
整理は一通り終わりましたが、次は何を整えるのか迷っています。すぐに整頓に進むべきか、手順やコツを知りたいです。
結論から言うと、整理が完全に終わっていないなら整頓はまだ早いです。必要な物だけが残った状態で、初めて「置き場所・置き方・表示」を決められます。整頓は見た目を整える作業ではなく、探す時間をゼロに近づける仕組みづくりです。
意外と見落とされるのは、不要物が少しでも残っていると置き場所がすぐ飽和する点です。空間が足りず、仮置きが増え、元に戻らない悪循環が始まります。整頓前の「最後の見直し」でムダを削ることが、成功の近道になります。
薬局では患者さんの前で迷わず動けることが信頼につながります。そのための整頓は、誰が入っても同じ場所から同じ時間で取り出せる「標準化」が命です。表示の一貫性と取り出しやすさが、在庫管理の精度も高めます。
本記事では、整理完了の確認ポイントから、整頓の基本、進め方の手順、共通ルールの設計、よくある失敗の回避までを具体例で解説します。最後に、現場での定着方法と次のステップもまとめます。
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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
pharma_di(ファマディー)
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面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。 私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。 ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。 このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。
整頓の核心は「誰でも30秒で、同じ場所から、迷わず取れる」状態を標準化し、表示で徹底することです。整理の完了を確認し、置き場所・置き方・表示の三点を共通ルールで固定化しましょう。



私は管理薬剤師歴25年で、採用100名超・面接500人以上、チェーンと小規模薬局の双方で教育と現場改善を担当してきました。整頓が定着した薬局は、待ち時間と在庫差異が目に見えて減ります。
薬局の5S活動の整理が終わっていない方はこちらを先に確認してください。不要物が残っている状態で整頓を始めると、スペースが埋まり、時間もムダになります。
薬局5S活動の二番目は整頓
整頓とは、必要な物をすぐ取り出せるよう「置き場所・置き方・表示」を決めて徹底することです。人によって置き方が違うと、探す時間が増え、業務が止まります。まずは意味と目的を共通認識にしましょう。
「表示の曖昧さ」は迷いの原因です。文字サイズや表記ゆれ、略語の違いが積み重なると、誰もが迷います。表示様式を統一し、誰が見ても同じ行動になるように設計します。
整頓のゴールは見た目の美しさではありません。患者さんの前で迷わず動けること、在庫の過不足が一目で分かること、引き継ぎが短時間で済むことが実益です。ここからは目的・表示・失敗例の順に要点を押さえます。
整頓の目的は「迷いゼロ・探し時間ゼロ」
ポイント:整頓の目的は、探す・迷う・戻せないの三つを同時に無くすことです。取り出し時間を30秒以内に収める基準を設けると、効果が測定しやすく、日々の改善も回しやすくなります。
具体例:散剤スプーンや分包紙など頻出物は、調剤動線の「利き手側・目線から胸まで」に集約します。背伸びや屈み込みが減るだけで、午前中のピーク時の手数と疲労が目に見えて減ります。
効果:探す時間が減ると、患者さんへの説明に時間を振り向けられ、待ち時間の体感も改善します。引き継ぎ時も、置き場所のルールがあれば、習熟にかかる日数が短縮します。
表示と見える化で誰でも同じ動きに
ポイント:ラベルの位置・色・表記を統一し、棚段ごとにカテゴリ表示を設置します。日本語表記を基本に、略語は薬局内標準の一覧に合わせると、応援勤務の薬剤師でも迷いません。
具体例:「シロップ類」「外用剤」「器具・備品」など、棚単位のカテゴリ表示を作成します。各ボックスには品名・数量・発注点・発注方法を記載し、開封時に分かるようラベルの向きを統一します。
注意点:ラベルは小さすぎると読みづらく、色の乱用は逆効果です。重要表示に色を限定し、棚の手前側に貼ることで、のぞき込まなくても確認できるようにしましょう。
よくある失敗と回避策
失敗例:整理が不十分なまま整頓を開始し、置き場がすぐ満杯になります。仮置きが常態化し、戻るべき場所が形骸化します。表示も人ごとに揺れ、迷いが増幅します。
回避策:整頓前に「最終の整理チェックリスト」を回し、不要物をゼロにします。仮置き場は作らず、入れ替え時は必ず「旧→新」の貼替え作業までを一体で行うと、ルールが崩れません。
チェック項目:
- 不要物が残っていないかを全棚で確認する
- 表示形式と用語が全棚で統一されているか
- 取り出し時間30秒以内の基準を満たしているか
【薬局の5S活動】正しい整頓の進め方(手順)
整頓は「置き場所を決める→置き方を決める→表示で固定化する」の三段階です。一気通貫で実施すると、迷いや例外が残りません。患者さんから見える領域から着手すると効果を実感しやすいです。
ここでは、置き場所の設定、共通ルールづくり、過不足を出さない仕組みの三つに分けて、具体的な進め方を説明します。段階ごとの注意点も合わせて押さえましょう。
整理後に残った必要なものすべてに置き場所を設定し、表示をする
基本:必要な物すべてに住所を付与し、置き場所と置き方、表示を明確にします。平積みや縦置きなどが人によって変わらないよう、置き方もラベルで指定します。
優先順位:患者さんの目に入る場所、効果が早い場所、短時間で整えられる場所から始めます。成功体験を早く作ると、チームの協力が得られ、残りの棚も進みやすくなります。
進め方の例:
- 外観から見える備品と受付周辺の備品を先に固定する
- 散剤・液剤・錠剤など剤形ごとに動線単位で置き場を決める
- 各ボックスに品名・発注点・発注方法・戻し方を記す
置き場所を決める際の注意:スペースに少し余裕を残し、曖昧な表示は避け、30秒で取り出せる位置に設定します。セットで使うものは必ず隣接配置し、仮置き場は作りません。
- 置くスペースには適度な余白を残す
- 用語と略語を統一し、曖昧な表示を避ける
- 取り出し時間30秒以内の位置に設定する
- 仮置き場を作らず、常に所定地に戻す
- セットで使う物はまとめて配置する
整頓の共通ルールを設定する
基本:整頓はルールで維持されます。誰が見ても分かるシンプルさが大切です。細かすぎる規定は運用が続きません。守るべき核を三〜四点に絞ると定着が早まります。
おすすめの共通ルール:
- 使用後はその場で必ず所定地に戻す
- 床に直接物を置かない
- 書類や書籍の平積みを禁止する
- 終業時は棚と机の上を空にする
表示の標準:ラベルの位置・大きさ・表記ルールを文書化し、見本棚を1か所作ります。新しい備品を入れる時は、見本に合わせてラベルを作成してから設置します。
置き場に必要以上に物を置かない
基本:置き場が決まっても詰め込みは禁物です。発注点と発注数、発注方法を置き場に明記して、過剰発注と欠品を同時に防ぎます。発注札を使うと運用が楽になります。
発注札の運用:「この箱を開封したら○○へ札を渡す」と書いた札を作成し、担当者は札が届いたら即発注します。納品後は札と在庫を所定地に戻すだけで、補充の抜けが減ります。
- 各置き場に発注点・発注数・発注方法を表示する
- 開封トリガーで発注札を回す仕組みを作る
- 納品時は在庫と札をセットで所定地に戻す



