5S活動に取り組み始めた薬剤師
薬局内の整理と整頓は何とか終わりました。
次は清掃ですよね?
でもところで清掃と普段の掃除は何が違うのでしょうか?
掃除と清掃って何が違うのか深く考えたことがあるでしょうか。
私は薬局で5S活動をしたときに初めて考えました。普段は気にもしませんでした。
5S活動では掃除と清掃は全く意味合いが異なります。
掃除はただゴミを取り除くのに対し、清掃はきれいな状態を維持して細部まで点検すること。そして、スタッフの心もきれいにする目的があります。
なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、5S活動を行うメリットは大きいです。
ぜひあなたの薬局でも実践してみてください。
本記事の内容
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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。
管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト】
面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。
私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。
ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。
このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。
5S活動における清掃と普段の掃除の大きな違い
整理と整頓がまだ終わっていない方はこちらをご覧ください。
整頓が終わったら次に行うのは清掃です。
毎朝または業務終了後に毎日やっていますという声が聞こえてきそうですが、おそらくそれは掃除ではないでしょうか。
清掃と掃除。いったい何が違うのか。実はそこには大きな違いがあるのです。
清掃(seisou)とは、『掃除をしてゴミ、汚れのないキレイな状態にすると同時に、細部まで点検すること』です。
普段行っている掃除はごみを取り除くこと。5S活動における清掃はごみを取り除くだけでなく、きれいな状態を維持し、細部まで点検する事です。
単に掃除をしてキレイにするだけでなく、細部までチェックをする。
仕事への取り組む姿勢を向上させることによって人の心も磨く目的があります。
汚れを見て見ぬふりをした経験はありませんか?
掃除の時間だから仕方なくやっていると思ったことはありませんか?
こういった気持ちは仕事への取組みそのもの。
仕事だから仕方なくやっている、最低限の仕事だけやっていては向上していきません。
5S活動の清掃はそういった後ろ向きのものではなく、職場の環境を少しでも良くしていこうという前向きなものであるべきなのです。
清掃を成功させるには、スタッフ全員で一斉に清掃を行い、きれいで気持ちの良い職場環境を体験することが大切です。
普段の掃除では手を付けない箇所(例えば、蛍光灯、薬局の窓、外周り、看板、薬歴棚の上、調剤室の棚の上、引き出しの中、複合機の裏、PCやサーバーの裏、分包機の内部など)を徹底的にキレイにします。
5S活動の清掃にはスタッフの仕事の姿勢や行動を改め、心を磨くという側面があるのです。
掃除(ゴミを取り除くこと)と清掃が一番大きく違うのは、心までキレイにするかどうかです。
5S活動の正しい清掃の進め方(手順)
5S活動の清掃には成功させるためのコツが存在します。
5S活動の清掃を成功させるコツ
- 清掃の基準を作る
- 清掃カレンダーを作る
- 全員で清掃をする
- 汚れの発生源を潰す
清掃の基準を作る
『どのレベルまで清掃をしておけば、きれいな状態を保つことができるか。』という視点で薬局の清掃基準を作ります。
清掃基準の例
- 清掃箇所
- 清掃基準(レベル)
- 清掃方法
- 誰が
- どのくらいの時間をかけて
- 清掃頻度
例えば、トイレ清掃の基準を作ります。
- 清掃箇所:トイレ
- 清掃基準(レベル):便器の汚れがないこと、洗面台の汚れや濡れがないこと、床の汚れや濡れがないこと、トイレットペーパーの補充、ゴミ箱・汚物入れの中身が空であること。
