

個人薬局へ転職しようと考えている薬剤師
個人薬局の見学に行ったら、社長自らものすごく熱く誘ってくれました。
個人薬局に転職してもデメリットは無いですよね?

このような薬剤師の疑問に答えていきます。
本記事の内容
この記事を読むと次のことがわかります。
- 個人薬局とは
- 個人薬局へ転職するメリットとデメリット
- 個人薬局への転職を勧めない理由

pharma_di(ファマディー)Follow @pharma_di
転職2回の大手チェーン調剤薬局の管理薬剤師。薬剤師や薬局事務の採用活動にも携わっています。
転職に失敗する薬剤師をゼロにしたいという思いで、自らの経験を基に記事を作成しています。
→詳しい自己紹介
個人薬局とは
個人薬局とは、個人で経営している薬局のこと。いわゆる夫婦で経営しているパパママ薬局のことです。
個人薬局は、1~2店舗程度の小規模な運営で、薬剤師の社長が自ら調剤業務も行っているという特徴があります。
社長の奥様も薬剤師や事務員として働いていることも多いです。
個人薬局であっても有限会社や株式会社であったりしますので、会社名から判断するのは難しいかもしれません。
個人薬局へ転職するメリット
個人薬局へ転職するメリット
- 給料が高め
- 転勤や異動が無いからずっと同じ薬局で働ける
給料が高め
チェーン薬局に比べると個人薬局の方が年収が高い傾向にあります。しかしその理由は後ろ向きのもの。
薬局がもうかっているからではなく、給料を高くしないと薬剤師が集まらないからです。
個人薬局の給料の高さに惹かれている薬剤師向けの時期です。個人薬局の求人で年収が高く設定されている理由、個人薬局の今後(潰れるリスク)、生き残れる個人薬局を探す方法がわかります。ぜひご覧ください。
但し、その給料をこれからももらい続けられるかどうかはわかりません。
転勤や異動が無いからずっと同じ薬局で働ける
個人薬局の店舗数は1つからせいぜい3店舗程度のところが多いです。
店舗数が1つなら転勤や異動はありません。店舗が複数あったとしても近隣にあることが多いので転居を伴う転勤の必要がありません。
ずっと同じ薬局で働き続けることができます。
但し、どこかの薬局に買収されたら異動の可能性ももちろん出てきます。
個人薬局へ転職するデメリット
個人薬局へ転職するデメリット
- 将来のポストが少ない
- 会社の将来性がない(少ない)
- 薬局数が少ないと経営難に陥りやすい
- 十分な設備投資がされない
- 就業規則はあって無いようなもの
- 知名度や魅力が乏しいと薬剤師が充分に採用できない
- 社長と一緒に働く
- もしくは社長の奥さんと一緒に働く
- 薬局(職場)の人間関係が良くなかった場合、逃げ場が無い
- 小さい会社で働いていると信用が得られない
- 産休・育休がない
- 短時間勤務制度がない
- 退職金制度がない
- 福利厚生がない
- どこかの薬局に買収される
個人薬局への転職だと将来のポストが少ないので昇進は難しい
薬局数が少ないと当然管理薬剤師やその他の役職も少なく、昇進の機会がほとんどなくなってしまいます。
ずっと一般薬剤師のままでいることにもなりかねません。
スキルアップには厳しい環境です。
個人薬局には将来性がほぼ無い
新規開局などの案件も大手チェーン薬局に比べれば取りにくい状況です。事業規模の拡大が見込みにくいです。
また、個人薬局の社長が高齢であれば誰が跡を継ぐかという問題が出てきます。結局は他社へ身売りもしくは合併という形で別の会社の傘下になることでしょう。
経営している薬局数が少ないと経営難に陥りやすい
例えば門前医療機関の先生が高齢で後継ぎがなく閉院してしまった場合、その薬局の経営は一気に悪化します。
大手チェーン薬局のように薬局数が多ければそのうちの1薬局がうまく行かなくなっても影響は小さく済みますが、個人薬局ではそうは行きません。
リスクが分散されていませんから一気に会社存続の危機に陥ります。
個人薬局だと十分な設備投資がされない
調剤機器やレセコンなどの高額備品は故障や機能追加のために、数年毎に定期的に更新していく必要があります。
利益を十分に上げられない薬局は充分な設備投資ができないため調剤室の環境整備も遅れがちに。
その負担はそこで働く薬剤師にのしかかってきます。
個人薬局だと就業規則なんて有って無いようなもの
社長の一声で決まるようなシステムとなっていますから就業規則なんて形骸化しています。
賃金だってどのように計算されているかわかりません。
残業が付かないことだってあり得ます。

私は個人薬局にいた時は毎日サービス残業でした。
個人薬局だと薬剤師の採用が難しい
薬剤師不足はだいぶ解消されてきましたが、大手調剤薬局チェーンに比べれば個人薬局の薬剤師採用はまだまだ難しいものがあります。だからこそ高い給与を提示して採用活動をしているのです。
魅力を付けられるとすれば給料だけということでしょう。
薬剤師の採用がうまくいかない限り、薬剤師不足の状態での業務が続きます。
この負担もやはり現場で働く薬剤師にかかってきます。
薬局数が少ないと、他薬局からの支援(ヘルプ)も期待できませんね。
個人薬局だと薬剤師社長と一緒に働かなくてはならない
尊敬できるような素晴らしい薬剤師の社長さんなら問題ありません。
が、そうではなかった場合・・・社長と同じ薬局でずっと働くというのは大変なストレスです。

