出荷調整医薬品の調べ方と対処方法【なぜ?いつまで?一覧はもう無理】
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出荷調整が多すぎて在庫管理に困っている薬剤師

最近後発品の出荷調整が多すぎて管理できません。

別のメーカーに切り替えようと思っても出荷調整がかかっているし、先発品も出荷調整です。

もう出せる薬が無いんですけど・・・。皆さんの薬局ではどのように対応しているのでしょうか。

pharma

このような薬剤師の疑問に答えていきます。

 本記事の内容
 この記事を読むと次のことがわかります。

  • 出荷調整がかかっている医薬品の調べ方
  • 出荷調整がかかっている医薬品を仕入れる方法
  • 今から薬局でできる出荷調整対策
自己紹介

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私は転職経験2回の大手チェーン調剤薬局の管理薬剤師です。
1回目は転職大失敗。2回目の転職活動では薬剤師転職サイトのコンサルタントの方に大変お世話になりました。そのおかげで転職に成功し、転職1年目の年収は600万円超。現在の年収は880万円です。⇒薬剤師になってからの年収推移公開

薬剤師や薬局事務の採用活動にも携わっています。自らの体験談を基にしてこの記事を書いています。

結論:『出荷調整』はあくまでも製薬会社からの出荷が調整されるのであって、薬局への入荷調整は誰もしてくれません。使ったら発注、早めに発注、多めに発注、GEメーカーのこだわりを捨てる・・・できることをしっかりやって出荷調整地獄が終わるのを待ちましょう。

医薬品の出荷調整とは?
出荷調整とは、製薬会社が医薬品の出荷量、出荷先を調整すること。


出荷調整の主な原因は、他社製品の供給停止・供給制限・販売中止等の影響により想定を上回る注文が入って対応できないというもの。


この出荷調整地獄は、小林化工製造のイトラコナゾール錠にリルマザホンが混入した問題が発端です。


さらには日医工の自主回収連発による業務停止、長生堂製薬などが自主回収をしたことによります。


販売量の多いジェネリックメーカーからの供給が絶たれ、別のメーカーの薬を調達しようと各薬局が動いた結果、全く関係ない後発品メーカーが対応しきれず出荷調整がかかったという流れです。

出荷調整がかかると薬局はどうなる?

既存の納品先を優先するためという理由により、出荷調整がかかっている医薬品を新規で購入することが原則できなくなります。


既存の納品先を優先すると言っても、既存の薬局が注文した量のすべてが納品されるわけではありません(結局欠品します)。


薬局に確実に納品されるように調整してくれるのではなく、あくまでも製薬会社からの出荷量が減るだけ。

出荷調整の発表があると、各薬局から一斉に卸に注文が入ります。


出荷調整の発表があった時点で、卸の在庫はすぐに蒸発します。

出荷調整がかかっている医薬品の調べ方

出荷調整医薬品一覧が記載されているホームページで良さそうなところはありませんでした。


出荷調整がかかる品目数も多いですが、出荷調整が解除となっている品目数も多く管理しきれないでしょう。

 出荷調整の情報を早く仕入れる方法

  • 各製薬会社のホームページを閲覧する
  • 卸から情報をもらう
  • ツイッターで検索する

各製薬会社のホームページを閲覧する

一番確実なのは製薬会社のホームページを見に行くことです。


日医工出荷調整一覧
沢井製薬出荷調整一覧
東和薬品出荷調整一覧

毎日となると結構手間ですね。

医薬品卸から情報をもらう

出荷調整の情報は医薬品卸にも入りますので、医薬品卸の担当者から情報をもらうと良いでしょう。


ただ、医薬品卸も出荷調整の問題で混乱しているでしょうから、対応してくれないかもしれません。


担当者の能力によって情報収集力は異なります。

ツイッター検索

結局これが一番早くて有益であると感じています。
♯出荷調整 で検索すると出荷調整に関する最新のツイートが見つかります。

 どの品目が出荷調整かを管理するのはあきらめるのも一手
自薬局では、出荷調整がかかっている薬のカセットに「出荷調整中」のラベルを貼ってわかるようにしておきましたが、最近では出荷調整の品目数が多くなりすぎて管理をすること自体をやめました。


というか、もう管理ができません。

今は緊急時ととらえ、全部の薬が出荷調整だと思って対応しています。

出荷調整がかかっている医薬品を仕入れる方法

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一番困るのは、新規の患者さんの処方せん
薬局に在庫がない
医薬品卸に電話しても出荷調整がかかっていて在庫なし
しかも門前薬局が休みで小分けの依頼も不可・・・胃が痛いです。

 出荷調整がかかっている医薬品を仕入れる方法

  • 取引のある全医薬品卸に電話をする
  • 開局している近隣の薬局に電話をする
  • 系列の薬局から薬を移動してもらう
  • どうにもならないときは処方元に連絡して変えてもらう

取引のある全医薬品卸に電話をする

メーカーを指定して注文するのではなく、電話で「どのメーカーでも良いし、先発品でもよいし、その包装規格でもよい」と伝えて何とか探してもらいましょう。


マイナーなメーカーなら出荷調整がかかっておらず卸に在庫があることが多々あります。

卸に「在庫がない」と言われてもすぐに電話を切らず、いつなら入荷するのかも聞いておきます。


仲の良い医薬品卸の担当者がいれば連絡を取ってみて、何とかならないか頼んでみましょう。(○○用確保分として在庫が存在していることもあります。)

