オワコンと言われて不安な薬剤師
この前、友人から「薬剤師ってオワコンでしょ？」と言われました。
私はそんなことないと思うのですが、オワコンと言われると不安になります。
実際はどうなのでしょうか？
最近、「薬剤師はもうオワコンだ」と言われることが増えてきました。オワコンとは「終わったコンテンツ」の略で、時代遅れで価値がなくなったものを指す言葉です。
あなたは薬剤師のこれからについて、漠然とした不安や危機感を持っていませんか？そう感じるのは、時代の変化に伴い薬剤師に求められる役割が大きく変わってきたからです。
しかし、安心してください。私が現場で多くの薬剤師を見てきた経験から言えば、薬剤師には既に「オワコン薬剤師」と「必要とされ続ける薬剤師（非オワコン薬剤師）」の2種類が存在します。
この記事を最後まで読めば、あなたがどちらに進むべきか、そして必要とされる薬剤師になるために今すぐ何をすべきかが明確にわかります。ぜひ、この機会に将来への不安を自信に変えていきましょう。
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全国に300店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
pharma_di（ファマディー）
【私が薬剤師採用のために連絡を取っている≫おすすめの薬剤師転職サイト】
面接をした中途薬剤師は軽く100人を超えました。 私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。 ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、当サイト「薬剤師のための転職ブログ・ファマブロ」を始めました。 このサイト内の記事は『過去2回の転職経験』と、『現在の薬剤師採用業務の経験と知見』を基に全て私が1人で書いています。
私は調剤薬局で管理薬剤師を5年間務め、採用にも関わってきました。現場では、技術の進歩や制度の変更により、薬剤師の二極化が急速に進んでいるのを肌で感じています。この先、選ばれる薬剤師になるための具体的な対策を、私の経験に基づいてお話ししていきますね。
薬剤師の仕事は「オワコン」ではなく、すでに「オワコン化する薬剤師」と「未来も必要とされる薬剤師」に分かれています。これからは、調剤薬局の枠を超えて患者さんと地域に貢献できる、専門性の高い対人業務ができる薬剤師だけが生き残る時代に入っています。
薬剤師がオワコンと言われるようになった理由・背景
薬剤師が「オワコン」と揶揄されるようになった背景には、医療制度や技術の大きな変化が関わっています。これは、薬剤師の価値がなくなったのではなく、「従来の働き方」が通用しなくなった、と捉えるのが正しいでしょう。
薬剤師を取り巻く環境は、この数年で急速に変化しました。特に薬局の経営や業務に直結する要因は、私たちの働き方にも影響を及ぼしています。まずは、不安の根源となっている主な理由を5つ、具体的に見ていきましょう。
薬剤師がオワコンと言われる主な理由は、以下の5つです。
- 調剤バブルの終焉
- 調剤報酬の改悪
- 0402通知による非薬剤師の業務範囲拡大
- 登録販売者によるOTC販売
- AIに薬剤師の仕事を取られる可能性
調剤バブルの終焉
調剤バブルとは、1990年代後半から2010年代前半にかけて、医薬分業率が急速に上昇した時期を指します。分業率の上昇に伴い、多くの企業や個人が調剤薬局経営に参入し、調剤報酬も比較的高く設定されていたため、薬局は高収益を上げることができました。
このバブル期は終わりを迎え、調剤薬局の収益性は低下しています。実際に私の周りでも、収益が減少し経営難に陥る薬局が増えているのを実感しています。
- 医薬分業率が頭打ちになった
- 新型コロナウイルス感染症の影響で外来患者数や処方箋数が減少した
- 調剤併設ドラッグストアの増加による競争激化が進んだ
調剤業界全体の成長率が低下し、市場が縮小傾向にあることが、薬剤師の将来に対する不安、ひいては「オワコン」という言葉が生まれる原因の一つとなっています。
調剤報酬の改悪（引き下げ）
日本は高齢化社会に突入し、医療費の増加は大きな社会問題です。政府はこの問題に対処するため、調剤報酬の引き下げを通じて、医療費の抑制や適正化を図ろうとしています。
調剤報酬は薬局の主な収入源であるため、減額はそのまま薬剤師の給与や待遇にも影響を及ぼします。今後も医療費削減の圧力は続き、調剤報酬はさらに下がっていく可能性は否定できません。
