、その場合には薬局の年間予算の作成、社内報告書の作成、薬局内の現金管理、レセプト請求、従業員の勤怠管理、シフトの作成、残業計算、クレーム対応、卸やMRの対応、医師との面会、医薬品や医療機器の価格交渉、購入先卸の帳合決定などの業務がのしかかってきます。

門前医療機関、近隣医療機関の医師との関係づくり

薬局にとって門前の医療機関との関係性はとても重要です。何かあったときだけでなく普段から顔を合わせておきましょう。
情報交換、相談がスムーズに行えるように関係性を構築しておくのも管理薬剤師の仕事です。

具体例

  • 忘年会
  • 新年会
  • 納涼会
  • 年賀状作成

薬局スタッフの教育・評価

スタッフを評価するのも管理薬剤師の大切な仕事です。普段から働きぶりを見ておき正しく評価することが求められます。
スタッフの教育育成にも積極的に関与していかなくてはいけません。

  • スタッフの目標設定
  • スタッフ評価面談
  • スタッフ人事評価表作成
  • 事務スタッフ採用面接

従業者の監督(人の管理)

  • 業務手順書の作成
  • 業務手順書の周知徹底
  • 調剤内規の作成
  • 調剤内規の周知徹底
  • 薬局内研修
  • 研修の実施
  • 薬局内会議の開催
  • 医療安全管理研修

スタッフの勤怠管理

毎月の勤務シフトを休みの希望を聞きながら作成して行きます。薬局スタッフのみではどうしても業務が回らない場合は他薬局に支援を要請します。義務化された有給休暇の取得にも対応しなくてはいけません。

  • シフトの作成
  • 支援要請
  • 週休、有給休暇希望の調整
  • 勤怠集計業務
  • 従業員の勤怠管理
  • シフトの作成
  • 残業計算
  • 有給取得推奨
  • 退職願などの各種申請書受付
  • 年末調整書類

薬局予算作成

薬局の年間予算の作成
処方せん枚数や各種加算から毎月の売上の予算を作成します。
これをもとに本社では会社全体の予算を作成します。
逆に本社から売上予算が指示されてくる場合もあります。

  • 薬局の目標(ノルマ)設定
  • 毎月の売上管理
  • 毎月の損益管理
  • 購入備品の計画、予算確保
  • 施設基準取得へ向けた取り組み
  • 門前医療機関からの処方箋獲得率アップ
  • 面処方せんの獲得

資産管理

主に薬の管理とお金の管理に分けられます。

薬の管理

  • 保冷庫や調剤室の温度管理
  • 適正在庫の維持
  • 帳簿管理(向精神薬、麻薬、毒薬、覚醒剤原料、特定生物由来製品)
  • 期限切迫品、不動在庫の処理
  • 期限切れ薬剤の廃棄
  • 採用医薬品(特にジェネリックメーカー)の選定
  • 医薬品や医療機器の価格交渉
  • 購入先卸の帳合決定
  • 棚卸

お金の管理

  • 薬局内の現金管理
  • 毎日の売上金管理
  • 各種支払い
  • 本社への入金
  • レセプト請求
  • 返戻、再請求の管理

保健所への届出

麻薬廃棄届
変更届(薬剤師の異動、登録販売者の異動他)
麻薬免許更新
麻薬免許返納作業
高度管理医療機器更新
麻薬受払等届出(9月30日時点での麻薬在庫数等を保健所に報告)

厚生局への届出

薬剤師の異動
厚生局への申請
後発医薬品調剤体制加算
薬剤師勤務者変更
薬局機能情報報告(定期報告)
取扱処方せん数報告

その他の業務(定期的に実施すること)

ストレスチェックの実施
高度管理医療機器継続研修受講
防災グッズ確認
床ワックス清掃
エアコン清掃
緊急連絡網作成

その他の業務(突発的なこと)

薬局ヒヤリハット事例報告
設備故障などの修理申請・稟議
物品購入稟議作成
クレーム対応
卸やMRの対応
患者さん以外の来局者対応
郵便物開封
研修申し込み
調剤報酬点数表差し替え(改定時)
薬価改定
施設基準申請
掲示物差し替え

本社、上司への報告・連絡・相談

これが一番仕事量としては多いです。

  • 各種社内報告書の作成
  • 社内会議・ミーティングへの参加

調剤

これに加えて通常の調剤業務をこなします。

この業務量の多さが割に合うか割に合わないかは人によって感じ方は違うと思います。
管理薬剤師になったらこれが全てとは限りませんが業務量は多くなります。

管理薬剤師の大変さ

他にも年間予算の作成、社内報告書の作成、厚生局や保健所への届出書類の作成、現金管理、レセプト請求、従業員の業務管理、シフトの作成、残業計算、クレーム対応、卸やMRの対応、医師との面会、医薬品や医療機器の価格交渉、帳合決定などなど。

会社によって異なりますが仕事内容が急激に増えます。薬の管理よりも人の管理の方がよっぽど大変です。

薬や機械は文句言いませんから。

薬局内の人間関係が悪くならないようにすることが最も大きな仕事と言えます。シフトの作成で苦労されている方もいるのではないでしょうか。

※管理薬剤師が薬局長も兼ねている場合の話です。非薬剤師の薬局長がいる場合はこの限りではありません。