

薬局見学に行った薬剤師
薬局見学に行ったら調剤機器が全部最新でした。
良い薬局に見えたので、ここに転職すると決めようかなと思うんですけど大丈夫ですよね?

このような薬剤師の疑問に答えていきます。
本記事の内容
この記事を読むと次のことがわかります。
- 調剤機器の良さで薬局を選んではいけない3つの理由
- 設備だけで転職先の薬局を選ぼうとした薬剤師が失敗した訳
- 薬局見学で調剤機器を見てくる時の注意点
pharma-di
私は転職経験2回のチェーン調剤薬局の管理薬剤師です。
1回目は転職大失敗。2回目の転職活動では薬剤師転職サイトのコンサルタントの方に大変お世話になりました。そのおかげで転職に成功し、転職1年目の年収は600万円超。現在の年収は880万円です。⇒薬剤師になってからの年収推移公開
薬剤師や薬局事務の採用活動にも携わっています。自らの体験談を基にしてこの記事を書いています。
調剤機器の良さで薬局を選んではいけない3つの理由
転職活動で薬局を探す時、条件に合った会社の薬局をいくつか見学させてもらうことがあると思います。(私も薬局を探している間に8薬局見学しました。)
せっかく働くなら良い環境で働きたいものですよね。
あなたが見学に行った薬局には次の設備が整っていたとします。
- 電子薬歴
- 散剤監査システム
- 錠剤監査システム
- 最終鑑査システム
- 二次元バーコードを読み取れるレセコン
- 自動錠剤分包機
- 自動水剤分注機
- 自動PTP払出機
- 自動散剤分包機
どれも最新設備です。
この薬局にしようと思ってしまったあなた。その転職は確実に失敗します。
調剤機器が新しくて良いものが揃っているというだけで転職先の薬局を選んではいけません。
その理由は次の通りです。
調剤機器で転職先の薬局を選んではいけない3つの理由
- 最初はどの調剤機器も最新だから
- 調剤機器を使用するのは結局のところ人(薬剤師)
- 調剤機器が便利でも一番不満が溜まるのは人間関係
最初はどの調剤機器も最新だから
当たり前ですが、導入当初はどの調剤機器も最新です。(中古品や型落ち品、他薬局から移動してくるものあるでしょうが耐用年数というものがありますので基本的には新品を導入します)。
最新機器が導入されていることも大切ですが、もっと大切なのは定期的に調剤機器が更新されるかどうかです。
調剤機器を使用するのは結局のところ人(薬剤師)
調剤機器だけで調剤がすべて完成するわけではありません。調剤機器を使うのは薬剤師。薬剤師にとって使いやすいか、本当に便利な調剤機器であれば問題ありませんが、調剤機器の使い勝手が悪くて結局時間がかかってしまうなどの問題もよくあることです。
その薬局の規模や処方内容に合った調剤機器が導入されていないと、そこで働く人(薬剤師)に負担がのしかかってきます。
調剤機器が便利でも一番不満が溜まるのは人間関係
少しくらい調剤機器が古くて使いづらかったとしても、それが不満で転職を考える薬剤師はほとんどいません。
仕事をしていて不満が蓄積してくるのは人間関係です。
優先すべきはやはり薬局内の人間関係でしょう。
転職を考えている薬剤師向けに薬局見学で見るべきチェックポイントをまとめました。自分が勤務する職場の見学は必須です。なんとなく見学するのではなく見るべきところを良く見ましょう。転職成功のカギは現地調査です。
設備だけで転職先の薬局を選ぼうとした薬剤師が失敗する理由
見学した薬局と配属される薬局が違う
その会社の他の薬局も同じように最新設備が整っているのでしょうか?
そうとは限りません。薬局ができた時期や応需診療科によっても導入設備は大きく異なるはずです。
もしこの会社に入社を決めたとして、あなたが配属される薬局は本当にここなのでしょうか?
もしかすると、そこはチェーン薬局の基幹薬局。見学者は最新設備が整った薬局にだけ連れて行くということだってあり得ます。
実際、私が転職活動中に見学した薬局はそのチェーンのモデル薬局的な所でした。実際の勤務地は別の薬局(普通の設備の)だったのです。
新規開局での失敗
新規開局でクリニックとの同時開局。計算され尽くされた調剤室の配置と広さ。そして最新の調剤機器と電子薬歴などが完備されています。
この薬局へ転職した薬剤師が6か月でやめました(うちの薬局から100mほどにある薬局で、薬の小分けによく来てました)。
原因はそこの薬局長。
どんなに最新設備で働きやすい調剤室であったとしても、結局は人間関係です。
確かに調剤機器が最新であれば働きやすいでしょう。調剤報酬はモノからヒトヘと評価が移っています。調剤はなるべく機械に任せるというのは理にかなっています。
調剤機器をうまく利用すれば調剤過誤を減らすことにもつながります。でも調剤機器だけではだめなのです。
確かに薬局見学に行って、最新設備できれいな薬局であれば働きたいと思うでしょう。汚くて狭くてごちゃごちゃしている調剤室にいたくないですからね。
結局は人間関係。調剤機器がいくら最新ですごい設備が整っている。こんな薬局で働きたいと思ってもいったん立ち止まってよく考えましょう、
薬局見学で調剤機器を見てくる時の注意点
同じ会社の複数の薬局を見学させてもらいましょう。複数が無理であれば配属予定の薬局を見学させてもらうべきです。
1つの薬局を見ただけでその会社全体のイメージとしてはいけません。
設備の種類や導入時期、更新予定もできれば確認しておきたいところです。いくら最新設備でも5年も経てば最新ではなくなりますからね。