最近の調剤報酬改定では、地域医療や対人業務の重要性が特に強調されています。これらの時代のニーズに応えられない「調剤中心」の薬局は時代遅れとなり、存続が難しくなるでしょう。
政府の方針や市場のニーズに対応できない薬局は、間違いなくオワコン化していきます。私の経験上、新しい加算に積極的に取り組む薬局は生き残っています。
0402通知による非薬剤師の業務範囲拡大
薬剤師の業務範囲に関わる0402通知（「調剤業務のあり方について」）により、一般的な計数調剤などの一部の業務が非薬剤師（調剤助手など）でも可能となりました。
これにより、薬剤師はより専門的な対人業務に集中できるというメリットがある一方で、非薬剤師が代替できる業務が増えたことで、「調剤だけをする薬剤師」の需要が低下するという側面もあります。これも薬剤師がオワコンと言われる背景の一つです。
登録販売者によるOTC販売
以前は薬剤師が不足していたため、薬剤師免許さえあればどこでも容易に就職や転職ができましたが、特に都市部においては薬剤師の数はほぼ充足しています。
ドラッグストアでは、一般用医薬品（OTC）の販売業務の多くを登録販売者に任せ、薬剤師は調剤業務に専念させる傾向が強まっています。
登録販売者は薬剤師よりも人件費が安いため、ドラッグストアはコストを下げられるメリットがあります。登録販売者の増加は、OTC販売における薬剤師の仕事を減らす可能性があり、これも薬剤師オワコンと言われる要因の一つとなっています。
AIに仕事を取られる可能性
薬剤師がオワコンと言われるもう一つの大きな理由は、人工知能（AI）に仕事を取られる可能性があることです。AIは近年目覚ましい発展を遂げており、様々な分野で活用が進んでいます。
将来的には、AIによる処方箋の読み取りや薬歴管理、医薬品の在庫管理の自動化が進むかもしれません。さらに、患者さんへの服薬指導や薬剤情報の提供も、AIが担当する可能性も指摘されています。
AIは薬学的な知識や最新の医療情報を常に更新し、正確で迅速な判断を下すことも可能です。しかも、AIは薬剤師よりも安く雇用でき、文句も言いません。この技術の進歩が、定型業務中心の薬剤師の仕事を奪う可能性があるのです。
AIは薬剤師の仕事にも影響を与えるのは間違いないでしょう。AIを使いこなせる薬剤師になることが重要です。
オワコン薬剤師の5つの特徴
時代の変化に対応できず、将来的に必要とされなくなる「オワコン薬剤師」とは、具体的にどのような特徴を持つのでしょうか。
オワコン薬剤師とは、一言で言えば変化に対応できない薬剤師のことです。彼らの特徴を理解することで、あなたが目指すべき姿が見えてきます。淘汰されてしまう薬剤師の5つの共通点を見ていきましょう。
- 最新の知識や技術に疎い
- 地域医療への貢献が低い
- 新しいことへのチャレンジを嫌がる
- 人脈が乏しく視野が狭い
- キャリアチェンジの選択肢を持っていない
これらの特徴を持つ薬剤師は、今後、組織においても、社会においても必要とされなくなり、残念ながら淘汰されていきます。
逆に言えば、オワコン薬剤師にならないためには、これらの特徴とは真逆の行動をとれば良いのです。
オワコン薬剤師にならないためには、上に挙げた特徴とは逆の行動をとれば良いのです。時代に合わせた自己投資が非常に重要になります。
必要とされる薬剤師になるためにやるべき5つのこと
「薬剤師はオワコン化する」という不安がある一方で、「薬剤師業界」自体はオワコンにはならないと私は考えています。その理由は、薬剤師が医療分野で必要不可欠な存在であり、特に地域医療に貢献できる役割が大きいからです。
しかし、何もしなければ確実に「オワコン薬剤師」になってしまいます。時代に選ばれ続ける薬剤師になるために、今すぐやるべき具体的な5つの行動を解説します。
- スキルアップや資格取得を継続する
- 地域医療への貢献を強く意識する
- 変化に対応できる柔軟性を持つ
- 人脈や視野を広げておく（ネットワークを作る）
- キャリアチェンジの選択肢を常に持つ
スキルアップや資格取得を継続する
オワコン薬剤師にならないための最も重要なポイントの一つは、継続的なスキルアップです。薬剤師は6年制の教育を受けて国家試験に合格した専門家ですが、それだけでは現代の医療現場では不十分になっています。
常に最新の知識や技術を身につけることが、患者さんにより良い医療を提供するための絶対条件です。私自身、最新の情報を得るために多くの研修に参加してきました。
- 認定薬剤師や専門資格などの取得に挑戦する
