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薬剤師が早く帰れる薬局の選び方|門前より機能と人員体制が重要

2025 8/17
薬剤師のための失敗しない転職方法
2013年12月15日2025年8月17日
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なるべく早く帰りたい…。でも門前医療機関の診察が終わらないと薬局を閉められない。小児科や耳鼻科は混んでいるし、やっぱり内科の門前なら早く帰れるのかな?

残業しないで早く帰りたいけれど、門前医療機関の診察が終わらないため薬局を閉められない……。

そんな悩みを抱えている薬剤師は少なくありません。

最後の患者さんが来るまで待たなければならないのに、なかなか来ない。ようやく来たと思ったら処方が出なかったり、別の薬局に行かれてしまったり。

その結果、無駄に待機して時間を失った経験は、多くの薬剤師に共通しているでしょう。

「早く帰れるのは何科の門前薬局なのか?」と考える方も多いかもしれません。転職先を選ぶときに診療科を重視する薬剤師がいるのは、まさに早く帰りたいからです。

かつては門前医療機関の診療科で帰宅時間の予測ができましたが、今は患者が自由に薬局を選び、在宅やオンライン診療が普及しているため、門前医療機関の診療科では予測が難しくなってきています。

この記事では「閉局時間が遅くなる薬局の特徴」「閉めても帰れない理由」「転職で見るべきポイント」を解説します。

転職先を「門前の診療科」で選ぶ意味は薄れています。患者さんが薬局を自由に選ぶ時代になり、さらに在宅業務が増えたことで診療科だけでは早く帰れるかどうかの判断が難しくなりました。

本記事の内容
  • 閉局時間が遅くなりがちな薬局の特徴
  • 薬局は閉まっても仕事が残っていて帰れないことも
  • 薬局の人員配置と支援体制がカギ
  • 転職先は門前ではなく機能で選ぶべき
  • Q&A|薬局選びに関するよくある質問
  • まとめと次のステップ
自己紹介

Follow @pharma_di Instagramのフォローもお願いします! ストーリーズでは内容の濃い情報を発信中≫ ファマディー

全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。

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面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。 私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。 ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。 このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。

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結論

早く帰れるかどうかは診療科ではなく薬局の機能に左右されます。これからの転職先選びは「門前かどうか」ではなく、薬剤師の人員配置とサポート体制を見極めることが重要です。

本記事の内容
  • 閉局時間が遅くなりがちな薬局の特徴
  • 薬局が閉まっても帰れない理由
  • 閉局遅延による薬剤師の負担
  • 転職先は診療科ではなく薬局の機能で選ぶ
  • Q&A|閉局時間と働き方の疑問
  • まとめと次のステップ
目次

閉局時間が遅くなりがちな薬局の特徴

閉局時間が遅れやすい薬局には共通する条件があります。患者数や診療科だけでなく、地域特性や薬局の受け入れ体制も影響します。

人気クリニックの門前薬局

人気があるクリニックには患者さんが多数訪れます。受付終了時間が過ぎても患者さんが多く待合室に残っていることでしょう。

当然最後の患者さんの診察が終わる時間も遅くなります。

予約制ではなく当日受付制の場合は診察時間終了時間はさらに遅れることもあります。

小児科・耳鼻科の門前薬局

小児科や耳鼻科の門前薬局は夕方から混雑する傾向にあります。

それは、仕事を終えた親が子供をクリニックに連れて行くから。

その結果薬局の閉局間際の時間帯が一番混雑することになり、薬剤師は残業を余儀なくされます。

面対応薬局

面で処方箋を広く応需している薬局は、門前医療機関とは関係なく患者さんが来局されます。

閉局間際に処方せんを持ちこまれて困った薬剤師も多い事でしょう。そしてその患者さんの調剤をしている間に、また別の患者さんがきてしまうことも。

これではいつまでたっても閉局できません。

在宅が多い薬局

在宅業務を多く抱える薬局では、外来業務が落ち着いた日中に訪問できれば理想的です。

しかし現実には、家族の在宅時間や外来調剤の忙しさにより、どうしても外来が終わった夕方以降に訪問するケースが増えます。その結果、閉局後も在宅対応が続き、帰宅時間が大幅に遅くなるのです。

