

結婚予定の薬剤師
今の薬局では妊娠してもサポートしてくれなさそうだし、出産後も復帰できそうにありません。
どうすればよいでしょうか?

このような薬剤師の疑問に答えていきます。
本記事の内容
この記事を読むと次のことがわかります。
- 結婚をきっかけに転職しても大丈夫
- 妊娠・出産をきっかけに転職しても大丈夫
- 妊娠・出産後も安心して働くには

pharma_di(ファマディー)Follow @pharma_di
転職2回の大手チェーン調剤薬局の管理薬剤師。薬剤師や薬局事務の採用活動にも携わっています。
転職に失敗する薬剤師をゼロにしたいという思いで、自らの経験を基に記事を作成しています。
→詳しい自己紹介
結婚をきっかけに転職しても大丈夫
薬剤師が結婚を機に転職をすることはよくあります。
結婚をきっかけに転職をする薬剤師が多い理由
- 夫の職場の近くに引っ越すから
- 子供が欲しいから(妊活)
- すでに妊娠している
- 結婚を機に仕事から少し離れたい
一番多いのはこれです。
『結婚を理由に退職すれば辞められる』『結婚が良いタイミングだった』『結婚が理由なら角が立たない』
おめでとう!と歓迎されて退職できるのは結婚(寿退社)と定年退職だけです。
このタイミングを逃すまいとして退職・転職をする女性薬剤師は多いです。
結婚しますので退職しますと言われてしまえば、退職を引き留めることはできませんよね。
妊娠・出産を機に転職をしても大丈夫
2018年6月号の日経DIに「薬剤師の出産と子育て」という特集記事が載っていました。
薬剤師の女性比率は2016年時点の調査では61.2%(厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査)。
東京都の調査では都内の薬局に勤める薬剤師の女性比率は約75%という結果が出ています。
女性薬剤師のキャリアプランに大きくかかわってくる出産・育児に対して悩みを持つ薬剤師が多いことがこの日経DIによる調査で浮き彫りになっていますね。
女性薬剤師の出産前の働き方
出産前の働き方は?(子供がいると回答した女性薬剤師)
正社員(フルタイム)77.0%
パート勤務 15.0%
派遣社員 0.9%
専業主婦 7.4%
その他 0.5%
子供が生まれる前は正社員で勤務していた女性薬剤師が77%と多数を占めていました。
女性薬剤師の出産後の働き方
現在の働き方は?(子供がいると回答した女性薬剤師)
正社員(フルタイム)35.9%
正社員(時短勤務)16.5%
パート勤務 42.0%
派遣社員 1.5%
専業主婦 3.1%
その他 1.1%
しかし、出産後の働き方では正社員フルタイムは半分以下の35.9%まで下がっています。時短勤務とパート勤務を合わせると約6割。
出産を境にして勤務時間を減らしている傾向が見えてきます。

出産後の正社員フルタイム勤務がだいぶ減ってますね。

その理由についても載っていました。
出産を機に働き方を変えた(変えざるを得なかった)薬剤師の声
「フルタイムで働きたいが、通勤と保育園のお迎えを考えると時短勤務にせざるを得ない。」
「出産時は産休も取れない状態で、辞めるしかありませんでした。(薬剤師として)復職してからも、なかなか休みを取れず、有給は年間で3日も取れればいい方です。」
「正職員として復帰したが保育園などに預けられる時間の制約もあり、やむなくパート勤務に変えた。」

このあたりは社会的な問題にもなっていますね。
興味深いデータもありました。
「出産・子育てを機に半数が転職した」
出産・子育てを機に転職した経験は?
転職経験がある 50.6%
転職したことはない 49.4%

半分以上の薬剤師が出産や子育てを機に転職をしているんですね。

出産したら今までのように同じところで働けないのでしょうか?
出産・子育てを機に転職をした理由
仕事より子育てを優先させたかった
勤務条件(勤務地、勤務時間、業務内容など)が合わなくなった
職場の理解が得られなかった

転職をしたくてするのではなく、転職せざるを得なかったというのが本当のところの様です。

そうなんですね・・・
出産・子育てを機に転職しなくてはならないのは薬局側の問題が大きい
育休や時短勤務の制度が整っていても実際に使えない、使おうとしたが上司や職場同僚からの理解が得られないため転職せざるを得なかったという声も載っています。
時短勤務の期間が終わるタイミングで異動を命じられた
育児休業からの復帰の際時短勤務を拒否された
時短勤務にするなら認定薬剤師を取得しなければならない。車通勤もNG。

ここまでくるとブラック企業ですね。育休・時短勤務から復帰する際に、あえて遠方の薬局に異動を命じて退職に追い込む薬局もあるようです。

そんなのずるくないですか

うちの薬局は大丈夫か不安になってきました。
正社員薬剤師とパート薬剤師、派遣薬剤師はどれが得なのか。どの雇用形態で働くと良いのかをまとめました。ぜひご覧ください。
一番得なのは正社員です。出産後も正社員で復帰できる薬局が一番理想だと思います。
それができなくて、パートや派遣薬剤師に変えざるを得ないというのは薬局側に大きな問題があると言わざるを得ません。
薬剤師は女性の方が多いのに、女性に優しくない職場ってなんなのでしょう。
そんなブラックな薬局からは即転職で良いのではないですか?
管理薬剤師からの言い分も少し
薬局内で時短勤務の人が多くなりすぎてしまい、フルタイム正社員にしわよせが来ている。
子供が病気といって休むのは仕方ないと思うが、急に休まれると業務が回らない。