- 地域の研修やセミナーに積極的に参加する
- 勉強会や交流会に参加して情報交換する
- 専門書や雑誌、オンライン情報を欠かさず読む
- 他職種や他業種と交流し、異なる視点を取り入れる
常にスキルアップに励み、「あの薬剤師に相談したい」と思われるような専門性を高めていきましょう。
地域医療への貢献を意識する
高齢化社会において、在宅医療や地域包括ケアシステムなど、地域全体で患者さんを支える医療体制の重要性が高まっています。
薬剤師は、この地域医療への貢献を強く意識し、在宅業務や地域支援体制加算の取得に向けた取り組みなどを積極的に行うことが強く求められています。薬局の中だけでなく、患者さんの生活の場に入り込むことで、薬剤師としての価値は飛躍的に向上します。
変化に対応できる柔軟性を持つ
オワコン薬剤師にならないためには、環境の変化に対応できる柔軟性を持つことが欠かせません。医療の世界は常に進化しており、新しい薬や治療法が開発され、法律や制度も頻繁に変更されます。
さらに、患者さんのニーズや嗜好も多様化しています。例えば、オンライン服薬指導やリフィル処方箋などの新しい制度変更にも、躊躇なく対応していかなければなりません。
ポイント：変化に対応できない薬剤師は、時代の波に飲まれ、残念ながら淘汰されてしまいます。
私の経験上、変化を恐れず、むしろ新しい挑戦を楽しめるような薬剤師は、必ずキャリアを築けています。もし自分には柔軟性が足りないと感じたら、以下のことを意識してみてください。
- 新しい業務や役割に積極的に挑戦する
- 異なる職種や世代の意見を素直に聞き入れる
- 上司や同僚からのフィードバックを真摯に受け入れる
人脈や視野を広げておく（ネットワークを作る）
オワコン薬剤師にならないためのポイントの一つは、新たなネットワーク（人脈）を作ることです。社内の人とばかり一緒にいるのではなく、新たなネットワークを作ることで、生きた情報や知識を得られるだけでなく、薬剤師としての視野を大きく広げることができます。
- SNSを情報収集や発信に積極的に活用する
- 地域の薬剤師会や専門コミュニティに参加する
- 学会や研究会に積極的に参加する
これらの方法以外にもネットワークを作る方法はたくさんあります。特に若いうちに、薬局外の薬剤師や他職種の知り合いをたくさん作っておくことは、将来のキャリア形成において必ず役立ちます。
キャリアチェンジの選択肢を常に持つ
キャリアチェンジ（転職）の選択肢を常に持っておくことが大切です。これは、今すぐに転職をしろというわけではありません。自分の市場価値を理解し、「いつでも動ける」という心の余裕を持つことが重要です。
転職は、あなたの可能性を大きく広げる機会になります。もし、現状の職場に満足できていなかったり、成長が止まっていると感じたりするなら、あなたに合った職場を外部に探してみることが重要です。
働く場所が変わるだけで、一気に才能が開花する薬剤師はとても多いです。これは採用担当者として多くの薬剤師を見てきた私の実感でもあります。
Q&A｜薬剤師の将来に関するよくある質問
薬剤師の将来に関する不安や疑問は尽きません。ここでは、皆さんが特に関心を持っている質問に、簡潔に回答していきます。
Q1: 薬剤師がオワコンと言われる理由は何ですか？
A1: 薬剤師がオワコンと言われる理由は、主に以下の5点です。調剤バブルの終焉や調剤報酬の改悪による薬局経営の悪化に加え、0402通知や登録販売者による業務範囲の変化、そしてAIによる定型業務の自動化の可能性が挙げられます。
Q2: オワコン薬剤師の特徴は何ですか？
A2: オワコン薬剤師は「変化に対応できない薬剤師」を指します。具体的には、最新知識への疎さ、地域医療への貢献度の低さ、新しい挑戦を嫌う姿勢、人脈の乏しさ、そしてキャリアチェンジを検討しないことが特徴として挙げられます。
Q3: 必要とされる薬剤師になるためにやるべきことは何ですか？
A3: オワコン薬剤師にならないためには、次の5つを心がけましょう。スキルアップと資格取得の継続、地域医療への貢献意識、変化に対応できる柔軟性の獲得、人脈と視野の拡大、そしてキャリアチェンジの選択肢を常に持つことです。
Q4: スキルアップや資格取得を継続するための具体例は何ですか？
A4: スキルアップのためには、認定薬剤師資格の取得や専門分野の研修・セミナーへの参加が有効です。また、専門書や雑誌、SNSでの情報収集、他職種との交流を通じて、幅広い知識を常にアップデートし続けることが大切です。
Q5: 人脈や視野を広げるための方法は何ですか？