- 清掃方法:便器はブラシで。床はモップ、ウェットペーパーにて。
- 誰が(担当者):ローテーションで日替わり。
- 時間:10分
- 頻度:1日2回開局前と昼休憩時
なるべく具体的に、他のスタッフもわかるように作りましょう。
清掃カレンダーを作る
清掃カレンダーは清掃が適切に実施されているかというチェックリストの役割をします。
トイレ掃除は毎日できたとしても、棚の上や引き出しの中はできなかったという日もあるでしょう。
清掃が完了したら毎日カレンダーにチェックなり押印をしていきます。
カレンダーを見てできていない日が続いている箇所があれば翌日はその箇所を清掃するというように、汚れが溜まらないように日々チェックをします。
全員で清掃をする
掃除をする人としない人がいては不公平感がつのり、結果的に清掃がおろそかになってしまいます。
清掃には心を磨くという目的もあるわけですから、全員が納得して清掃に取り組まなければなりません。
仕事と同じように、清掃も皆で協力して実施していくべきものなのです。
汚れの発生源を潰す
毎日掃除をしていてもゴミや汚れはどこからともなくやってきます。そのゴミや汚れの発生源はどこでしょうか。
ゴミや汚れの原因を潰すことができれば掃除が楽になりますね。
逆に言えば、ゴミや汚れの発生源が存在している限り永遠に掃除は続くということです。
ゴミも汚れも発生源なんてどこだかわからないという方もいるでしょう。発生源が見つからなくても、いつもゴミが溜まる場所ってありませんか?
ゴミが溜まる場所の掃除をしやすくしておくだけでも楽になって効果的です。
薬局の掃除と清掃の違いQ&A
Q1: 5S活動における「掃除」と「清掃」の違いは何ですか?
A1: 掃除はゴミを取り除く行為であり、清掃はゴミを取り除き、清潔な状態を維持し、細部まで点検することです。
Q2: 清掃を行う際の基準作りのポイントは何ですか?
A2: 清掃箇所、基準、方法、担当者、時間、頻度を具体的に決めることが重要です。
Q3: 清掃カレンダーの目的は何ですか?
A3: 清掃が適切に実施されているか確認し、清掃漏れを防ぐためのチェックリストの役割を果たします。
Q4: 清掃を成功させるために必要なことは何ですか?
A4: 清掃の基準作り、清掃カレンダーの作成、全員での清掃、汚れの発生源を潰すことが必要です。
Q5: 5S活動における清掃のメリットは何ですか?
A5: 5S活動の清掃により、職場の環境が改善し、スタッフの心も清潔に保つことができます。
薬局の5S活動【清掃のやり方】(まとめ)
5S活動の清掃のやり方(まとめ)
- 清掃の基準を作る
- 清掃カレンダーを作る
- 全員で清掃をする
- 汚れの発生源を潰す
清掃はゴミを取り除くだけではありません。5S活動の取り組みを通じてスタッフの心もきれいにしていきましょう。
清掃の基準が人によってバラバラだと細かく清掃をするスタッフがだんだん負担や不満を感じてくるようになります。
そうならないためにも、清掃の基準はスタッフ全員で話し合って決めるのがオススメです。
【薬局の5S活動のやり方】
薬局で5S活動をやるべき7つの理由をまとめました。5S活動を実践するとメリットがたくさん。職場環境の改善にも役立つ5S活動をあなたの薬局でもぜひ取り入れてください。
薬局の5S活動のうちの一つである(整理:Seiri)のやり方について解説しています。薬局内が物であふれかえっていませんか?パソコンの中のデータはすぐに取り出せますか?探す時間は無駄。物だけではなく情報もきちんと整理しましょう。
薬局の5S活動の2つ目のS(整頓:Seiton)の正しいやり方を解説。正しい整頓の手順を理解して実施すれば物を探す時間や物の過不足が無くなります。とにかく仕事が楽に進みますので整頓をするメリットは大きいです。
≫清掃(Seisou)今ココ
薬局の5S活動の四つめのS(清潔:Seiketsu)について解説。この記事で5S活動の『清潔』のやり方、清潔に維持する方法がわかります。薬局の5S活動はメリットが大きいのでぜひあなたの薬局でも取り入れてみてください。
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