

5S活動に取り組み始めた薬剤師
薬局の中がだいぶすっきりしました。
整理、整頓、清掃とくれば次は清潔ですね。
清潔っていったい何をすればよいのでしょうか?

このような薬剤師の疑問に答えていきます。
本記事の内容
この記事を読むと次のことがわかります。
- 清潔っていったい何?
- 薬局を清潔に保つ方法

pharma_di(ファマディー)Follow @pharma_di
転職2回の大手チェーン調剤薬局の管理薬剤師。薬剤師や薬局事務の採用活動にも携わっています。
転職に失敗する薬剤師をゼロにしたいという思いで、自らの経験を基に記事を作成しています。
→詳しい自己紹介
ここまで、整理・整頓・清掃の3つが終わりました。
次は4つ目のS、清潔です。
清潔と言われてもどんな活動をしたら良いのかよくわからない方がほとんどだと思います。
でも大丈夫。
『清潔』についてわかりやすく解説をしていきます。
5S活動における清潔とは何か
もう一度復習です。
清潔(Seiketsu)とは、『整理・整頓・清掃を徹底して実行し、汚れのないキレイな状態を維持すること』でしたね。
清潔な状態にするには、整理・整頓・清掃の3Sを徹底して実行し続けるということです。
一目見るだけで整理・整頓・清掃がしっかり実行できているかどうかがわかる状態に持って行くことが理想。
目で見る(見える)管理をしていくことが大切です。
見えないと管理ができないし、見ようとしなければ見えないようなものは管理がおろそかになるでしょう。
だから『見える(自然に目に入ってくる)』管理が必要です。
清潔な薬局は見える管理ができている
見える管理とは何か、具体例を交えて詳しく説明していきましょう。
5Sのうち3Sまでの行動で薬品置き場には薬品名が明示されています。
そして、その場所にはその薬以外のものは置かれていないはずです。
もし違う薬がその場所に置かれていたらすぐに気づけるでしょう。
もし気づけないようであれば(似ている箱や似ている薬品名の薬が置かれていたなど)、表記の仕方を変更するか保管場所の変更が必要となります。
このように、『異常な状態』に早い段階で気づけるようにする仕組み(仕掛け)をしっかりと確立していくことが清潔。
異常な状態に早く気づくことができれば、間違えて調剤してしまう事もなくなりますし、在庫が見つからなくて大騒ぎすることもなくなります。
薬局で見える管理をするための具体策
『清潔』に保つために行う「見える管理」を成功させるためのコツが存在します。
5S活動の清潔を成功させるコツ
- はっきり見えるようにする
- はっきり区別する
- はっきりと目印をつける
- ルールを明確にする
はっきり見えるようにする
見える管理方法の1つ目ははっきり見えるようにすることです。
医薬品の保管場所の明示方法がバラバラだったら間違いのもとになりますね。
一定のルールに従って表示することが大切です。
文字の大きさやフォント、色も決めましょう。
調剤するときにも、納品された薬をしまうときにも間違いが起きないようにはっきり見えるように明示しましょう。
はっきり区別する
医薬品を収納する引き出しの中は薬がごちゃごちゃになりがちです。
空いている箱が2つある経験は誰もがあるのではないでしょうか。
1薬品‐1引き出しをするには無理がありますので、しっかりと区切りましょう。
あいうえお順で引き出しに入れているのであれば、少なくとも引き出しの中を5つに区別します。
経験上、引き出しの中をはっきりと区切って表示するだけでも調剤の間違いを減らすことは十分可能です。
そして、探す時間が短くなって調剤スピードが上がるというメリットもあります。
はっきりと目印をつける
例えば予製剤を作るときに、ここまで入れるとはっきり目印がついていれば少なくとも分量を間違うことは無くなるでしょう。
今ではほとんどなくなりましたが、紙薬歴を使用している薬局では薬歴の表紙にはっきりと目印をつけておくことで探しやすくなります。
電子薬歴の場合でも、注意すべき患者さんについては色を変えるなどして注意喚起をすることも可能です。
せっかく目印をつけたとしても、それが見えづらくて気づけなければその目印は無いのと同じ。
全く無意味です。見ようとしてやっと見えるものは目印とは言えません。
自動的に、無意識的に目に入るような仕組みを作りましょう。
ルールを表示する
例えば、レセコンで管理していない医薬品や調剤用消耗品の発注は目視で行っているケースが多いのではないでしょうか。
保管場所に発注点のルールをわかりやすく表示しておきましょう。
「残り○個になったら発注」、「この箱を開けたら発注」などわかりやすく表示します。
「少なくなったら発注」では人によって判断が異なってしまいますのであいまいなものは避けましょう。
5S活動の清潔について(まとめ)
『異常な状態』に自動的に気づける仕組みを作るのが清潔です。
そのためには次の4つの点を意識して薬局内をよりよくして行っていただけたらと思います。
- はっきり見えるようにする
- はっきり区別する
- はっきりと目印をつける
- ルールを表示する

整理整頓がされていて、清掃が行き届いていて、清潔な状態が保たれている。
間違いも減るし、物を探す時間はほぼゼロ。
仕事がはかどって、残業なんかしなくて平気。
どうですか。こんな職場。
こんな職場で働いてみたくないですか?
5S活動ぜひ取り入れてみてください。
次回は最後のS(しつけ)です。
躾(しつけ)についてはこちらをどうぞ。
薬局で行う5S活動うちの五つめのS(躾:shitsuke)について深堀りしてみました。いまさら大人に躾(しつけ)と言われて困っている方、この記事で解決します。
薬局で5S活動をやるメリットついて。
薬局で5S活動をやるべき7つの理由をまとめました。5S活動を実践するとメリットがたくさん。職場環境の改善にも役立つ5S活動をあなたの薬局でもぜひ取り入れてください。