私は個人薬局での勤務時代、社長から業務とは関係ない仕事(社長の家のこと)を頼まれました。もちろん無給で。
薬剤師社長の奥さんと一緒に働くほどの苦痛はない
薬剤師は薬剤師と結婚しやすいという統計があります。
薬剤師の結婚相手の3分の1が薬剤師。医療従事者を含めると48.1%にもなります。詳しいデータはこちらから。
社長が薬剤師であればその奥様も薬剤師である可能性が高い(約3割)ですね。
社長の奥様が薬剤師だったら、社長だけでなくその奥様とも一緒に働くことになるでしょう。
社長(薬剤師)と社長夫人(薬剤師)と共に働くことを想像できるでしょうか。
仮にもう1薬局経営していたとしても管理薬剤師は社長夫人でしょう。この人も尊敬できるような人であれば良いのですが、そうではなかった場合・・・。部下であるあなたが社長夫人に意見するのはまず無理ですよね。

冗談の様ですが個人薬局への就職転職にはこういうことだって起こりえます。体験談です。
個人薬局の人間関係が良くなかった場合、逃げ場が無い(転職しかない)
個人薬局で働いていて人間関係が良くなかった場合、もう逃げ場がありません。
同期もいないし、上司は社長の奥さんもしくは社長です。考えただけでも恐ろしいですね。
個人薬局からはそう簡単に辞められない
個人薬局は基本的に薬剤師不足。
人間関係の悪化や給料への不満、職場環境への不満があって辞めたいと思ったとしても、あの手この手で引き留め工作にかかってくるでしょう。
社長や社長夫人と2対1での面談を想像してみて下さい。
あなたは耐えられますか?
今の職場をなかなか辞めることができずに困っている、これから退職を考えているがどのように退職すれば良いかわからないという薬剤師向けの記事です。退職を引き止められないようにするためには、退職引き止めの実例、それでも辞めさせてくれない時の最終手段がわかります。ぜひご覧ください。
個人薬局で働いていると信用が得られない
薬局やその親会社が東証プライム上場企業だと、そこで働く薬剤師には「信用」が付きます。
会社の規模が小さい個人薬局では信用が付きません。
この信用、薬剤師だとあまり気にしたことが無いかもしれませんが、世間一般では結構重要です。
勤務している会社の規模により、住宅ローンを借りるときの金利に差が付きます。
これから一戸建てやマンションの購入を予定している薬剤師は転職タイミングと転職先の規模に注意が必要です。ぜひご覧ください。
産休・育休がない
女性に理解の無い薬局で働いていませんか?結婚、妊娠、出産、育児と女性薬剤師ならではのライフイベントに理解のない薬局からは今すぐ転職すべきです。
産休や育休は会社の制度ではありませんが、取れると思っていたら取れなかったということが実際にあります。
短時間勤務制度がない
短時間勤務制度のまとめ。短時間勤務制度の充実により薬局で実際に起きた人間関係の悪化についてや、薬局内で時短勤務の社員と既存社員に摩擦が生じないようにする7つの方法など。
退職金制度がない
退職金制度自体が無い個人薬局もありますので注意しましょう。
退職金制度についてしっかり考えたことはありますか?いやいやい退職金あるでしょ。と思った薬剤師向けの記事です。退職金制度があれば老後も安心できます。無かったら・・・
退職金をもらえるまで転職を待った方が良いか悩んでいる薬剤師向けの記事です。退職金がもらえるまで転職を待つべきかどうか?薬剤師が転職をするときに、退職金がどのくらいもらえるのか調べる方法についてまとめました。ぜひご覧ください。
福利厚生がない
福利厚生はあって無いようなもの。あっても使わせてくれるかどうかは社長次第です。
薬剤師が転職するときに福利厚生はどの程度考慮するべきかを知りたい方向けの記事です。薬局の福利厚生とは、薬局の福利厚生の例、大手と個人薬局の違いがわかります。ぜひご覧ください。
どこかの薬局に買収される
買収してくれる薬局があればまだ良いですが、なければ廃業です。
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個人薬局で働いている薬剤師向けの記事です。個人薬局で働き続けたことを後悔しないように、個人薬局で働いている薬剤師が今すぐすべきこと5選、転職せずに個人薬局に留まるならどうすればよいかをまとめました。ぜひご覧ください。
このように、個人薬局へ転職することのデメリットの方がたくさんあります。
個人薬局への転職を勧めない理由
医療費削減のために調剤報酬がどんどん減らされている昨今。今までと同じ仕事をしているだけではどんどんと薬局の収入は下がっていきます。薬局の収入が下がれば会社の利益も減る方向になるのは当然のことです。
個人でやっている薬局(チェーンではなく、2~3薬局を経営する小規模薬局)の経営は厳しくなっていることが多いのではないかと思います。M&Aや譲渡などでチェーン薬局傘下に入るところも少なくありません。
個人薬局でも、例えば立地が格段に良かったり、門前医療機関との関係が良好で経営がうまく行っているところももちろんありますが、個人薬局への転職には十分に注意が必要です
個人薬局は給料が高めに設定されているとはいえ、将来にわたってその給料がもらえるとはかぎりません。
個人薬局への転職はリスクが大きすぎます。
個人薬局でも良いところはもちろん多いのですが、ひどいところも多いです。良い~ひどいの幅が広いです。社長の色が強く出るからでしょう。
薬局チェーンであれば、マニュアルや設備、ルールがある程度一定に整備されていますし、研修も一律で行いますから質が一定です。
チェーン薬局への転職のリスクは小さいと言えるでしょう。
もちろん、薬局の責任者やスタッフによって差が出ますが、個人薬局ほどの大きな差はありません。人事異動もありますからね。
個人薬局で働いている薬剤師向けの記事です。大手の調剤薬局チェーンに転職するメリット、薬局で働くなら大手の調剤薬局チェーン一択である理由、大手の調剤薬局チェーンに転職するお得な方法をまとめました。ぜひご覧ください。
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