

調剤未経験だが薬局に転職しようと考えている薬剤師
調剤未経験ですが、調剤薬局への転職は可能でしょうか?
未経験可と書いてありましたが本当に大丈夫なのでしょうか?
未経験者が薬局に転職するときに注意する点があれば教えてください。

このような薬剤師の疑問に答えていきます。
本記事の内容
この記事を読むと次のことがわかります。
- 薬局への転職に調剤経験は必要か
- 未経験薬剤師でも採用する理由5つ
- 調剤薬局が薬剤師を採用する基準
この記事を書いている私は転職経験2回のチェーン調剤薬局の管理薬剤師です。
薬剤師の採用活動や教育研修システムの構築にも携わっています。
自らの体験談や会社としての考え方をもとにしてこの記事を書いていきたいと思います。
薬局への転職に調剤経験は必要か
調剤経験があるに越したことはないですが、薬局への転職に調剤経験は必須ではありません。
だれでも最初は調剤経験0からのスタートだからです。
私は大学を卒業してからずっと調剤薬局勤務でしたので調剤未経験での転職経験はありませんが、私が新卒で入社した調剤薬局にはMRから転職してきた薬剤師がいました。
その方はMRとしてバリバリ仕事をしていたが、転勤多くて大変で薬局へ転職したそうです。
大学卒業後の数年間は営業のみだったのでもちろん調剤未経験。薬については国家試験レベルに自社製品を加えたくらいだったと言っていました。
私とその薬剤師は同時期での入社だったことから一緒に研修を受け、同じように学んでいきました。30代の薬剤師は社会経験や周辺知識が私よりも圧倒的に多く、新卒の私よりも服薬指導もかなり上手だったなと思います。
未経験だと難しいのではと思うかもしれませんが、勉強すれば大丈夫です。調剤未経験でもすぐに追い着くことは可能です。それでも薬局への転職が心配という方は、体系的な教育研修システムが充実している大手の調剤薬局チェーンを選べば安心です。
未経験薬剤師でも採用する理由5つ
未経験薬剤師でも採用する理由5つ
- 薬剤師が不足しているから
- 少しでも若い薬剤師が欲しいから
- 調剤経験者を採用して痛い目を見ているから
- 未経験でも新卒と同じように育てることができるから
- 在宅の処方箋数が伸びているから
薬剤師が不足しているから
薬剤師は充足しつつあると言われていますが、まだ薬剤師が足りていないという薬局も少なくありません。
処方せん発行医療機関数には以前のような伸びはありませんが、薬局の新規開局をどんどん進めている薬局チェーンでは当然薬剤師が必要となります。
また、ドラッグストアが調剤併設店舗を増やしていることも薬剤師不足の要因となっています。
薬科大学や薬学部自体が無い地方では、その傾向は顕著です。
⇒薬剤師が不足している地方VS薬剤師が余り気味の都心部 どっちが得?
若い薬剤師が欲しいから
調剤薬局を経営している会社からの視点で見てみますと、同じ能力の薬剤師なら当然年齢が若い薬剤師が好まれます。
採用する側(人事)が薬剤師を中途採用する際にこんなことを考えています。
人事が必ず考えている、若い薬剤師とベテラン薬剤師のメリットデメリット
<メリット>
勉強する意欲が高い(人が多い)、まだ素直、将来会社を担う人材になってくれる可能性が高い、給料が安い、体力があるので忙しい薬局でも対応できる、転勤に応じてくれる人が多い
<デメリット>
知識・経験量がまだ少ない
<メリット>
知識が豊富、早いうちに管理薬剤師になってもらえそう、指導する側になってもらえそう
<デメリット>
給料が高い、忙しい薬局では難しい、転勤が難しくなる(特に既婚者)、(頑固、わがまま、勉強する意欲が低い:個人差あり)
ざっとあげてみるとこんな感じです。
うちの薬局もそうですが、調剤薬局チェーンにとって一番の理想は新卒の採用のみで薬剤師をまかなうこと。新卒採用のみで薬剤師がまかなえれば中途採用のコストはゼロになるからです。
新卒で採用してしっかりと教育をしていけば、将来その会社の中枢を担う人材に育つ確率が高まることからも新卒採用を優先している状況です。
とはいっても実際のところは中途採用をしなければ薬剤師をまかなえていません。