薬局が時間通りに閉局しても帰れない理由

たとえ閉局時間にシャッターを下ろせても、薬剤師がすぐに帰宅できるとは限りません。

実際には、薬歴の記録や翌日の準備、在宅関連の書類作成などが残っており、すべてが終わって初めて退勤できます。

薬歴の記載

調剤や服薬指導が完了しても、薬歴の入力が終わらなければ業務は終了しません。薬歴は当日中の記載が原則。後回しにすると翌日の調剤や服薬指導に支障が出ます。

音声入力やAIによる入力補助など、効率的に薬歴を記載する仕組みがない薬局では残業が慢性化します。

日中の業務が立て込むと、薬歴入力は閉局後にまとめて行うしかなくなり、残業の大きな要因となります。

翌日来局する患者さんの薬の準備

一包化や粉砕など、調剤に時間がかかることがわかっている患者さんは、「明日取りに来ます」と処方せんを置いていくケースが多いでしょう。

開局時間中に調剤と最終監査を終わらせることができればいいのですが、その時間が取れない場合には閉局後に行わなければなりません。翌朝一番に患者が来た場合、薬ができていないと大きなトラブルに繋がります。

慢性的に薬剤師が不足している薬局では、待っている人を優先にしておき、明日来局の患者さんの薬は閉局後に調剤することが多いです。

在宅訪問の報告書作成

在宅訪問を行った薬剤師は、訪問内容を記録し、医師やケアマネジャーに報告書を提出する義務があります。外来終了後に訪問するケースでは、帰局後に報告書をまとめる必要があり、どうしても退勤が遅くなります。

近年はICTツールを用いて医師や訪問看護師とリアルタイムで情報共有する機会も増えています。便利ではありますが、その分入力作業やデータ整理の時間が発生し、閉局後の業務を押し延ばす要因になっています。

閉局遅延による薬剤師の負担

閉局時間が延びれば延びるほど、薬剤師の生活やメンタルに多方面で影響が及びます。

単なる「残業」では片付けられない深刻な問題であり、職場環境を見極める重要な視点です。

家庭生活への影響

帰宅が遅れると夕食の時間が後ろ倒しになったり、子どもの寝顔しか見られない日が続いたりと、家庭との両立が困難になります。

特に共働き家庭では家事・育児の負担が一方に偏り、パートナーからの不満につながるケースも少なくありません。

こうした小さな不満が積み重なることで、家庭環境そのものに悪影響を及ぼすこともあります。

長期化すれば「家庭を優先するために転職する」という決断を迫られる大きな要因となります。

モチベーション低下

「今日もまた残業か…」という思いは、薬剤師のモチベーションを着実に削っていきます。

定時で帰れない日々が続くと、どんなにやりがいのある業務でも「仕事=苦痛」と感じるようになり、やる気が低下します。

さらに、同僚との会話も後ろ向きになり、職場全体の雰囲気が暗くなる傾向があります。

こうした空気は新人教育にも影響を及ぼし、最終的には離職率の上昇につながっていきます。

医療安全リスク

疲労による集中力の低下は、調剤業務において最も避けたい「ヒューマンエラー」を引き起こす大きな要因です。

調剤過誤や服薬指導の見落としは、直接患者の安全を脅かす重大なリスクにつながります。

特に閉局間際は「早く帰りたい」という焦りも加わり、普段なら防げるミスが発生する確率が高まります。

つまり、閉局遅延は単に労働環境の問題にとどまらず、医療の質そのものを低下させる危険性をはらんでいるのです。

残業が常態化している薬局では体調不良や離職が相次ぐ一方、定時に帰れる体制がある薬局は人材の定着率が非常に高いことを実感しています。

門前の診療科で選ぶのではなく、薬局の機能で選ぶべき

転職を考える際、これまでは「どの診療科の門前か」が薬局選びの基準とされてきました。

しかし現在は状況が大きく変わっています。患者は病院の近くで薬をもらうのではなく、自宅近くや通勤途中の薬局を選ぶようになり、薬局に求められる機能も大きくシフトしてきたのです。

特に以下の3つは、今後の薬局の在り方を左右する重要なキーワードです。

  • リフィル処方せんの導入
  • オンライン診療の普及
  • 在宅医療の増加

これらが進むことで、患者が病院やクリニックに通う回数は確実に減っていきます。つまり、特定の診療科に依存した門前薬局は、今後さらに経営が厳しくなる可能性が高いということです。

一方で伸びていくのは、住宅地の中にあり、患者の生活動線に根ざした薬局です。オンライン服薬指導や在宅訪問を積極的に行う薬局は、地域に欠かせない存在となり、安定した患者数を確保できます。転職先を選ぶなら、こうした機能を備えた薬局を重視すべきです。