現場では「仮置き」が最大の敵でした。仮置きを作らないルールに変え、発注札を徹底したところ、欠品と過剰在庫が同時に減り、棚卸の所要時間も短縮しました。
Q&A|整頓に関するよくある質問
整頓の導入時に寄せられる質問をまとめました。基本の考え方は、誰でも同じ行動になる標準化です。迷いを減らす設計と、日々の運用ルールの両輪で進めましょう。
Q1: 整頓とは何ですか?
回答:必要な物をすぐ取り出せるよう、置き場所・置き方・表示を決めて徹底することです。見た目ではなく、取り出し時間の短縮が目的です。
Q2: 整理が終わっていなくても整頓を始めてよいですか?
回答:いいえ。不要物が残ると置き場が飽和し、仮置きが増えます。整頓前に最後の整理チェックを必ず実施しましょう。
Q3: 置き場所を決めるコツは?
回答:動線と使用頻度で決めます。利き手側・目線から胸までを優先し、セット品は隣接配置、30秒基準で検証します。
Q4: 表示はどこまで統一すべき?
回答:ラベル位置・文字サイズ・表記ルールを統一します。略語は薬局内標準に合わせ、色の乱用は避けて重要表示に限定します。
Q5: 仮置き場を設けた方が早くない?
回答:仮置きは元に戻らない最大の原因です。運用しない方が結果的に早く、混乱も起きません。所定地への即時返却を徹底します。
Q6: 発注ミスを減らす方法は?
回答:置き場に発注点・発注数・発注方法を表示し、開封トリガーで発注札を回します。担当者は札が届いたら即発注します。
Q7: 応援の薬剤師でも迷わない工夫は?
回答:棚ごとのカテゴリ表示と、見本棚を用意します。初日に見本棚を見せるだけで、現場の迷いが減ります。
Q8: どのくらいの頻度で見直す?
回答:月1回のミニ監査と、半期ごとの全面見直しを推奨します。新規導入物品は都度ルールに組み込みます。
Q9: 反発が出たときの対処は?
回答:時間短縮の実測値を共有し、患者体験の改善と安全性の向上を示します。守るべき核を絞り、段階導入にします。
Q10: 清掃・清潔との関係は?
回答:整頓が定まると清掃が簡単になり、清潔の基準も守りやすくなります。5Sは次の工程を楽にする連鎖です。
整頓のやり方と定着法(まとめと次のステップ)
- 整理完了を確認し、不要物ゼロの状態で整頓を始める
- 置き場所・置き方・表示を三点セットで標準化する
- 共通ルールはシンプルにし、見本棚で運用を揃える
- 発注点・発注札で過不足を防ぎ、仮置きは作らない
- 月次ミニ監査で維持し、半期で全面見直しを行う
整頓の目的は、見栄えではなく迷いの排除です。
表示の統一と動線設計で、誰でも同じ動きになる環境を作りましょう。発注点と発注札の仕組みを組み込むと、在庫の過不足が減り、棚卸も短時間で終わります。
整理・整頓が固まると、清掃・清潔の負担が軽くなり、患者さんの前での動きも洗練されます。まずは患者さんの目に入る場所から着手し、成功体験を積み重ねていきましょう。
現場が回り出すと、待ち時間と在庫差異は自然に減っていきます。
私はこれまで多くの薬局で、整頓が定着した瞬間に現場が変わるのを見てきました。最初は「面倒だ」と感じる声が出ますが、置き場所が決まり、表示が揃い、戻す動きが当たり前になると、業務がスムーズに回り始めます。
誰かが探してウロウロする時間が消え、患者さんと向き合う時間が生まれます。支援の薬剤師が来ても、棚を見れば何をどこに戻すか分かり、スタッフの負担は確実に減ります。



終業時に調剤台と机の上が何もない状態で閉局できた日は、達成感が違いますよ。
もし今の薬局で整頓の文化が根づかず、改善提案が通らないなら、働く環境を変えるのも選択肢です。
私の経験では、仕組みづくりに投資する薬局ほど、学びと成長の機会が多く、毎日の満足度も高いです。
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担当者に「整頓と標準化の取り組み」を条件として伝えると、ミスマッチを避けられます。
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