調剤薬局や調剤併設を進めているドラッグストアでは第二新卒などなるべく若い薬剤師を採用したいと考えており、調剤経験がない薬剤師を積極的に採用しているのです。
経験者を採用して痛い目を見たから
過去に採用した調剤経験ありの薬剤師が大変扱いづらかったため、よほどのことが無い限り今後は新卒か調剤未経験者しか採用しないという薬局もあります。
前の薬局はこうだったとか、このやり方は納得できないとかいろいろと文句を言って、新しい薬局に対応しようとしない薬剤師が未だにいるのです。
一度こういう薬剤師を採用してしまうと大変です。元からいるスタッフとの関係も悪化し、薬局が崩壊します。
未経験でも新卒と同じように育てることができるから
大手調剤薬局チェーンやドラッグストアでは毎年多くの新卒薬剤師を採用しています。
その教育の経験とノウハウがあるからこそ、未経験の薬剤師でも採用が可能なのです。
体系的な教育をしていくことで未経験の薬剤師も戦力へと成長。
また大手であれば人員の余裕があって現場の薬局でもしっかり教える時間が確保できますので、成長が加速されます。
在宅の処方箋数が伸びているから
調剤薬局の業務内容は処方せん調剤やOTC販売だけではありません。最近では在宅に力を入れている薬局が増えてきています。今後ますます薬剤師は在宅医療に関わっていくことでしょう。
現状として、処方せん調剤だけで手一杯の薬局で在宅医療を始めるとどうしても薬剤師の人手が足りません。在宅医療への参加によって薬剤師が慢性的な不足状態となっている薬局が増加傾向にあります。このような理由で薬剤師不足になっている薬局では、調剤経験の無い薬剤師でも積極的に採用しようとしているのです。
そして在宅の経験が無い薬剤師はまだまだ多いです。未経験であってもこの分野においては同じスタートラインに立つことができます。
そういった意味でも調剤経験は採用段階であまり重視されなくなってきています。
調剤薬局が薬剤師を採用する基準
薬局の責任者はどんな薬剤師を採用したがっているか知っていますか?
一言で言えば優秀な薬剤師。
ですが、いくら調剤経験があっても調剤しかできない薬剤師は不要です。
服薬指導と服薬管理を通じて患者さんの治療に貢献できる薬剤師が必要とされています。
調剤経験がなくても患者さんの治療に貢献しようとする意欲のある薬剤師を採用します。
まとめ
ここまで、なぜ未経験の薬剤師でも薬局は採用していくのか、どのような薬剤師が薬局で必要とされているかを書いてきました。
ここまで読んでいただければ、未経験でも転職してみようという気持ちになったのではないでしょうか。
まだ知識が少なくても、あなたのような医療従事者としての心構えがしっかりしている素直な未経験薬剤師を採用して一から教育して育てた方が後々良い人財になる確率が高いと私は思います。
私は調剤の経験が無いから・・・といって調剤薬局への転職をどうするか迷う必要はありません。
調剤未経験でも、もう一度最初から勉強して薬局で働きませんか?
調剤未経験の薬剤師だからこそあなたが欲しいという薬局があります。
教育研修システムがしっかりしているなら安心
未経験の薬剤師が転職先を決める際には、教育・研修システムがしっかりしている会社の薬局かどうかをしっかり確認してください。
⇒調剤薬局の薬剤師教育・研修システム 転職活動ではしっかりチェックを!!教育・研修システムが整っていない会社だと、薬局に配属してすぐに調剤・投薬をするように投げ出されてしまいます。
どこの調剤チェーンが教育研修をしっかりやっているのかどうかは各薬局のホームページで確認することもできますが、表面的な情報しか得られないこともあります。薬剤師転職サイトのコンサルタントなら、実際にその薬局へ転職した人からの教育研修システムに関する情報を持っているはずです。
一度確認してみるのも良いのではないでしょうか。(薬剤師限定・全て無料で教えてくれます)
一応おすすめしている薬剤師転職サイト・転職エージェントのリンクを貼っておきます。
おすすめした薬剤師転職サイト
https://pharmacist-guide.net/archives/13070