「この診療科の門前だから早く帰れる」という発想は、すでに時代遅れです。

特定の科に特化した薬局は、むしろ将来的に淘汰されるリスクが高いと言えるでしょう。

国も門前薬局を保護する方針は取っておらず、集中率が高い薬局の基本料は抑えられています。

今後は量より質、そして地域包括的な役割を果たす薬局こそが求められます。

詳しくは以下の記事でも解説しています。

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転職先に選ぶなら、集中率が高すぎず、多くの医療機関の処方せんを応需している薬局こそが安心です。

これらに対応する薬局は国の政策的にも評価が高く、長く安定して働ける可能性が大きいです。

Q&A|薬剤師の働き方と薬局選びに関するよくある質問

薬局で「早く帰りたい」「残業を減らしたい」と考える薬剤師は多くいます。ここでは、実際の現場でよく寄せられる質問を10個にまとめ、わかりやすく解説しました。

Q1: 閉局時間が遅くなりがちな薬局の特徴は何ですか?

A1: 人気のあるクリニックの門前薬局、小児科や耳鼻科の門前薬局、面で処方せんを広く応需している薬局、さらに在宅業務を多く抱える薬局は閉局時間が遅くなりがちです。

Q2: 閉局時間通りに閉めても帰れない理由は何ですか?

A2: 薬歴の記載、翌日の調剤準備、在宅訪問後の報告書作成などが残っているためです。閉局と退勤は必ずしも一致しません。

Q3: 早く帰れる薬局の特徴はありますか?

A3: 人員配置が充実しており、記録や在宅業務を分担できる薬局は残業が少なめです。診療科よりも体制やサポートの有無が重要です。

Q4: 転職先の薬局を選ぶ際のポイントは何ですか?

A4: 門前の診療科ではなく、薬局の機能や人員体制に注目しましょう。リフィル処方せん、オンライン診療対応、在宅医療への取り組みが大きなポイントです。

Q5: 集中率が高い薬局は避けるべきですか?

A5: はい。集中率が高すぎる薬局は基本料が抑えられ、経営上も厳しくなる傾向があります。複数の医療機関から処方せんを受ける薬局の方が安定しています。

Q6: 在宅業務が多い薬局は残業が増えますか?

A6: 多くの場合は増えます。外来終了後に訪問することが多く、帰局後に報告書作成も必要です。サポート人員がいれば負担を減らせます。

Q7: 支援の薬剤師がいる薬局は残業が少ないですか?

A7: はい。欠員時に他店舗から応援が入る体制があると、業務が滞らず、残業リスクを軽減できます。転職時に必ず確認しておきたいポイントです。

Q8: 調剤予約システムのある薬局は働きやすいですか?

A8: 予約やオンライン服薬指導を導入している薬局は、来局が分散されやすく、業務が計画的に進めやすいので残業が少なくなる傾向があります。

Q9: 小規模薬局と大手チェーン薬局、どちらが早く帰れますか?

A9: 一概には言えませんが、大手チェーンは支援体制やシステム面が整っている場合が多いです。小規模薬局は柔軟さがある一方、人員不足時は残業につながりやすいです。

Q10: 転職活動で「残業の少なさ」を確認する方法はありますか?

A10: 面接で「1日の平均残業時間」「欠員時の応援体制」「在宅業務の比率」などを具体的に質問しましょう。求人票だけでは分からないため、実際に現場を見学することも有効です。

早く帰れる薬局を選ぶために大切な視点

  • 早く帰れるかどうかは診療科ではなく、薬局の機能と体制に左右される
  • リフィル処方せん、オンライン診療、在宅医療対応がある薬局は将来性が高い
  • 人員配置と支援体制が整った薬局ほど残業リスクが少ない
  • 集中率が高すぎる門前薬局は基本料が低く、今後生き残りにくい
  • 転職時は「門前かどうか」ではなく「働き方の安定性」を重視すべき

本記事では、薬剤師が「早く帰れる薬局で働きたい」と考えたときに押さえておくべき視点について解説しました。かつては門前の診療科が重要な判断材料でしたが、今は状況が変わり、リフィル処方せんやオンライン診療、在宅医療の拡大によって薬局に求められる機能そのものが大きく変化しています。

結論として、早く帰れるかどうかは診療科ではなく「薬局の機能」と「人員配置・支援体制」に左右されます。特に支援薬剤師の仕組みがある薬局や、在宅・オンラインにしっかり対応できている薬局は、残業が少なく働きやすい環境を実現しやすいでしょう。

一方で、集中率が高すぎる門前薬局は基本料が低く設定されており、国の方針としても量から質への転換が進んでいます。つまり、これからの転職では「どの門前か」ではなく「どんな働き方ができるか」が最大の判断基準となります。

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