【転職するなら開業医の門前薬局!?】その考えが危険な3つの理由
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転職するなら開業医の門前薬局が良いと考えている薬剤師

転職するなら開業医の門前薬局が良いと考えています。

出る薬も決まっているから楽そうだし、門前医療機関と同じ日に休めますよね。

『転職をするなら1対1の門前薬局が良い。』

そう考えている薬剤師は少なくありません。処方で出される薬は限られますし、門前医療機関が休みなら薬局も休み。

昼休みもしっかり取れるでしょう。年末年始の休みも門前医療機関に合わせて休めます。

このように門前薬局は良いことばかりのようですが、実は、これから門前薬局は大変危険な状況に陥ります。

調剤薬局へ転職するなら、集中率が高い門前薬局は避けておきましょう。

 本記事の内容
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自己紹介

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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。

管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト

面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。

私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。

ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。

このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。

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結論
この先、集中率が高い門前薬局は消えていく可能性が極めて高いです。門前医療機関からの処方せんだけでは利益は出なくなるでしょう。そうなったら閉局です。

集中率が高い門前調剤薬局への転職が危険な理由

集中率が高い門前調剤薬局への転職が危険な3つの理由

集中率が高い門前薬局への転職は危険です。

その理由は3つあります。

集中率が高い門前調剤薬局への転職が危険な理由

  • 売上が門前医療機関に依存しすぎているリスク
  • 調剤薬局で薬をもらわなくなってきている
  • 集中率が高い薬局の調剤報酬は下げられる

売上が門前医療機関に依存しすぎているリスク

集中率が高いという事は、売り上げの9割以上は門前医療機関からの処方せんによるものでしょう。OTCの売上はそう多くないはずです。

万一門前医療機関に何かあった時にその薬局はどうなるでしょうか。売上の9割を失った薬局は存続不可能です。

先生が高齢で跡継ぎがいなかったら・・・。

その医院を引き継ぐ医師がいなかったら・・・。

門前薬局は閉局ということになります。

先生はまだ若いし、開業したばかりだから大丈夫だと思う方もいるでしょう。

でも本当に大丈夫でしょうか。

急に病気で閉院してしまうかもしれません。薬局との関係が悪化して別の薬局を近くに連れてくるかもしれません。

もしかしたら院外処方をやめてしまうことだってあるでしょう。

1つの医療機関からの売上に依存している薬局は経営的にもリスクが大きいと言えます。

5年後、10年後に残っているかどうかはわかりません。

調剤薬局で薬をもらわなくなる

コロナ以降、患者さんの行動は明らかに変わりました。

0410対応やオンライン服薬指導の導入により、病院やクリニックに行かなくても処方せんが発行されるようになりました。

患者さんはどこで薬をもらうでしょうか。わざわざ病院はクリニックの門前医療機関には行きません。自宅近くの薬局で薬をもらいます。

また、最近では調剤併設のドラッグストアの出店ラッシュが続いています。利便性が高く、多くの患者さんがドラッグストアを利用するようになりました。

集中率が高い薬局の調剤報酬は下げられる

調剤報酬改定では集中率が高い薬局の報酬は下げられる傾向にあります。

集中率が高い門前薬局の調剤基本料はさらに下げられてしまうでしょう。経営的にも厳しくなるのは必至です。

これ以外にも、扱う薬や知識が偏ってしまうというデメリットもあります。

多くの医療機関の処方箋を応需している薬局求人の探し方【単科門前は嫌】

集中率が高い門前薬局に転職するならここはチェック

調剤薬局へ転職するなら、集中率が高い門前薬局は避けておきましょう。

そうは言ってもほとんどの調剤薬局が、集中率が高い門前薬局です。

これでは転職先が見つからないということもあるでしょう。

もし、集中率が高い門前薬局へ転職をするならココだけは確認して欲しい点をまとめました。

集中率が高い門前薬局へ転職をするなら絶対に確認が必要

  • 門前医療機関の医師との関係性
  • 医師の年齢
  • 跡継ぎの有無

門前医療機関の医師との関係性

門前医療機関の医師との関係性を確認しておきましょう。薬局見学の際に管理薬剤師に質問すればすぐにわかります。

  • 管理薬剤師が医療機関に全く訪問していない
  • 疑義照会を受け付けてくれない
  • 急に後発品への変更が不可になった
  • 医療機関からたびたびクレームが入る
  • 臨時休診の連絡が来ない
  • 採用薬変更の連絡が来ない

このようなことがあるかどうか聞いてみてください。当てはまることがいくつかあるならその薬局と医師は良好な関係を築けているとは言えません。

最悪の場合、院外処方の中止や他薬局の誘致がおこります。

これは実際にある話です。

転職先候補の薬局が、集中率が高い門前薬局だったら、医師との関係性が良いところを選びましょう。

pharma

門前の先生との関係が悪いと、仕事上いろいろ不都合が生じます。

医師の年齢

診療をしている医師は何歳かも確認しておきましょう。

医師の年齢がわかれば、あと何年薬局が持つかがだいたいわかります。

跡継ぎの有無

門前医療機関の医師に跡継ぎがいるかどうかも確認しておきましょう。

先生がお年を召されていても、息子さんや娘さんが医師で跡を継ぐのであれば全く問題ありません。

但し、診療科が変わることもありますので薬局は大変でしょう。扱う薬が一気に変わるかもしれません。今まで来てくれた患者さんが来なくなることも考えられます。

【転職するなら開業医の門前薬局!?】その考えが危険な3つの理由(まとめ)

【転職するなら開業医の門前薬局!?】その考えが危険な3つの理由(まとめ)

集中率の高い門前薬局に転職することはリスクが高いです。その薬局が無くなってしまう可能性が高いからです。

  • 売上が門前医療機関に依存しすぎているリスク
  • 調剤薬局で薬をもらわなくなってきている
  • 集中率が高い薬局の調剤報酬は下げられる

このような理由で閉局の可能性が高いです。他社へ売却されるか、他薬局への異動を命じられるかもしれません。

調剤薬局へ転職を考えているなら、なるべく集中率が低く多くの医療機関の処方せんを応需している薬局が理想的。

在宅もやっていて、地域支援体制加算を算定している薬局が良いでしょう。忙しいとは思いますが、このくらいやっていない調剤薬局は近い将来、淘汰されて消えていきます。

もし、あなたが今後長く調剤薬局で仕事をしていこうと考えているのであれば、万が一のリスクに備えて複数薬局を経営している調剤薬局チェーンへの転職をおすすめいたします。

個人薬局の方が待遇が良いかもしれませんが、長い目で見ると得とは言えません。