A5: 人脈や視野を広げる方法としては、SNSの積極的な活用や、地域の薬剤師会、専門的なコミュニティや学会への参加が効果的です。社外の薬剤師や他業種との交流を通じて、新しい価値観や情報を得ることができます。
Q6: AIの導入で薬剤師の仕事はどう変わりますか？
A6: AIは、計数調剤や薬歴管理などの定型的な業務を自動化する可能性があります。これにより、薬剤師は機械には代われない患者さんとの対話や、薬物治療の専門家としての判断など、対人業務により集中することが求められるようになります。
Q7: 調剤薬局以外のキャリアにはどのようなものがありますか？
A7: 調剤薬局以外にも、病院薬剤師、製薬企業（MR、開発、学術）、行政（公務員薬剤師）、ドラッグストア（管理職・本部職）、学校薬剤師など、多様なキャリアパスが存在します。専門性を高めることで、選択肢はさらに広がります。
Q8: 転職を考え始めたら、最初に何をすべきですか？
A8: 転職を考え始めたら、まずはご自身のキャリアの棚卸しを行い、市場価値を把握することが重要です。その上で、薬剤師専門の転職エージェントに相談し、非公開求人や業界の最新情報を得ることから始めるのが効率的です。
Q9: 今後、給与は下がってしまうのでしょうか？
A9: 薬局全体の収益は調剤報酬改定の影響で厳しくなる傾向にありますが、専門性の高いスキルや管理能力を持つ薬剤師の給与は維持されるか、むしろ上がっていく傾向にあります。対人業務や在宅医療への貢献が評価される時代です。
Q10: 地域の患者さんと信頼関係を築くにはどうすれば良いですか？
A10: 患者さんとの信頼関係を築くには、まず親しみやすい態度で接し、専門用語を避けた分かりやすい説明を心がけることが大切です。また、薬の相談だけでなく、健康全般の相談に応じる姿勢を見せることで、かかりつけ薬剤師としての価値が高まります。
変化に対応し、必要とされる薬剤師になるための次の一歩
この記事では、薬剤師が「オワコン」と言われるようになった理由と背景、そして未来に向けて必要とされる薬剤師になるための具体的な行動ポイントをご紹介しました。
- 薬剤師がオワコンと言われる背景には、調剤バブルの終焉や調剤報酬の改悪など、業界全体の構造変化がある。
- 定型業務中心で変化を嫌う薬剤師は、AIや制度改革により淘汰されるリスクが高い。
- 未来の薬剤師は、対人業務と地域医療への貢献が最重要視される。
- オワコン化を避けるには、スキルアップ、柔軟性の獲得、人脈の拡大、キャリアチェンジの検討が必須である。
「オワコン」という言葉に惑わされる必要はありません。
薬剤師は、薬物治療のプロフェッショナルとして患者さんや医療チームに貢献できる、替えのきかない存在です。
薬の効果や安全性に関する高度な知識はもちろん、人間性やコミュニケーション能力など、AIやロボットには代われない強みや特徴を私たちは持っています。
このように、薬剤師は未来に向けても十分活躍できる職業です。ただし、そのためには何事にもチャレンジする姿勢が必要です。スキルアップを怠らず、常に変化に対応できるように柔軟になり、ご自身の強みや特徴を活かすことが大切です。
これらのポイントを意識して、選ばれ続ける活躍できる薬剤師への道を、一緒に歩んでいきましょう。
もしあなたが現状の職場で、自分のスキルが活かせない、このままでは成長が止まってしまう、という強い危機感を感じているなら、立ち止まっている時間はありません。
不安を抱えたまま日々を過ごすのではなく、まずは一歩踏み出してみましょう。今すぐ転職する意思が固まっていなくても、「もしこの会社が倒産したら」「もし今の給料が維持できなくなったら」といった最悪の事態を想定し、いつでも動ける準備をしておくことが、未来への最大の投資になります。
未来のキャリアを真剣に考える時、薬剤師専門の転職エージェントを利用するのは必須です。
彼らは、あなたの市場価値を客観的に判断し、あなたのスキルが最大限に活かせる、時代に合った職場を探す手助けをしてくれます。
キャリアチェンジを一人でやろうとすると、私のように失敗や遠回りをする可能性が高まります。信頼できるパートナーを見つけて、賢く進めることが成功の鍵です。
今の職場では評価されなかったあなたの潜在能力も、環境を変えるだけで一気に開花するかもしれません。自分一人で悩まず、まずは無料で情報収集を始めることが、オワコンではない明るい未来への確かな一歩です。
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