スタッフが何人も急に休まれてしまうと業務が回らなくなってしまう気持ちもわかります。子供がいないスタッフにその分のしわよせが行ってしまうこともありますね。

そういえば、時短勤務の人が増えてきて遅い時間に働けるスタッフが足りないと人事部の人が言っていました。
結局どうすれば良いか
子供がいるいないにかかわらず、お互いに助け合うという風土を作っていかないといけないということです。薬剤師の配置人員に余裕があれば問題にはならないのですが、薬剤師を常に1人余分に置いておくわけにもいきません。

やはり上司(管理薬剤師)の影響が大きいという事でしょう。ただ、会社全体や近隣エリア内の薬局間で支援の薬剤師を融通し合うなどのサポートがないと1薬局だけでは解決しきれない問題だと思います。

そうですね。お互い様の精神で助け合えるように私も頑張ります。
結婚・出産・育児でもこのまま今の職場で働けるかどうかを見極める方法
とは言っても自分がその時になったら本当にサポートが得られるか不安ですよね。

私がもしそうなったら今の職場で産休や育休、短時間勤務制度は本当に使えるのでしょうか。

確かに不安ですよね。チェックする方法を一緒に見ていきましょう。
結婚・妊娠・出産を経て働いている先輩女性薬剤師はいるか
ロールモデルと言えるような先輩女性薬剤師はいるでしょうか。話を聞いてみましょう。
もし、過去にその薬局の女性薬剤師が全員結婚・妊娠・出産を機に退職をしていたとしたら・・・。
今の職場の人員体制を確認
今の職場の薬剤師の人員配置はどうでしょうか。
自分以外の薬剤師の性別と年齢、結婚の有無、今後の出産の予定などだいたいわかりますよね。
育休や時短勤務の人はいますか?
その薬剤師が問題なく働けている環境でしょうか。
薬剤師の1人が急に休んだだけで業務が全然回らない、なんていう綱渡り状態の薬局であれば大変危険です。
上司(管理薬剤師)の考え方を知る
上司が女性でしかも産休、育休を経ていれば育児の大変さの理解もあるでしょう。その人をロールモデルとしても良いと思います。
独身の男性薬剤師であっても理解のある方はいます。もちろん上司の性別や年齢だけで考え方が決まるわけではありませんので普段から上司とコミニュケーションをとり、考え方を探っておくことが重要です。
例えば同僚薬剤師や事務スタッフが産休に入った時にその上司はどのような対応をしていたでしょうか?
もし近々結婚して引っ越す予定があるとか、妊娠・出産の予定があるというのであればあらかじめそのことを上司に伝えておければよいですね。

セクハラ、マタハラの問題もあるのでこういったプライベートなことは上司からは聞きづらいので言ってくれると助かります。

そうなんですね。知りませんでした。

早いうちからわかっていれば対応しやすいですし。

でもいつ子供ができるかなんてわかりません。子供ができなくて悩んでいる友達もいますし・・・

そうなんです。不妊で悩んでいる人が多いのを知っているのでなおさら子供は?なんて気軽に聞けません。。。
薬剤師の妊活への考え方についても
世間では晩婚化により、子供が欲しくてもなかなか妊娠できなくて悩んでいる女性が少なくありません。
婦人科の近くであれば妊活・不妊治療で頑張っている方の処方せんを応需していることと思います。
薬剤師も例外ではありません。
あなたのまわりにもそういう薬剤師はいませんか?
不妊治療には「タイミング治療」「人工授精」「体外・顕微受精」などありますが、「この日に急遽通院が必要」になることがありますので職場の理解が必要となります。

その大切な日に通院できなかったら、またチャンスが1か月先になってしまいます。それは上司として避けてあげないとだめですよね。

不妊治療休暇がある薬局なら安心ですよね

制度があっても使えなかったり、使いづらかったりすれば意味がありません。例えば生理休暇という制度があっても使いづらいから使っていないという女性がほとんどではないでしょうか。

そんなのあるんですか?知りませんでした。確かに、そんな制度あってもわざわざ上司に言えないので多少辛くても我慢して出勤しますね。
生理休暇とは、「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、使用者はその者を生理日に就業させてはならない」と労働基準法第68条で定められた制度のこと。有給か無給かは企業によって異なる。
結婚・妊娠・出産を機に女性薬剤師が転職するなら
「今の職場ではこのまま働くのは限界。」
「この職場で子育てなんてできない。」
そんな職場で働いている女性薬剤師へ。
半数以上の女性薬剤師が出産や育児を機に転職しています。
結婚、妊娠・出産を機に転職をすることは珍しいことでもなんでもありません。
むしろ多数派です。
あなたの人生にとって何が大切なのかをよく考え、この薬局では無理ということがわかり次第スパッと転職してしまいましょう。
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出産予定のある女性薬剤師・育児中の女性薬剤師が加えたい転職の条件
- 家から通勤しやすい
- 残業が少ない
- 産休・育休・時短制度が整っていること。
そしてなによりも出産・育児に対して職場の理解(特に上司の理解)が得られる環境なのかどうかという条件を加えましょう。
薬局に迷惑をかけてしまう・・・なんて心配している場合ではありません。
一番大切なのは自分の子供です。
家族を犠牲にしてまで、今の職場で働く意味ってあるのでしょうか。
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育児中のスタッフが働きやすいなら独身の私にとってもきっと働きやすいですよね!
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