

薬局が暇で不安な薬剤師
最近患者さんの数が減ってきました。
そのせいか、なるべく残業しないように指示が出ています。
薬の在庫もギリギリまで絞るように言われました。
薬局の経営がうまくいっていないのでしょうか?

このような不安を持つ薬剤師向けに書きました。
本記事の内容
この記事を読むと次のことがわかります。
- 薬局の経営が悪化する主な理由
- 一般薬剤師でもできる薬局の経営状況の確認方法

pharma_di(ファマディー)Follow @pharma_di
全国に500店舗以上運営している大手調剤薬局チェーンの大型店舗で管理薬剤師をしています。
管理薬剤師歴は15年以上。現在は転職サイトの担当者と連絡をとりつつ、中途薬剤師の採用活動にも携わっています。
面接をした中途薬剤師は軽く20人を超えました。
私は過去2回転職をしていて、1回目は大失敗。ブラック薬局で過ごした数年間は地獄そのもの。
ブラック薬局に入らない方法、そこから脱却した方法を他の薬剤師にも役立ててほしいと思い、薬剤師の転職に役立つ情報を書いています。
転職に失敗する薬剤師をゼロになるまで書き続けていきたいと思います!
もし、薬局の経営が悪化したらボーナスカットだけでなく、給与カット、人員カットが始まります。これは他人事ではありませんね。
あなたが働いている薬局の経営状態くらいは確認しておいた方が良いでしょう。
薬局の倒産が増加している原因
薬局の倒産が増加している原因は主に以下の通りです。
- 新型コロナウイルス感染症による影響
- 競合店の進出
- 評判が悪く顧客が流出している
- 門前医療機関の廃業
- 急な店舗数増加による借入金増
新型コロナウイルス感染症による影響(受診控えと処方の長期化)
『2021年1-8月の「調剤薬局」の倒産は22件(前年同期比83.3%増)に達し、2004年の調査開始以来、年間最多だった2017年(17件)を大幅に上回った。』
引用:東京商工リサーチ
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、病院や診療所の経営状態が悪化しています。もちろん薬局も例外ではありませんね。
⇒利益の源泉である調剤基本料と技術料が減る
⇒受付1回あたりの薬の量が増える
⇒在庫管理が大変
⇒卸への医薬品購入支払額が増加する
⇒資金繰り悪化
競合店の進出
最近、あなたの薬局の近くに新しい薬局がオープンしていませんか?
ドラッグストアが調剤をやり始めていませんか?
調剤併設のドラッグストアがオープンしていませんか?
倒産が増えているとはいえ、薬局数自体はまだ増加しています。
薬局周辺の状況はどうでしょうか。
処方せんが減っているのは、他の薬局に取られてしまっているのかもしれません。
薬局の評判が悪くて顧客が流出
あなたの薬局の接遇はどうですか?
薬剤師の言葉遣いは?
待ち時間は?
いつも欠品で迷惑をかけていませんか?
門前医療機関の廃業
薬局の倒産理由として、最近増加しているのは門前医療機関の閉院によるもの。
高齢や跡継ぎがいないことが主な閉院理由です。
もし、あなたの薬局の集中率が高ければ、薬局も一緒に閉局することになるでしょう。
門前医療機関の先生の年齢は?
跡継ぎは?
急激な店舗数増加(借入金の増加)
さくら薬局(クラフト株式会社)の例です。
さくら薬局は正確には倒産ではありません。倒産しないように再生をしている段階です。
経営悪化の原因は、合併等により急激に店舗数を増加させた結果、借金が膨れ上がってしまったところにコロナによる受診抑制で売上が減少したというものです。
一般薬剤師でも薬局の経営状況を確認しておいた方が良い理由
薬局長(管理薬剤師)はもちろん把握しているでしょうが、一般薬剤師であっても知っておく必要があります。
一般薬剤師であっても薬局の経営状況を確認しておくと良いことしかありません。
自身の知識が増える
数字が読めるようになれば、薬局の問題点が見えてきます。
その数字を紐解いていくことにより、どこを改善する必要があるか、どこに力を入れなければいけないかがわかるようになります。
転職の時に役立つ
薬局の数字が読めることはアピールポイントになります。
薬局が倒産する兆候をつかめる
これから薬局がバタバタと倒産する時代が来ます。
黒字であっても資金繰りがつかず銀行への支払いができなくなれば倒産です。
さすがに倒産するより前に事業譲渡などで他社に売られるでしょう。契約内容などもすべて見直されることになります。
一般薬剤師が薬局の経営状況を確認する方法
売上(特に調剤売上)
薬局にとって一番大切なのは調剤売上です。調剤売上はどのくらいでしょうか。
調剤メインの薬局においてはOTCや小分けの売上は微々たるもののはずです。
調剤売上がしっかりと前年同月比で伸びていれば問題ないと言えるでしょう。
受付回数はどうでしょうか。受付回数が前年同月比で増加していれば安心です。
技術料率はどうでしょうか。
利益の源泉とも言える技術料率が低下していると先行き不安です。
技術料率を上げるにはどうすればよいか。
- 調剤基本料1算定をする
- 地域支援体制加算を取る
- 後発医薬品調剤体制加算を上げる
- かかりつけ薬剤師の点数を取る
- 重複投薬 相互作用等防止加算
- 嚥下困難者用製剤加算
- 自家製剤加算
- 計量混合調剤加算
- 夜間・休日等加算
人件費
費用のうち、最も割合が大きいのは人件費です。
ただ、人件費をカットする権限は一般薬剤師はもちろん管理薬剤師にもありません。
人を辞めさせることはできませんし、給与を下げることもできません。
医薬品在庫金額
費用とは若干異なるかもしれませんが、利益を減らすという意味では費用と言えるでしょう。
無駄な在庫(いわゆるデッドストック)は眠っていませんか?
卸から仕入れた薬を無駄なく使うことが大切です。期限切れ等で廃棄をしてしまうと利益減となります。
こんな数字だと危ない
受付回数や調剤売上が右肩上がりや横ばいなら良いですが、毎年減少傾向が続いているとなれば危険です。
減っている原因は何でしょうか。門前医療機関が減っているのか、競合店に奪われているのか。そういった視点も持っておくことが大切です。
調剤売上減少→
利益減→
従業員の賞与カット→
売上や利益が戻らない→
さらなる人件費削減→
派遣薬剤師切り→
まだ足りない→
従業員削減→
まだ足りない→
従業員の給与カット→・・・
チェーン薬局に勤めているのであれば会社全体の経営状況も
まとめ
他の薬剤師がどれくらいボーナスをもらっているのか気になる薬剤師向けの記事です。薬剤師のボーナス(賞与)額の実際、もらえるボーナスの額を増やす方法、ボーナスの計算方法がわかります。ぜひご覧ください。