但し、本当にどうにもならないときだけお願いしてください。

開局している近隣の薬局に電話をする

門前薬局がやっていなかったとしても、近隣で開いている薬局に電話をかけて小分けを依頼します。


自薬局では新規でも、継続処方なら今までもらっていた薬局に在庫があるかもしれません。


小分けをお願いするか、在庫を確認したうえでそちらの薬局に行っていただくことも選択肢の一つです。

地域の薬剤師会で備蓄の役割を担っている薬局があれば、そこへ連絡をしましょう。

系列の薬局から薬を移動してもらう

チェーン薬局なら他薬局の在庫も見られるはずですから移動可能かを確認します。

どうにもならないときは処方元に連絡して変えてもらう

八方手を尽くしたがもうどうにもならない。薬を納品することはできないし、患者さんに迷惑がかかってしまう。


その際には処方元に連絡をして別の薬に変えてもらえるよう頼みます。

今から薬局でできる出荷調整対策

普段から薬局でできる出荷調整対策にはどんなものがあるでしょうか。

 今から薬局でできる出荷調整対策

  • 薬局スタッフ全員で出荷調整に対する意識を高める
  • すぐに発注する
  • 多めに注文する
  • 複数銘柄採用する
  • 複数の医薬品卸から購入する
  • なるべく多くの医薬品卸に口座を開いておく
  • 医薬品卸の担当者と仲良くしておく

薬局スタッフ全員で出荷調整に対する意識を高める

1人ですべて管理することはできなくても、スタッフ全員でやればできることもあります。


在庫担当者や発注担当者にすべてを任せるのではなく、全員が在庫担当者・発注担当者という気持ちでやって行きましょう。


事務だろうが薬剤師だろうが関係ありません。行動するのみです。

すぐに発注する

医薬品を使用したらすぐに医薬品卸に対して注文をします。


『患者さんが次に来るのは1カ月以上先だから翌月の発注で良いや』なんて呑気なことは言ってられません。


今は出荷調整がかかっていなくても、その間に出荷調整がかかってしまうかもしれません。


使ったらすぐに発注しておきましょう。

多めに注文する

使ったらすぐに注文しますが、買占めにならない程度に気持ち多めに発注しておきましょう。


連休の兼ね合いで処方日数が伸びるかもしれません。


度を超えない範囲で多めに発注しておきましょう。

複数銘柄採用する

本来なら○○の後発品はこのメーカーと決めておきます。


その方が間違えないですし在庫の面でも理想的です。


ですが、これほど出荷調整がかかっている状況ではそのようなことは言ってられません。


例えば、「サワイ」と「トーワ」など複数の銘柄を採用しておけば片方が欠品したとしてもバックアップが効く可能性があります。


もちろん両社とも出荷調整になることもありますが。

複数の医薬品卸から購入する

出荷調整がかかると、医薬品卸は原則購入履歴がある薬局にしか販売できなくなります。


この薬はこの卸から購入するという帳合が決まっていますが、たまに違う卸から購入しておきましょう。


新規購入扱いにならないよう、たまには違う卸から購入しておくということです。


調達ルートが複数あれば出荷調整時に強い力となってくれます。

なるべく多くの医薬品卸に口座を開いておく

取引をする医薬品卸をなるべく絞り込まず、多くの卸と取引をしておくだけでも医薬品の調達難易度が下がります。


数品目だけでも購入するようにしておいて、なるべく取引先を増やしておきましょう。

医薬品卸の担当者と仲良くしておく

医薬品卸の担当者と仲良くしておくのが結果的に一番良いと実感します。


別の支店から引っ張ってきてくる、○○用にと確保しておいたものを1つ回してもらえるなど、裏技的な対応で助かったことが何度もあります。


担当者と普段からコミュニケーションをとり、月末のお願いもできる範囲で聞いてあげるなどしてお互い助け合うことが大切です。


薬局が困っているときだけ頼んでもダメです。


出荷調整について卸に文句を言うのは完全に誤りです。

 出荷調整まとめ
とにかく、患者さんに迷惑をかけないように薬局でできることは最大限やるしかないです。


医薬品卸にも協力いただいて乗り越えていくしかありません。


出荷調整地獄は2021年度末くらいまでは続くらしいので、みなさんもう少しの辛抱です。

こんな時に在庫金額を絞れと言ってくる無能な上司の指示は、無視が賢明

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医薬品の在庫管理と調達で多くの時間が取られてしまっています。

後発品メーカーがすべてひどいわけではないと信じますが、しっかりやってほしいですね。

厚労省はこの問題について理解しているのでしょうか。薬局への負担も相当なものとなっていることは知ってほしいですね。

後発品の調達ができなくて先発品に戻した薬の影響で後発医薬品の使用率が下がってきてしまいました。

救済措置を講じてくれないと、商売あがったりです。

皆さんの薬局では、この出荷調整問題で大変な時に会社は何かしてくれていますか?


「○○が出荷調整になったようですから、早めに発注してください」


こんな指示が出てるだけではないでしょうか?


現場の状況をよく知らないくせに口だけ出してくる上の人、本部・本社の人達。


勘弁してほしいですね。

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